あーまたか、非常に申し訳ないけど、このセリフ言うの何回目なんだろうね。  
「申し訳ありません、僕には好きな人がいるんです」  
あーそんな顔しないでよ、本当に悪いと思ってるんだから。  
「だから、ごめんなさい」  
 
 
いつもどうり、  
全くいつもどうりに告白を断る訳だよ。  
しかし告白って奴はキツいね、  
する方もキツいし、される方もキツい、断るのなら尚更だ。  
だが彼女は勇気を振り絞って俺に思いを伝えたんだ、  
なら俺だって正直に断るしかないだろ?  
俺も彼女に告白出来る物ならしたいよ…  
全く羨ましいもんだ、  
俺は卑屈になるしかないのかね。  
それもこれもあの野郎のせいだ、実に忌々しい、  
俺があいつに対する文句を箇条書きにしたら一体何ページになるもんだかわからんよ?  
…しかしまぁ結構いい奴だし好感も持てる、親友になりたいとかも思うしね。  
うわっ俺キモ、こんな素晴らしい昼下がりに何考えてるんだ俺は。  
いかんいかん気を引き締めなければ、  
こんな時こそ部室だ、部室に行って天使の降臨を目にしなければ発狂してしまう。  
ついでに飯も食わんとな。  
あくまでついでだがね。  
「ハハハ」  
誰に聞かせる訳でもない笑いが出たね。  
あー狂ってるわ俺、ゲヘヘ。  
 
 
なにわともあれ部室にに来ましたよー。  
トイレで髪型とスマイルはチェック済み、準備は万全。  
今の俺を止めるのはカーンでも不可能だ、間違いない。  
エンジェルさんエンジェルさんエンジェルさんと脳内で再生しながらノックを抉り込むように打ち込む。  
 
打ち込む。  
 
よし、第一関門クリア。  
残りの選択肢はたった二つ、  
しかしとても重い二つだ。  
heven or hell  
ええぃままよ!  
 
誰も居ないね…  
兵士諸君任務御苦労さようなら。  
萎えたね、  
うん、わりと。  
 
飯食うか…  
 
 
いや待てよ。  
 
誰も居ない  
↓  
今は俺だけ  
↓  
残り時間五分  
↓  
誰も来ない  
=  
ユキタンの椅子の匂いを嗅いでもいい。  
「ハッ!?」  
馬鹿か俺は、そんな事出来るわけないだろ。  
俺はこれでも紳士なんだ。  
さらにはesperでもある、  
erまで付いてるんだぜ、すごいだろ。  
そんな俺が思春期真っ直中の変態小学生みたいな真似出来るわけ…  
 
あるよね。  
キョン君、こんな俺でも友達でいてね。  
涼宮さん、申し訳ありません、貴女の団を汚してしまいます。  
朝比奈さん、五歩くらい間違ったら貴女が被害者だったのかもしれません。  
最後にお母さん…生まれて来てごめん。  
 
「…俺田舎に帰ったら結婚しようと思うんだ」  
一応死亡フラグも立てて置こう。  
うん、これで一安心だ。  
では!  
 
「いただきます」  
 
バリバリムシャムシャバリバリムシャムシャ  
(あくまでイメージ音声です、実際の状況とは大きく異なる可能性があります)  
「はあ、はあ、そろそろテイスティングの時間です」  
テイスティングをしたら達してしまうんじゃないかと考えている刹那、  
その音程の幅の無い  
美しい  
 
ただ美しい  
 
御声が聞こえた。  
 
「何をしている?」  
 
 
終わった、終わっちゃったよ。  
死んで詫びるしかない…か。  
死ぬ前に聞いておこう。  
「いつから居たのですか?」  
「ユキタンしゅきなのー良い匂いがしゅるのー…から」  
もうだめだ。  
「貴方は何者?」  
は?  
何を言っているんだこの御方は?  
正直に言うとしよう、この後引っ越しか自殺だしね。  
ついでに告白もしてやる。  
「古泉一樹ですが」  
「貴方は偽者と思われる」  
澄み切った御声で天使が口を開いた。  
よし!  
この展開ならまだフォロー可能だ、考えるんだ一樹よ。  
「なぜ解ったのですか?」  
偽りを御許し下さい天使よ。  
 
「古泉一樹にしては有り得ない行動が多すぎる」  
さすがユキタン見てる所は見てらっしゃる。  
「…それに」  
はいはい。  
「彼は超高確率で同性愛者だ」  
 
 

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