「あっちぃなぁ〜…」  
 
思わず声に出てしまった。  
 
それは、暑い夏の午後だった。  
いつも通り、俺は部室でパソコンを弄くっていた。  
ハルヒはいない。どこかへ探索に出かけている。  
朝比奈さんもいない、何か用事らしい。ちなみに用事の内容は禁則事項らしい。  
古泉は(以下略  
 
そんなわけで部室には俺と長門の二人きり。  
長門はずっと無言で本を読んでいる。俺もずっと無言でパソコンを弄っていた。  
でも、あまりの暑さに声が出てしまったわけだ。  
ひょっとしたら、ハルヒはエアコンを仕入れにいったんじゃなかろうか…  
そんな風に考えてしまうなんて、俺も随分と感化されたもんだ。  
 
「暑いの?」  
 
不意に声がした。  
声がした方を向くと、長門が本を膝の上に置いて、こっちを見ている。  
なんだ、聞えてたのか。  
「ん…あぁ、ちょっとな…」  
「摂氏32度」  
「は?」  
「現在の気温」  
「あぁ…そう…」  
なんなんだ…一体…どう答えればいいんだ?  
「解決方法は?」  
長門は小首を傾げたようなポーズをとる。  
解決方法ねぇ…  
「じゃぁ、何か飲み物を…」  
「理解した」  
そういうと長門はスッと立ち上がり、部室の奥の方へ行った。  
お、何か飲み物持ってきてくれるのか?  
パシらせちゃったみたいで悪いなぁ…  
 
などと考えているうちに、長門がパタパタと戻ってきた。  
 
「ハイ」  
そして、コップに並々と注がれた飲み物を俺の前に差し出す。  
「ありがと。これ、お茶?」  
見た感じ、お茶だ。朝比奈さんがいつもくれるやつ。  
「お茶…多分…」  
「多分ってなんだ?自分で持ってきたんじゃないのか?」  
「いつも私がもらってるモノに近付けてみた」  
じゃぁ、お茶だな。緑茶。こいつも朝比奈さんに淹れてもらってるし。  
ともかくも、俺は長門が淹れてくれたものをグイッと一飲みにした。  
何だかんだ言って、喉は渇いていたのだ。  
うん、紛う事なきお茶だ。  
ただ…  
「なんか、生温いな…」  
それが正直な感想だった。  
やっぱり夏には、もっとこう、キューっと冷えたお茶が飲みたい。  
「そう、どうしたらいい?」  
お、なんだ、もっかい淹れてくれるのか?  
「そうだな…氷を入れてみればいいと思うぞ」  
「氷…単純に水が固体化したもの…」  
「そうそう、単純な氷でいいぞ、冷蔵庫の一番上にあるだろ」  
「氷…挿入…」  
「…挿入っていうと、何かやだな…どうせなら『投入』で」  
「じゃぁ、投入してくる」  
そう言って、また、長門はパタパタと奥へ引っ込んでいった。  
 
「あっ…んっ…」  
 
しばらくして、奥の方から変な声が聞こえた。  
なんだ?なんだ?  
 
また、しばらくして長門が出てきた。  
手にはさっきのコップを持っていて、また新たなお茶が注がれている。  
「あれ?」  
俺は怪訝に思った。  
あれだけ言ったのに、氷が入っていない。  
「ハイ」  
しかし、長門はお構いなしといった感じで俺にコップを手渡した。  
「おい、氷の投入は…って…」  
冷たい  
氷が入っていないのに、そのコップはさっきより冷たく感じた。  
また、グイッと一飲みにしてみる。  
冷えてる。爽やかな感じ。  
「大丈夫、元の方に投入したから」  
「元の方?」  
…っと、あぁ、なるほど、ポットか何かの中にお茶があって、その中に氷を入れたのか。  
と、俺はそう理解し、納得いった。  
 
が、その後の長門の行動が俺の理解を遥かに超えた。  
 
「元の方、ここ…」  
長門は何を思ったか、俺の目の前でスカートの前面を捲り上げた。  
「な、何を!!」  
などと、俺は驚きつつも、長門の股間から目が離せなかった。  
これもにんげんのサガか……  
しかもパンツはいてないし、こいつ。  
「な、何いい!!」  
その光景はさらに俺を驚愕させた。  
長門の股間から、ポタポタと液体が滴っている。  
テラテラと部屋の光を鈍く反射するその部分は、とても卑猥な形をしていた。  
こんな部分まで精巧にできてるんだ。  
ど、どういうことだ。なんでこんなエロマンガみたいなシチュエーションが。  
いきなり股間が濡れてるなんて現実にはありえないとか思っていたが、よく考えたらこいつは現実を超越している。  
いや、何だかよくわからなくなってきた。  
「氷、投入した」  
そう言って、長門は自分の股間を手のひらで覆う。  
すると、その手のひらの上に、ポロリを氷の粒が落ちてきた。  
「ちょっと待て、長門。元の方って…」  
「ここ…」  
「ここ…ってことは…まさか…」  
な なんか悪い予感がしてきたのう。  
「おかわり?」  
そう言って、長門は半分固まっている俺の手からコップを取り上げると。  
そのコップを自分の股間にあてがった。  
そして、  
 
「んっ…」  
 
一瞬、眉を顰めたかと思うと、勢い良くコップの中に放出し始めた。  
 
「えええええぇぇええええ!!!」  
 
俺は思わず思いっきり叫んでいた。  
知らずの内とはいえ、俺はとんでもない扉を開けてしまったようだ。  
「な、長門!!お前、それって…」  
それの内容を聞くことも恐ろしかった。  
今現在、目の前で起きていることから導き出されるこの何分間かの俺の行動の真相は、とても受け入れられるものではない。  
 
「? 大丈夫、ちゃんと、私がいつも飲んでるモノの味に合成してるから」  
ご、合成って……ん?…あれ?  
「じゃぁ、それって…」  
「お茶」  
「お茶?」  
落ち着け…俺…そうだ、こいつは実はアンドロイド。  
体内で飲み物が合成できても不思議ではない。  
いやもういいから、そう考えろ、俺!!  
「そうかぁ〜お茶かぁ〜ふぅ…びっくりした」  
いいから、この件はこれで決着!な!  
「ハイ」  
長門は今、目の前で注いだお茶?を俺に渡してくる。  
待てよ。  
ちょっと安心した俺は、この状況を楽しもうと考えた。  
「あ〜…長門。俺すごく喉乾いてるからさ、もう、直に飲んじゃいたいな」  
「直に?」  
「そう、そこから…」  
俺は目の前で露にされている長門の股間を指差して言った。  
良く考えたら凄すぎる光景だ。  
でも、滅多にできない光景だ。  
貴重な経験をしている気になってきた。  
「大量に飲む?」  
「大量ってほどじゃないけど、たくさん欲しいな」  
「ちょっと補給する」  
そう言って、長門は俺に渡しそびれたコップに口をつけた。  
そして、一気に飲み干していく。  
やっぱり補給はそっちからするんだ……  
「準備完了」  
そう言うと、長門はスカートを両手で捲り上げた。  
「そ、そうか、じゃぁ…」  
俺はそう言って長門の前にしゃがみこむと、長門の太腿に手を掛けた。  
その瞬間、長門の太腿がピクリと震える。  
うわ、凄く悪いことしてる気分になってきた。  
いや、落ち着け、俺はただ、お茶を飲もうとしてるだけなん…  
 
「な!!あんた達何してんのよぉーーーー!!」  
 
部屋中に響き渡る声。  
俺の身体が反射的に飛び上がる。  
恐る恐る声のした方を向くと。  
 
ハルヒがいた。  
 
             人生オワタ\(^o^)/  
 

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