長門一人に負担を掛けすぎている。いつのまにかあいつに頼る癖が付いてしまった。
しかも最近では俺以外の連中も長門を当てにしまくっている。
このままではまたあいつは世界を改変してしまうかもしれない。
その日、俺は緊張しながら部室に向かった。
何か長門をねぎらう言葉をかけてやろう、と昨日の夜に決めたのだ。
ドアを開けると案の定長門がいた。
いつもと変わらずに分厚い本を読んでいる。
後ろ手にドアを閉め、その場でしばし俺は長門を見つめた。
俺の視線に気付いた長門が尋ねた。
「どうしたの?」
俺は心拍数が上がっていることを気取られないように努力し、こう言った。
「長門。少しお前にお礼が言いたいんだが」
長門は少し首をかしげた。
俺は一気に気持ちを伝えた。
「有希、いつもすまない。お前は凄いヤツだ、お前は俺にとってただの仲間なだけじゃない。それも、もっと大切な人なんだと思う。な、何かあったら必ず力になる、それだけは覚えて…。すっすまん! 忘れてくれ! だ、だが本心だ!じゃあな!」
俺は恥ずかしさのあまり部室を飛び出してしまった。明日からどんな顔して接すればいいのやら・・・
彼は顔を真っ赤にして出て行ってしまった。私の顔を真っ赤になっている。
私は彼の言葉に舞い上がってしまった。
「有希・・・有希だって!どうしよう〜!大切なぁ〜そんなそんな〜!」
体全体で喜びを表現しているところを古泉一樹に目撃されたことはこの際置いておこう。