試合前、たいてい部室でミーティングが行われます。今日はなぜか犬がいました。  
犬といえばハルヒ(監督)。  
主催するARF(アニマル・レスキュー・ファウンデーション)の関係者に違いありません。  
 
何の種類やらさっぱりわからないその子犬と、飼い主と思われる男性は、  
ハルヒの隣に立って団員たちを見渡しています。  
(いったい何が始まるんだ・・・?)ナゾの緊張感に包まれる団員たち。  
するとその男性が前ふりもなく、  
「ではこれから、うちの犬が数を数えます。野球はストライクがいくつでワンアウトかな?」  
「ワン!ワン、ワン!」(犬)  
「おおお〜」(団員一同)  
「じゃあ、ボールいくつで一塁に行ける?」  
「ワン、ワン、ワン、ワン!」(犬)  
「おおお〜」(団員一同)  
更に、  
「では誰か、犬に質問してみてください。そこのあなた」  
指名された古泉(投手)が、  
「・・・ゴルフは全部で何ホール回る?」  
「はい、じゃあまず10の位は?」  
「ワン!」  
「1の位は?」  
「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン・・・ワン?ワン?」  
途中、男性の顔色をうかがいながら、それでも8回吠えた犬に、団員たちはまたしても「おおお〜」。  
 
その後、何人かの団員が指名されては質問し、犬が吠え、  
それだけでミーティングの終了時間となってしまいました。  
するとハルヒがパン、と手を叩き、  
「よーし、行こう!」  
 
試合は負けました。  
 

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