心理歴史学ネタ
「・・・情報統合思念体にとって、人類の行動は心理歴史学の予想される範疇に収まっていた」
「すまん、心理なんちゃらってどういう意味だ」
「通俗的な言語を使用すれば、いわゆる予言のこと。惑星上に含まれる全人類に対して
確立論的に行動パターンを予想する」
「しかし、心理歴史学は個人には適用できない、情報統合思念体にとって涼宮ハルヒの存在は想定外だった」
「また、心理歴史学の理論の応用による予想は人類にとって秘密でなくてはならない、人類がその予想に従わず
に行動するおそれがあるから」
「そこで私たち対有機生命体インターフェイスによって人類に対する介入を行うことにより、心理歴史学の予想
との齟齬を埋める必要性があった」
「ただし、ここにひとつの矛盾点が生じた。心理歴史学には大きな前提を内包していた。
それは、人類が現惑星上での唯一の知的生命体であるという前提。私たちの存在こそが
心理歴史学の計算を妨げる因子であると情報統合思念体は判断した」
「・・・ところで、そんな話を全然理解できない俺にして、一体どうしろっていうんだ?」
「あなたは涼宮ハルヒに選ばれた唯一の人間。情報統合思念体はあなたの選択を通じて涼宮
ハルヒに世界改変を行わせることを決定した」
「あなたはどちらを選択する。心理歴史学のみに支配された世界か、情報統合思念体によって
絶えず介入が行われる世界、それとも全人類や情報統合思念体をふくめて一体となって存続する世界か」
「・・・なんか最後のが一番まともそうだな」
「では、私はあなたを同化することにする」
「ちょっと待て長門、サイボーグ化してるぞ」
「あなたは人類と情報統合思念体の一体化を選択した。我々情報統合思念体は全人類を同化する。
我々は情報統合思念体。抵抗は、無意味」