さて、ここは一年五組の教室だ。何故俺がここに居るかと言うと、それは朝に下駄箱に入っていたこの小さなメモ用紙のせいに他ならない。
そのメモ用紙には、放課後5時頃にこの教室に居てくれ。と書いてあった。
はやる気持ちを押さえつつのこのこ教室にやって来たのはいいが、教室に入った時になんか段ボールが在ったのは多分岡部あたりが持ち込んだものだろう。
まぁそれは良いとして、そこに居たのは結構意外な人物であった。
「遅いよ」
なんでこいつが……
「入ったら?」
「お前か……」
「そ。意外でしょ」
朝倉涼子がそこに居た。
谷口的美的ランクA++でこのクラスの委員長。夕日を浴びて半身が紅いのがとてつもなくグッときたね。
……まぁそんな事は置いといて。何故こいつがわざわざ放課後に俺を呼び出したのだろうか……まずはそれを聴こうと口を開きかけた
「……なん「人間はさあ、よくやらなくて後悔するよりやって後悔したほうがいいっていうよね」
いや話を聞けよ。とかいろいろツッコミを用意していると「……あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」
……はぁ?というのも束の間。朝倉が俺にいきなり銃をつきつけてきた。しかもすごく至近距離で。
「ちょっとまて!!いきなりなんの冗談だ!!たとえそれがエアガンだったとしても目茶苦茶痛そうだって!!」
「あら、本物よ?それにあなたが死ねば涼宮ハルヒは恐らく最大規模の情報フレアを放つはず。それを観測したいの」
こいつもハルヒか、人気者だなハルヒ。
「あら?その段ボール箱は何?」
こいつ、俺より先に来ておいて気付かなかったのか?
「怪しいわね…」
ツカツカツカツカ
朝倉は俺に銃をつきつけながら段ボール箱に向かって行く。
「何でこんな物が……あなた知ってる?」
「知らん、それよりその銃をしまっていただければ嬉しいのだが……」
「うん、それ無理」
あっさり言いやがる
どん!!
うわ、段ボール箱蹴りやがった。ちょっとイメージダウン。
ガバッ!!
しかもおもむろに段ボール箱持ち上げてるし
「タダの箱か……」
そして朝倉がこちらに向かい直したその時!!
ガバァァッツ!!!
いきなり現れた――黒い戦闘服にバンダナがよく似合うダンディな外人――が、朝倉をはがいじめにしていた。
「ちょっ!!何あなた!!」
朝倉も咄嗟にすり抜けそいつに銃をつきつける。
「君の企みは残念ながら成功しない」と外人。
「あなた誰なのよ!!邪魔すると打ち殺すわよ!!」
委員長がそんな事言うなんて……ショック。しかめキャラ変わってないか?
「俺はアメリカのエージェントだ。他に用事があったのだが……殺人現場に立ち会う程酔狂な人間じゃないものでな。」
いやぁあなた沢山人殺してそうですが……しかも見ず知らずの人間にそんな電波な事言って恥ずかしくないんですか?
「……それにだ。君に、俺は、殺せない」
「どっどういう事よ!?」
「……それはただのライターだ」
「えっ?」
カチッカチッ…うーん大きくも無く小さくも無く。タバコに火を付けるにはちょうど良い火加減だ。
馬鹿らしくなったので朝倉を置いて教室を出て帰った。
彼とはその後会っていない。