ここは文芸部室、もといSOS団の拠点だ。
「長門、期末試験、お前のおかげで無事進級出来そうだ。助かった、本当に感謝している」
「そう」
「何かお礼したいんだが」
「別にいい」
「それじゃ、俺の気が済まないんだ」
「……」
「それとも、迷惑か?」
「!!……そんな事は、決して無い……」
「じゃあ、その、何かないか?俺に出来ることならなんでもする」
「本当に?」
「ああ、出来ることならな」
「……」
沈黙が続く
「私は、貴方に教えて貰いたいことがある」
「俺が長門に教えられる事なんか、ほとんどないぞ」
「私は他人との交流が乏しい」
「まあな」
「特に異性との交流は皆無」
「それは、そうだろうな」
「だから、貴方と、男女間の、通則的な単語で言う所の男女交際を経験したい」
「……本気か」
「……マジ」
「ああ、解った。じゃあ俺と長門は
「待って」
今度はどうしたのだろう
「普通交際中の男女間は名前もしくは愛称で呼び合うものと認識している」
「本格的だな。よし、有希」
「何?」
「これから、お前の家に行って、男女交際の全てを教えてやる」
がばっ……
……
場所は変わって、ここは教室。目の前には頭を掻き悩む様子のキョンが居る。
「ちょっと!キョン!!」
「なんだ?俺は今悩み事で頭が一杯なんだ」
「あ、あのね……その」
「頼むから、用件なら早く言ってくれ」
「あ、あたしが、期末試験のテスト勉強、手伝って、あげようか?」