妹ワルツ   
 
 ―――今日はいい日だったな。といっても、単なる事故があっただけだが。  
 放課後。いつものように部室の扉を開いた、そこには。  
 下着姿で立っている朝比奈さんのお姿があった。  
 身長と顔形とはアンバランスなふくよかな身体。いや、別に合ってないとは言っていないさ。  
 見た目は不釣合いだが、全身から反則的なまでに男子高校生の性パワーを発生させるエネルギーを  
 放出させるその肉体。うむ。今のうちにしっかりと目に焼き付けておかなくては。  
「あ………」  
 そして、合う目線と目線。少しずつ口が広がっていく様がよく見える。  
 っと。こんなゆっくり実況している余裕はなさそうだ。  
「失礼しました」  
 と、俺は悲鳴をあげられる前に部室の外に出て戸を閉めた。  
 紳士は慌てず騒がずその場を静かに去るものなのさ。  
「〜〜〜〜!!」  
 悲鳴と言えば悲鳴らしき声が部室の扉の中から聞こえた。  
 言っておくが、俺はきちんとノックはしたぞ?  
 まあ返事を聞く前に入ってしまったけどさ。  
「どうぞ…」  
 顔を真っ赤にした、年上の小さなメイドが部室のドアからこちらを覗いていた。  
「さっきはすみません。返事を聞かずに入ってしまって」  
「ううん、気にしないで。あ、それよりもお茶入れるんでそこに座っててください」  
「あ、はい」  
 こんな時でもいつもと同じように振舞える朝比奈さんが少し羨ましい。  
 それとも、本当に何も感じていないのだろうか?  
 いや、彼女に限ってそれは無いだろう。俺が今、身を持って体験してしまった。  
 なぜか湯飲みにコーヒーが注がれている。いや、別に飲めないことはないんだけどさ。  
 いつもなら容器もきちんと別けられているので、よっぽどさっきの事を引っ張っているようだった。  
 
 その後、ハルヒや古泉達が部室にやってきて特に何もせずに下校時間を迎えた。  
パタン。  
 長門が読んでいたハードカバーの本を閉じ、何も言わずに部室を出た。  
「さて、では僕も帰ります。ではまた明日」  
 古泉もいつもとかわらぬ微笑をふりまきつつ部室を後にした。  
 このまま部室に残っていても仕方が無いので俺も帰ることにしよう。  
「じゃあな、ハルヒ。また明日お会いしましょう、朝比奈さん」  
「はい、キョンくん。気をつけてね」  
「あたしもかえろーっと。じゃあね、みくるちゃん!」  
 そう言ってハルヒと学校を後にした―――  
 
 そして、今。俺は自分の部屋の中でぼけーっとしている。  
 時刻は22時を少し回ったところ。  
 寝るには少し早いが、何かをするのには遅い時間。  
 …仕方ない。明日の準備でもしようか。  
 えっと、明日の授業はっと……  
 しかし、そんなことでは5分程度しかつぶれるはずも無く。  
 結局何もすることがなかった。  
 取り合えず今日あったことでも思い返すか。  
 日記など書いてみるのもいいかもしれない。  
 と思い立ったのがついさっき。  
 だが、白いノートにペンを持って向かって見たものの、一体何を書けばいいのだろうか。  
 ……ダメだ。全く浮かばない。やっぱり慣れない事はするべきではないようだ。  
 さて、これでまたすることがなくなってしまった。  
 だが、今日を振り返って見ると、部室に入る前の朝比奈さんの姿が頭から離れなくなっていた。  
 白いブラに下ろしている途中のスカート。  
 そして、ふくよかな胸の谷間に、申し訳無さそうにスカートの影に見え隠れしている太もも。  
 
 その事を考えると―――  
 俺の息子が立ってきてしまった。だが、健全な男子学生なら誰でもこうなるさ。  
 実質上、あの我が北校のアイドルの朝比奈さんの下着姿。  
 生写真などがあれば簡単にひともうけできるだろう。  
 それを俺一人が独占して覗いてしまったのだ。興奮しないわけが無い。  
 時間が経てば経つほどいきり立って来るマイサン。  
 うん。溜め込んでも仕方が無いし、今日は自慰をしてから眠る事にしよう。  
 それに、この時間以降に俺の部屋に来客などは来るはずないしな―――  
   
 ティッシュを手に届く範囲に置き、ベッドに仰向けに寝転ぶ。  
 何か物欲的なもの(例えばエロ本とか)が欲しいか? 目を少し瞑ってみる。  
 朝比奈さんの半裸が浮かんで来る。うむ。全く問題なし。今日は何も無くてもいけそうだ。  
 敏感になっている俺の息子をゆっくりと、豆腐を箸で掴むごとくやさしく指で包み込む。  
「うおっ!」  
 少し触っただけでもの凄く刺激がある。  
 いくら久しぶりだからといってここまで興奮するものなのか?  
 といっても他のやつに聞いてもな…谷口ならさも当たり前のように色々答えてくれそうだが。  
 考えるだけでもあまり気持ちのいい話でもないので心の中にだけしまっておく事にしよう。  
「はぁっ、はぁっ」  
 それにしても。どうして、こんなに気持ちいいんだ。前にしたときはこんな風ではなかったはずだが。  
 そんな事よりも。今、俺の脳内朝比奈さんは最後の一枚を脱ぎ去ろうとしていた。  
 禁断のデルタゾーン。男子学生憧れ(?)のショーツの中。  
 その最後のショーツに手をかけている!  
 そして、挑発的な笑顔でこっちを見つめてくる朝比奈さん。  
 ああ、そんな顔してそんな格好をするなんて―――  
 
 ゴホン! と、とにかく。俺の中のボルテージは今最大限になっている。  
 後は白濁液を放出するのみとなっている丁度その時。  
「キョンくーん。シャミ知らないー?」  
 俺の妹がノックもせずに俺の部屋に闖入してきた。  
 もちろん、そのときの俺の格好は下半身の服を全て脱ぎ捨て、  
 いきり立っている息子を手にベッドに仰向けになっている。  
 そして、妹の目線の先には―――俺の息子があった。もちろん、先走りに濡れ光っているものが。  
 ああ、それにしてもどうしてこんな時にこいつは来るのだろうか。  
「ねえ、キョンくん。何してんのー?」  
 やっぱり高校生が下半身裸で寝転んでいたら不思議だろう。  
 取り合えず何とか言って誤魔化さなくては。このままでは口の軽いこいつの事だ。  
 一瞬にしてご近所さまに伝わっていって学校中のさらし者になってしまう。  
「いや、ちょっとここが痒くてな」  
 って、これだと病気持ちとか言う噂が流れるのか!?  
 それはそれでまずい事になってしまう気がする。谷口の耳にでも入ったなら、  
 さらにあること無い事が上乗せされ、きっと野良猫をひろってレイプした、とか  
 そんなことになりかねない。なんとかここを乗り切らなくては。  
「じゃなくてだな……」  
 あー、何て言えばいいんだ。あ! そうか、お前はまだ小さいし、女の子だから知らないかも  
 しれない……だが、俺くらいの男はみな夜にこういうことをするんだ。  
「そうなの?」  
 ああ、そうさ。だが、誰にも言うんじゃないぞ。  
 これは誰かに見られてしまったら、いけないことだからな。  
「み、見られちゃったらどうなっちゃうの?」  
 とっても大変なことになるんだ。それはもう口には言えない位な。  
「へー。ま、いいや。でさー、キョンくん。  
 シャミも見つかんないしさー、あそんでよー」  
 
 と、俺の言う言葉を全く無視し部屋の中にずいずい進み入ってくる我が妹君。  
 どうしてハルヒや朝比奈さんたちの言う事はきっちり聞くのに俺の言葉は全く聞かないんだ。  
 そう言うやつに育てた覚えはないぞ。  
「わたしだってキョンくんに育ててもらってないよー?  
 ねーねー、あそんでよー!!」  
 こいつ、言うようになったな。こうなったら意地でも遊んでやらない事にしよう。そうしよう。  
「むぅー。キョンくん無視するんだー。いいもーん。  
 キョンくんがあそんでくれないんだったら、キョンくんであそぶもーん」  
 一体何を言ってるんだ? 俺で遊ぶって言ったって俺は遊び道具でもないし、  
 シャミみたいに遊ばれる要因なんて持って………持って………!!  
 あー、あー。妹さん? 一体何を持っていらっしゃるのかな?  
「ほえ? さっきのキョンくんのまねー。 おりゃー」  
 簡単な掛け声の後、我が妹は小さくなりかけていたトアルモノをその小さな両手でしっかりと  
 握り締めたのち、吸引具で大便器のつまりを解消するかのような勢いで上下に動かし始めた。  
 10本の自分とは違う小さな指の感触やら、初めて他人にされる感動やら何処吹く風。  
 問題は彼女の握力だ。いくら小学生だからといって両手で思いっきり持たれるとかなり痛い。  
 そんな状態で達するはずが無い。だが、正直に言うとその握力でなければ最初の数回で妹の顔向けて  
 思いっきり発射していたことは誰にもいえまい………っていうか、こんな状況になってること事態  
 誰にも言える筈がない!   
「ふー……つかれたよー。キョンくんこんな事してなにがたのしいのー?」  
 疲れ果てた妹は両手で持つことを止め、右手だけで持つことに変更。尚且つ、動きもさっきの激しい  
 上下運動ではなく、ゆっくりとしたものに変わっている。まずい。この調子では非常にまずい。  
 
 さっきよりも快感度(?)が高い動き、しかも尿道を絞められていない今の状況では達する=家族の地位を  
 失う=家亡き子確定、の方程式が成り立ってしまう!?  
 ここは何としても我慢。そして説得して諦めさせる方向に話を持っていかなくては。  
「あれー? キョンくん? なんか先っぽから出てきたよー?  
 これって食べれるー? んー、なめちゃえー」  
 一度狂った歯車はもう二度と元の位置には戻らないと言う事を改めて悟った瞬間だった。  
 その刺激。そんな刺激にど…、もとい、未体験の俺に耐えられるはずがなかった。  
 崩れる時は一瞬。どれだけ高い堤防も一筋の亀裂が入れば一瞬で崩壊する。  
 理性と言う堤防の後ろで貯水池のように溜まっていたソレは、一筋というにはあまりにも大きい  
 亀裂により留まることなく、ほぼ全てが自由を求める旅に出かけるという結果に到ってしまった。  
 その瞬間、俺は目を閉じていた。自分の妹にかけるところなど見たくないし、認めたくなかったからだ。  
 だが、いつまでも目を閉じているわけにはいかない。今は現実逃避をしている場合ではないのだ。  
 この瞬間にでも第3者の闖入の可能性も否定できないのだ。階下にいる母親のおかげで。  
 仕方なく目を開けた時に入ってきた映像は、白い半液体に顔を汚した我が妹の顔………ではなく…?  
「もごもご。んぐっ。わー、にがー! のんじゃったよー!!」  
 ……俺が出したものを全て飲み込む妹の姿だった。  
 それにしても、よく飲めたな?  
「舐めたときにさー、急にどばーって出てきたからのまなきゃーって。  
 だめだったのー? あ、次はもういらないよー? 飲むならキョンくんあげるー。  
 あたしはヨーグルトのほうがすきー♪」  
 どうやら妹は反射でつい飲んでしまったらしい。いや、普通反射でよけるだろう。  
「そうなのかなー? でもいいじゃん、もうのんじゃったし」  
 お前が良くてもな……俺が何か酷い悪者に思えて仕方ないんだが。  
 
「なんで?」  
 何でも。んー……あ、そうだ。じゃあ部屋を汚さなかったお礼をしてやろう。  
「へ? キョンくんがおれい? 明日は大雨かなー?」  
 失礼なやつだな。お礼くらいはきちんとするさ。まあもちろん、この割りに合ったお礼、だけどな。  
「わりにあったおれい? ってどんなのー?」  
 まあ、ちょっと待ってくれ。先にズボンを穿かせて欲しいんだが。さっきから肌寒くて仕方ない。  
「あ、ごめんごめんー」  
 いそいそとズボンとパンツを穿き、今まで俺が座っていた場所に妹を座らせた。  
 そしてその横に俺は腰を下ろして、妹を俺の腿の上に向かい合わせになるように乗せた。  
「これでよしっと。 あ、やっぱりちょっと待て。お前、ちょっとパンツ下ろしてくれないか」  
「いいよー。 でも……」  
「でも?」  
「キョンくんのえっちー」  
 何も言い返せなかった。いや、事実だしさ。  
「これでいいのー?」  
 そう言った妹の手の中には包まった脱ぎたてのクマさんパンツが収まっていた。  
 これをそのまま店に持っていけばさぞやいい小遣いになるだろう。流石にそこまでの勇気は俺には無かったが。  
「ああ。それじゃあ、またまたがって座ってくれ」  
 妹は声を出さずに首を縦に振って肯定した。今では珍しいことだった。  
 昔はもうちょっとおしとやかだったと思うんだけどなぁ。  
 まあいいか。妹の両脇に手を差し込み少しだけ身体を浮かばせる。  
 お、思ったよりこの格好は疲れるか…!?   
 流石にまだ小さいとは言え、人一人を両腕だけで支える事は長い時間耐えれそうにないな。  
 あまり長い時間続けると身体が悲鳴をあげそうだ。主に両腕から。  
「い…いくぞ……!」  
 
 そして、俺はブランコの要領で妹の下半身を俺の腿で擦るように揺らし始めた。  
「ひゃう!? な、なんなのー!? く、くすぐったいよー!!」  
 さっき穿いたジーンズパンツのせいもあり、うまいこと妹の秘所に刺激が行っている様だ。  
 それにしても、思ったよりも反動が大きい……これは…5分も持たない……3分持ったら勇者と呼んでくれ。  
「やうっ! な、なんかぁっ、変なかんじ、だよー…」  
 語尾は薄れ気味になっていた。  
 もの凄い勢いで快感の階段を駆け上がっているようだった。  
 この早さなら妹が達するまで俺の腕は保ってくれそうだな。  
「やっ、な、なんか、むずむず、するよー!   
 !! あ、だ、だめ、だめだよ! キョンくん! と、止めて! はやぅ!!」  
 ? どうしたんだ? 急にそんなに慌てて?  
「お、しっこ……で、でちゃ…か…も」  
 え? い、今何て言った? 『おしっこ』!?  
「あ…ごめ……も…ぅ………んんぅ」  
 その言葉の後。俺の腿は生暖かい液体の餌食になった。  
 
 
「あのー、キョンくん? おこってる?」  
 きっとこれは神様が俺にバツを与えたに違いない。そうに決まっている。  
 妹に手を出そうとした俺に天罰が下ったに過ぎないのさ。はっはっは。  
「わー! キョンくんがこわれたー!?」  
 冗談だ。それよりも、この事は、母さん達にはナイショだぞ?  
「うん。わかってるー」  
 もしばらしたら、学校中にお前がお漏らしした事言いふらしてやるからな。  
「ぜ、ぜったいにいわないもーん。 キョンくんこそ、ぜったいだまっててよねー?」  
 俺は口が堅いことには自信がある。何故かみんな俺にだけ秘密の事を話していくからな。  
 俺は口を硬くせざるを得ない立場なのさ。  
「ふーん。よくわかんないや」  
 まあ、そうだろう。解られても困るんだ。  
 ん? もう23時を回ってるじゃないか? ほら、早く部屋に戻って寝ないと明日も  
 学校あるだろ? 起きられなくなるぞ。  
「ねえ、キョンくん。 今日はいっしょに寝てもいいー?」  
 ………どうしたんだ珍しい。 まあ、たまにはいいか。  
「ほんと!? やったぁ!」  
 たまには、だからな? た・ま・に・は!!  
「わかってるー! じゃあ、枕もってくるねー」  
 まったく。あいつもまだまだ子供なんだな。  
 といっても、さっきあいつを両手で持ったときふと思ったんだが……  
 ちょっとずつだけど胸、膨らんできてたな。  
 やっぱり誰しも成長するものなんだなぁ。もう少ししたら『彼氏だよー』とか言って誰か連れてきたりするんだろうか。  
 ダメだ。全く想像できん。  
 まあいずれそう言う日が来るにしろ、谷口みたいな奴に引っかかってくれない事だけを兄として祈っておくよ。  
「まくらもってきたよー!」  
 もう夜も遅いんだ。もうちょっと静かにしろ。  
「あ、ごめーん。あ、あたしそっちがいいなー」  
 ったく。どっちでもいっしょだろ?  
「ううん、こっちがいいのー。 えへへー」  
 なに笑ってるんだ? じゃ、電気消すぞー。  
「うん。おやすみ―――お兄ちゃん !!」  
 
                                        END  
 
 

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