病院の扉がゆっくりとスライドし、通路の光が人影を床に落とす。  
この日、最後に俺を見舞いに来たのは、セーラー服を着た長門有希の姿だった。  
 
長門は、いつもの無表情でこう言った。  
「すべてての責任はわたしにある」  
 
安心するほど平坦な声で、なんだか途方もなく久しぶりに聞いた気のする口調だった。  
気にするな。脱出プログラムものしてくれただろ。それにお前がいなけりゃ朝倉に刺されたまま俺は死んでいたんだ。十分だよ。  
 
「まだ終わっていない」  
しかし、長門が続けた言葉は俺にとって予想外のものだった。  
「朝倉涼子の使ったナイフにウィルスが仕込まれていた。このままだと、明日には」  
いつも通りの無表情のまま、長門は  
 
「あなたは、死ぬ」  
 
そう宣告した。  
 
 
「正確には、あなたは朝倉涼子に生命元素関連因子欠損症を引き起こすプログラムを注入された。  
このプログラムによってあなたの体は摂取した栄養をエネルギーに変換することが出来なくなり、徐々に衰弱し、最終的には死に至る」  
 
 
くそ、朝倉め。どうあっても俺を殺したいらしいな。  
ってそんな小難しい説明はどうでもいいから、長門、なんとかならないのか。お前なら朝倉の作ったウィルスぐらい簡単に駆除できるだろ。  
 
 
「朝倉涼子の作成したウィルスは強力。私の作成した抗体プログラムでも、書き換えられた免疫機能を  
正常の状態に戻すまでに三日はかかる」  
その三日が待てずに俺はくたばってしまうわけか。畜生。  
 
 
「あなたが助かる方法がひとつだけある」  
…出し惜しみはよくないぞ、長門。  
 
 
「生命エネルギーの不足を補うために、他者からエネルギーを提供してもらえばいい」  
ふむふむ。  
 
「いくつかの条件を満たす必要がある。まず提供者は異性であること。ほどほどに若く、できるだけ健康であることが望ましい」  
………  
 
「エネルギーの授受は人体の粘膜部分を介した交接によって行う。エネルギーの授受を円滑に執り行うために  
その際はある種の興奮状態である必要がある」  
ちょっとまて。それはアレか。長門。  
 
「抗体プログラムがウィルスの駆除を終えるまで、あなたは毎日セックスしなくてはいけない」  
 
 
 
…なんてこったい。世界を元に戻すよりよっぽど大変じゃないか。  
 
 
 
俺は誰とならセックス出来るかを考えてみた。  
 
案その1。ハルヒに頼んでみる。  
「なに考えてるのよこのエロキョン!バカキョン!!いっそ今すぐ死になさい!!!」  
まあ十中八九そう言うだろう。万が一セックス出来ても生き延びられた後の展開が非常に不味いことになりそうなので除外。  
 
朝比奈さんに頼んでも無理だろう。  
セックスしなかったら死ぬんです、と言っても流石に信じてもらえないだろう。いくら朝比奈さんでも。  
 
となると…  
 
 
「あなたに、誰とでもセックスできる能力を付加した」  
唐突に長門がそう言った。  
 
…長門が俺の相手をしてくれるという展開を期待したんだがな。まあそれは有り得んか。  
しかし、これはまた突拍子もない話になってきたな。  
 
 
「相手が近くにいる状況で、あなたが望めばその能力を使うことが出来る」  
…そんなに簡単でいいのか?  
望むだけでヤれるなんてそんな便利な能力が使えると聞いたところで全然実感が沸かないぞ。  
いや、非常事態なんだ。今は自分が生き延びることだけを考えよう。で、俺に残された時間はあとどれぐらいあるんだ。長門?  
 
 
「あと28時間14分7秒」  
それまでにその能力を使ってセックスしなければいけないわけか。やれやれ。  
 
 
そんなことであっという間に一日が経過し、俺の余命も残りわずかとなってきた。  
あと5〜6時間以内にセックス出来なければこのままお陀仏。せっかくこの世界に戻ってきたというのにそういう結末は真っ平御免だ。  
しかし相手がいないことには話が始まらない…  
 
昨日の夜から堂々巡りとなっているこの悩み。病室を訪れる看護婦に「力」を使う機会は幾度かあったが、まだ一度もその力を使っていない。  
ええいままよ、次に病室を訪れた看護婦に「力」を使おう。  
俺に犯される羽目になった運の悪い看護婦には、野良犬に噛まれたものだと思って諦めてもらうことにしよう。  
生きるということは誰かを犠牲にするということなのだ。 うむ、我ながら名言だ。  
 
 
コンコン  
 
ドアをノックする小さな音が聞こえた。ほどなくしてスライド式のドアが開く。  
「キョン君…具合はどうですか……?」  
 
闖入者の正体は朝比奈さんだった。  
 
「よかった…元気そうで」  
 
朝比奈さんがにっこり笑う。  
その天使のような笑顔はいつも通りの朝比奈さんであった。どうやら「力」は発動しなかったようだ。…危ない危ない。  
どうする?いっそ朝比奈さんに「力」を使ってみるか?  
 
 
朝比奈さんに手を出す→朝比奈さんファンクラブのメンバーに刺殺される→GAME OVER  
 
朝比奈さんに手を出さない→タイムアップ→GAME OVER  
 
 
…結論。どちらを選んでも死亡エンド。他の方法を探した方が懸命かもな。  
いやいや待てよどうせ死ぬなら男の本懐を遂げてからってそれは早計まだ時間はあるいやだからといってこの好機を逃せば一生機会は巡ってこないぞさあ犯れ犯っちまえ  
俺の心の中の天使と悪魔が激しくせめぎ合う。しかも若干悪魔が有利だったりする。  
 
「キョン君、リンゴ剥いてあげますね」  
朝比奈さんに呼びかけられて、俺は現実に意識を戻した。ありがとうございます朝比奈さん。  
っていうか今ここであなたに刃物を使わせるのはなんかすごく危険な予感がするんですけど。気持ちだけ受け取っておきます。  
「大丈夫ですよー」  
そう言いながら朝比奈さんはテーブルの上の果物に手を伸ばす。少し前かがみになった際に胸の谷間が見えた。  
その無防備さ、最高です朝比奈さん。もうこの場で死んでもいいぐらいです。 って実際に死のカウントダウンが始まっている人間の言うセリフじゃないな。  
 
 
そんな下心が引き金になったのかは分からないが、  
 
 
ドクン  
 
 
「……あっ」  
 
長門からもらった「力」が、発動した。  
 
「……っ…くぅ……」  
リンゴを取り落とし、朝比奈さんは今までに見せたことのないような切ない表情で俺を見つめてきた。  
…いや、俺の方を向いてるだけでその瞳に光は宿っていなかった。  
「…んくっ……ふぁ…」  
朝比奈さんが少し苦しそうに息を吐く。甘ったるい、男の理性を殺す吐息を。  
 
おいおい長門、これはいくらなんでもやりすぎだろ……  
「キョン君…あたし…変なの…… 身体が熱くって…んふっ……」  
 
…なんてこった。俺は心の中でうなだれた。  
「誰とでもセックスできる能力」の力がこれほどまでとは露にも思わなかった。 朝比奈さんは朦朧とした瞳で俺を見続けている。  
俺はいつも見ている可愛らしい朝比奈さんとは全く違った、淫靡な雰囲気を醸し出す今の朝比奈さんを見て思わず唾を飲み込んだ。  
 
もう腹をくくるしかないな。朝比奈さん、万が一のときには責任を取りますから許してください。  
俺は放心状態の朝比奈さんを抱き寄せた…  
 
 
 
 
「…んっ……ちゅ…あむっ……んふ…」  
「力」によって発情状態にされた朝比奈さんはかなり積極的だった。  
自ら服を脱ぎ、いきなり69の状態になって俺のイチモツを口に含んで舌を這わせてきたのだ。  
 
「…んちゅ…ちゅるっ……ちゅっ、ぷはっ、はむっ、ちゅっ」  
朝比奈さんの舌が俺のモノを這い回る。根元まで飲み込んだり、カリの裏をしゃぶったりして俺に刺激を与え続ける。  
「…ちゅっ、ちゅるっ…ちゅう……キョン君…きもちいい…?」  
蕩けるような声が聞こえてくる。最高ですよ、朝比奈さん。  
「嬉しい…はむっ」  
今度は玉を咥えてきた。そんな高等技術どこで覚えたんですか朝比奈さん。  
 
「じゅるっ、んぐっ、んっ、んっ」  
69の状態で俺の上に朝比奈さんが乗っかっているため、朝比奈さんの大事なところが丸見えだった。  
俺のモノをしゃぶるだびに朝比奈さんの秘裂がヒクヒクと痙攣する。  
俺も負けじとその部分に舌を這わせてみる。  
「ひあっ!?」  
ビクンと朝比奈さんが反応した。綺麗なピンク色をしたあそこを、ゆっくりと舌でなぞる。  
「んふ…あっ、んんっ……」  
 
一通り入り口を舐めたあと、舌を中に突っ込んでみる。  
「んあっ」  
秘裂からはとめどなく透明の液が流れてくるので、俺はそれを飲み干していく。朝比奈さんの中で舌を動かすことも忘れない。  
「あっ、やっ、ふああっ!んあっ!!」  
そして耐え切れなくなった朝比奈さんがビクビクと全身を震わせた。その動きに、俺は舌を止めた。  
 
「はあ…はあ…キョンくん……じらさないで…きて…」  
蕩けそうな表情で朝比奈さんが俺を誘う。  
俺は朝比奈さんをベッドの上に仰向けにして寝かせた。横になった朝比奈さんの足の間に身体を入れ、  
俺のモノを彼女の入り口にあてがう。  
 
くちゅ、という水っぽい音がした。  
「ぁ…」  
そのまま俺は、カチカチになった剛直を朝比奈さんの中にぐいっと押し込んだ。  
一瞬の抵抗はあったものの、カリが狭い肉の通路をメリメリと押し開いていく。  
「ぁ…はぁ…やあぁ…ひ、広がっちゃうよぉ……」  
俺の身体の下で身もだえする朝比奈さん。ゆっくりと、硬直した肉棒が秘裂を割り裂いてその奥へと進んでいく…  
 
 
…ぶちっ  
「!?あぁーーーーーーっ!!!!」  
俺のムスコが朝比奈さんの純潔を引き裂いて、一番奥深くに到達した。  
苦痛に歯を食いしばる朝比奈さんを見て、俺の中の罪悪感が膨れ上がる。ええい、今更引き下がれるか。  
生き残るためだと自分に言い聞かせて必死に良心の呵責に耐える。  
 
「ああっ、痛っ、あっ、あっ、…はぁん!」  
心配したのもつかの間のことで、たった数分で朝比奈さんの漏らす声の感じが変わってきた。…順応が早いのも「力」の影響か?  
とにかく、いつまでも痛がられてては俺としても辛いので助かった。  
 
「あんっ、あぁん、キ、キョンくん、もっと早く動いてぇ…」  
早くも快楽に目覚めた朝比奈さんがおねだりしてくる。  
「んふっ、ふぁっ、んっ、いいよっ…」  
 
すでに良心とか罪悪感とかはきれいさっぱり吹き飛んでいて、俺の心の中では天使と悪魔が肩を組んで  
行け犯れ揉めしゃぶれと命令している状態だ。断言するが、この状態で理性を保てるヤツがいたらそいつは悟りを開いた坊さんか、もしくはホモだろう。  
 
俺は朝比奈さんの大きな乳房に指を這わせ、乳首のコリコリとした感触を堪能した。  
「ひぁッ!?だ、ダメですっ!そんなに強くしたら、あッ!!」  
 
…ダメって言われたら余計にしたくなるのが男の性です。ぷにぷに、こりこり。  
ただ揉むだけでなく、乳首の先っちょに触れるか触れないかのギリギリのところに指を這わせてみたりする。  
「ああっ!あっ!あっ!ふぁあああぁっ!!!」  
 
 
 
 
俺の乳房攻めに朝比奈さんは激しく反応し、それと同時にあそこがキュウキュウしまる。その締め付けに俺のほうも限界を迎えそうになる。  
「あ、朝比奈さんっ!ぐぅっ!!」  
「あっ!あぁぁっ!だしてぇっ!!なかにだしてぇぇ!ふぁっ!んっ!ふぁああんっ!!!!」  
食いちぎらんばかりに朝比奈さんの膣内がしまる。俺は朝比奈さんを一番奥深くまで刺し貫き、そこで女になったばかりの胎内を容赦なく白く穢した。  
「ふぁっ!?ああっ!ああぁぁぁぁぁ!!!!」  
朝比奈さんの断末魔の悲鳴が病室に響き渡る。  
 
「ああっ、はぁ、はぁ…んふぅ。すう、すぅ…」  
朝比奈さんは満足げな吐息を吐き、そしてそれは寝息へと変わった。  
 
 
病室のベッドに朝比奈さんが裸で横たわっている。  
俺は自分のしでかした行為の後始末をどうやって片付けたものだか考えていた。とりあえず早く朝比奈さんに服を着せておかないと  
回診に来た医者に通報されてしまいそうだ。それよりもハルヒに見られたら終わりだ。  
 
とにかく服を着せよう、いやその前に身体を濡れタオルで拭いておいたほうがいいか、タオルはどこだ、水道はどこだとドタバタやってるそのとき  
 
 
 
俺はなぜかデジタルカメラを見つけてしまった。  
 
 
 
 
 
 
 
…一週間後、みくるフォルダの中に何重もパスワードがかかったフォルダが出来たのは言うまでもない。  
 

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