今は5月。だけどけっこう暑い日が続いてる。  
今日の5時間目は、女子はあたしの好きなバレーボール。  
急に雨が降ってきたから、外でサッカーしていた男子も体育館にきちゃったけど。  
男子はコート半分のバスケをやってる。3on3って言うんだっけ?  
そんな中でもいつも元気で目立っている涼宮さんが元気がない。  
今は私達のチームは試合じゃないから座って休憩してるんだけど、どうしたんだろう?  
 
涼宮さんは私より小柄だけど、ジャンプ力は私以上にあるすごい人。  
いつもは次々アタックを決めるんだけど、今日はほとんど動いてないの。  
そういえばジャンプもしてないかもしれない。  
4時間目までは体調が悪そうな感じはしなかったから、お昼休みに悪くなったのかな?  
すごく疲れてる感じがするし、歩くのも辛そう。  
…生理、始まっちゃったのかな?  
体育の時間もギリギリになってキョンくんとやってきた。  
SOS団の文化祭の出し物の準備をもう始めてるみたい。  
ライブと映画両方やるってすごいな。  
キョンくんはベースの練習と映画の雑用全部だって言ってたからすごく大変そう。  
 
それでも2人はいつも楽しそう。  
でも、最近2人とも5時間目は疲れた顔してる。なんでだろう?  
 
 
「…涼宮さん、体調悪いの?」  
 
試合の休憩時間中、思い切って声をかけてみた。  
同じチームだったし、今日の涼宮さんは本当に元気がない。  
みんなも「変だね。」って言ってる。  
でも、涼宮さんに話し掛けるのはまだちょっと緊張する。  
 
「……………」  
 
どうしたんだろう?気づいてないのかな?……無視されちゃってるのかな?  
元気をなくしちゃった時のルソーを思い出しちゃうから、無視はイヤだな…  
 
「………あ、阪中さん。…どうしたの?」  
 
涼宮さんはだいぶ遅れて私に気がついた。  
……やっぱり今日の涼宮さんはちょっと変だと思う。心ここにあらずって感じ。  
 
「涼宮さん、体調悪いの?」  
 
もう一度聞いてみる。  
風邪かな?それとも生理かな?  
 
「ううん、体調は平気。」  
 
ブルマを直しながら涼宮さんは言う。  
たぶん嘘だと思う。歩くの辛そうにしてるの見たもん。  
……遠慮してるのかな?  
 
「……でも辛そうだよ?……もしかして、来ちゃったのかな?」  
 
涼宮さんは今日は足元を特に気にしてる感じがする。  
体育の時間中に来る生理は本当に憂鬱。  
お家の時みたいにルソーが慰めてもくれないし…  
なによりお腹痛くなるし、ダルくなるし、一気に気持ちが落ち込んじゃう。  
中には寝込むくらい重い娘もいるっていうし。心配だな。  
 
「ううん。心配してくれてありがと。でも、生理じゃないわ。」  
 
涼宮さんはキョンくんに見せるのとは違った、ちょっぴり遠慮するような笑顔で答えた。  
まだあんまり仲良くなれてないみたい。ちょっと残念。  
 
「でも、今日の涼宮さん、ちょっと辛そうだよね?足挫いちゃったりしたのかな?」  
 
それならもっと心配。  
バレーはアタックの時に着地に失敗して捻挫ってことは結構あるから。  
でも、今日はジャンプしてないよね?  
 
「…体調悪いわけでも、ケガしたわけでもないんだけどね。」  
 
小声で言っていたので私にはなんて言っていたか聞き取れなかった。  
ただ、涼宮さんは苦笑いを私に返してくれた。  
なんだろう?  
苦笑いなんだけど、幸せそうな感じもする。  
 
「でも、今日は見学してたほうが良いんじゃないかな?」  
 
もうすぐ私達のチームが呼ばれる。  
 
涼宮さんはしばらく考え込んでいたけど  
 
「……そうね。無理しちゃよくないよね。ありがと、阪中さん。」  
 
そう言って涼宮さんは先生に足が痛いから見学するって伝えにいった。  
ほっとする。よかった。  
ひねっちゃったのかな?捻挫じゃなければいいな。  
捻挫は早めに処置しないとどんどんひどくなるからね。  
 
見学することを決めても、涼宮さんはちょっぴり浮かない顔。  
バレー、やっぱり好きだったのかな?  
 
私はもうすぐ試合始まっちゃうからそこで涼宮さんと別れた。  
涼宮さんは一人で体育館の端っこで男子のバスケを見つめている。  
視線の先はきっとキョンくんだ。  
まだ他のみんなとは仲良くなれてないし、涼宮さんが苦手な娘も多いからひとりはしょうがないのかな。  
今年はもっと友達が増えると良いね。  
 
 
試合中、涼宮さんとキョンくんが話してるのが見えた。  
あれ?男子こっちにきても平気なのかな?  
二人で何か話してる。  
キョンくんはすまなそうな顔だけど、何故か楽しそう。  
涼宮さんは、……わぁ、めずらしいな、頬を赤く染めて怒った顔してる。  
恋する女の子みたい。ううん、そのものだよね。  
 
……やっぱり付き合ってるんだ。  
猫さん飼ってるし、お兄ちゃんみたいで優しそうな人だもんね。  
私もいつか「キョンくん。」って言ってみたかったな。  
 
…………ちょっと残念。  
 
 
遠くへ飛んだボールを拾いにいく時、たまたま2人の会話が少し聞こえてきた。  
 
 
「…………出しすぎ………ジャージにもかけるし…」  
「…ルマに……こぼれてないか………よかっ…」  
「うるさい!………昼休みに………もうさせない……」  
「………悪かった、すまん……」  
 
 
 
キョンくんが謝ってるみたい。  
何したんだろう?  
 
 

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