IFすとーりぃ ケース4
古泉から超能力者の説明を受けた帰り、下駄箱にこんな内容の手紙が入っていた
「明日の朝、誰も来る前に一年五組の教室に来て」
何か意味深な手紙だな。 放課後じゃダメなのか?
まぁ、誰もいない時間となると6時くらいか。 まあ、イタズラにしても行く価値はあるな。
妹のダイブではなく、目覚ましで目を覚ました俺は、時間を確認する。 えーと5時半か…
あまりに急ぎすぎたため、弁当を忘れたが、まぁたまには学食もいいだろう。
とはいえ、早朝からあの坂道を登るのはさすがにキツい。 誰かバイクで引っ張ってくれ。
あまりの眠さでいつもより遅れたが、それでも6時10分。 うん、こんな時間に学校で何をするんだろう。
手紙に書かれたとおり一年五組の教室に来たのだが、何か中でバタバタしている。 何やってんだ、こんな時間に。
引き戸を開けて中に入ろうとしたが、なぜか開かない。 窓から中を覗こうとしたが、灰色の壁みたいなもので中が見えなかった。
「仕方ない、誰か来るまでコンビニで時間を潰すか…」
校舎の外から見たときになぜか教室が光ってたが、気にすることでもないだろう。
しばらくコンビニで時間を潰し、ぽつぽつ北高の生徒が通り始めたので、その流れに乗って俺も再登校する。
今度は一年五組の教室は元通り引き戸も開いたし、窓から覗いても中庭側の窓までしっかりと見えた。
しかし、結局あの手紙の差出人が分からずじまいだな。
その日のホームルームで、岡部が朝倉が外国に引越した。 ということを伝えた。
いきなりだな、などと思っているとハルヒがごん、と俺の背中をこぶしで突いてきた。
「キョン、これは事件だわ」
さっきまで疲れた表情だった涼宮ハルヒが目を輝かせていた。
「謎の転校生が来たと思ったら、今度は理由も告げずに転校していく女子までいたのよ。 何かあるはずよ」
何でも勘ぐってくるな。 まぁ、古泉の時は当たりらしいが。
「親の仕事の都合なんだろ。」
「そんなベタな理由は認めらんない」
しばらく朝倉の転校の件で話は盛り上がってたが、どうもハルヒは本気で調べに行くらしい。
また振り回されるのか。 やれやれ。
放課後部室に行くと、長門が話しかけてきた。 向こうから話しかけてくるなんて意外だな。
「朝倉涼子は転校したことにした。」
おまえの仕業か。
「一体どういうことなんだ?」
俺は長門に問い詰めた。
メガネのブリッジを上げ、長門は淡々と説明してくれた。
朝倉が長門と同じ情報なんとかのインターフェースだったこと。
あと情報なんとかにもいろいろあって、長門と朝倉じゃあ派閥が違うこと。
そのほかにも朝倉が俺を殺してハルヒにアクションを起こさせようとしたこと。 ってか何で俺なんだろ。
これであの手紙の謎が解けた。 あれは朝倉の手紙だったのか。
「そう」
長門は軽くうなずいた。
「で、朝倉はどうなったんだ?」
「有機情報結合を解除した。 つまり消した。」
分かりやすい説明をありがとう。
うーん、俺はあくまで平々凡々な日常を望んでたんだが、最近どんどんおかしくなるな…
これからどうなることやら…
続かない