IFすとーりぃ ケース2  
 
『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室に来て』  
朝下駄箱を開けると、このような文面の手紙が入っていたわけだが、心当たりが全くなおい。 おそらく谷口と国木田のタチの悪いイタズラだろう。  
よし、谷口とずっと教室で語り合うか。 そうすりゃ谷口もドッキリを仕掛けられないし、苛立ってきたところで「わかってんだぞ」とでも言ってやれば、逆ドッキリも可能だろう。 我ながらよく考えたな。  
今日最後の授業終了を告げるチャイムを聞き、さっそく俺は行動を移した。  
「なぁ、谷口。」  
「どうした? 俺のラブストーリー伝説でも聞きたいのか?」  
あぁ、そうだな。 俺は適当に受け答えをした。 てかそのネーミングセンスを疑うね。 俺でももうすこしマシなことを言うぞ。  
「それがさぁ、キョン…」  
クラスメイトが次々帰っていく中、俺と谷口は延々としゃべり続けた。 ホント忍耐強いよ。 普通なら4分でも聞きたくない話に延々と食らいついて、ついには5時半を回った。  
もう教室には俺と谷口しか… え、朝倉?  
朝倉がナイフでも持ってたら刺しそうな勢いで谷口を睨みつけてる。  
「ちょっと、いつまで喋ってるつもり? いい加減帰ったら?」  
その言葉に谷口は教室の時計を見て、自分のブレザーのポケットから携帯を出して再度時刻を確認する。  
「いけね、調子に乗って喋りすぎた。 キョン、早いとこ帰ろうぜ。」  
お前がずっと喋ってたんだろうが。 まぁ、引き伸ばしたのは俺だがな。  
「すまん、朝倉。 俺らのせいで閉めれなかったんだな。 さっさと出るから。」  
「え?」  
朝倉はスゴロクの最後のマスでふりだしに戻るに止まってしまったような顔をしている。 一体どうしたんだ?  
まぁいいか、谷口の野望は封じれたんだし。 その割には谷口は残念がってないな。 むしろ話し疲れたというかんじだ。 ネコジャラシを与えた猫のように非常に満足そうだ。  
 
 
教室を出てじばらくした後に、教室から何かが崩れるような轟音が聞こえたが、明日にでも見てみるか。  
やれやれ、またハルヒの興味の惹きそうな事じゃなけりゃいいが…  
続かない  
 
 

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