おはようございます。俺はマイスイートエンジェルに朝の挨拶をした。  
「おはようでござる、キョン君」  
 
ああ、駄目だ。こんなの朝比奈さんじゃない。  
朝比奈さんのセリフ意外と難しいな、どうやって書き分けたらいいんだ。  
馬鹿丁寧にすると古泉の奴とかぶってしまう。  
かといって、……を使ったらそれじゃあ長門じゃないか。  
スイートエンジェルは口調までも簡単にはいかないのですね。  
 
「キョン君、思うように書いていいんだからね?」  
朝比奈さんはそう言ってくれるが、朝比奈さんのお茶を毎日飲ませてもらっているこの身が口調を間違えるわけにはいきません。  
しかし、困ったな。  
長門、どうすればいいと思う?  
 
「推奨される提案がある、耳を貸して」  
あ、ああ。  
俺は皆の目を気にしながら長門の口元に耳を寄せる。  
朝比奈さん、そんな顔を赤らめながら見ないでください。  
古泉、そんなニヤニヤしながらこっちを見るな。  
で、長門その提案とはなんだ?  
 
「朝比奈みくるの出番を私の出番に書き換えるといい。私の出番も増えるし、貴方も困らない。一石二鳥」  
おお、それはナイスアイデアだ。  
……ってそれは却下だ、却下。  
こら、そんな残念そうな顔しない。  
 
「では、こういうのはどうでしょう」  
あまり聞きたくはないが、言ってみろ。  
 
「彼女のセリフのところをこの本から選んではどうでしょう?」  
その本とやらを見せてみろ。  
これか……まあやってみるか。  
俺は朝比奈さんのセリフのところに適当に開いたページからよさそうな物を入れてみた。  
次のが修正文だ。こんな方法でうまくいくのかね。  
 
 
おはようございます。俺はマイスイートエンジェルに朝の挨拶をした。  
「ごめんなさい、言えないんです」  
 
朝比奈さんの柔らかい唇が俺に挨拶を返す。  
朝から言葉を交わせるなんて今日の俺はラッキーなんだろう。そうに違いない。  
「わたしこそ、いつも恥ずかしいところばかり見せちゃって……」  
 
そんなことはないですよ、ではまた放課後に会いましょう。  
そして放課後になった。授業中? そんなものは思い出したくもないね。  
俺は部室のドアをノックする。朝比奈さんの着替えを除かないための防衛策さ。  
「い、いやです!」  
 
いつもの声を聞いてドアを開けて中に入る。  
中では朝比奈さんがお茶を入れているところだった。  
そのお茶もこの前買ったやつですか?  
「禁則事項です」  
 
 
「見事に支離滅裂ですね」  
「……」  
「キョン君、ちゃんと選んで下さいよぉ」  
すいません、朝比奈さん。俺にはわかりません。無理です。  
けどきっと俺に教えてくれる人がこのスレにはいるはずです。  
少し待っていてください。このスレで勉強してきますから。  
 

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