「興味があって行為をしたことあるけど、ただ痛かっただけだった。
本当に若気の至りよね。どうしてそんなことで処女を捧げてしまったのかしら。
別に隠すつもりじゃなかった。ただ、そのことでキョンを傷つけたくなかった」
せっかくこの行為が気持ちいい物なんだとアンタに教えてもらったのに。
ごめんね、キョン。できればあなたに私の『はじめて』をあげたかった。」
そのままハルヒは布団を被って声を噛み殺す。
気落ちした俺に懺悔するハルヒを見てて俺はいたたまれなくなった。
そんなハルヒを誰が中古女と責められよう。
コイツは悪意を持って人を騙す奴ではない事は誰よりも知っている。
俺は、このままじゃまたハルヒが世界をリセットしてしまうかもしれない。
なんて、好きな女が不安定な時にそんな事かまってられるか。
3次元の事情をなんて重箱の隅に追いやって俺はハルヒを抱きしめた。
「なあ、ハルヒ」
「………」
「お前は俺が好きなんだろ。だったらそれだけで十分だ。
過去に誰と付き合って、どこまで行ったかなんて俺たちには関係ないだろ。
だからよ、さっさと顔上げろって。俺はもう気にしてないからさ」
沈黙が俺の部屋を制する。
俺は何を考え、ハルヒ何を考えていたのだろう。
願わくば同じことであって欲しい。
そして、
「……うん。」
小声ではあるが、全ての重みを預けるようにハルヒは答えてくれた。
俺は頼られるという嬉しい気持ちで、その綺麗な黒髪をそっと撫でた。
なあ、ハルヒ。今後はお前を俺色に染めてやる。
何、私だけじゃ不公平だって。
心配するな。もう俺はハルヒ色満点に染め上げられているんだからな。
それから、何のしがらみもなく俺たちは今まで通り付き合っているのだが
「さあ、キョン、準備はいいっ!
わたしの小遣いはたいて処女膜を再生してあげたんだから、
さっさとわたしの『はじめて』を味わうのよ!」
そこの女子高生。健全な学び舎でそんな言葉使うもんじゃありません。
「何、嬉しくないの?」
ええ、とっても嬉しいです。はい。