「・・・キョン・・・ 好きよ・・・」  
 「俺もだ、愛してるぞ・・・ ハルヒ」  
 「・・・もっと強く抱きしめてよキョン」  
 「わかってるさ」  
 
夜も更け皆が寝静まった頃、俺はハルヒと自分の部屋で抱き合っていた。  
もうこの頃はほぼ毎日である。  
昨日はハルヒの部屋で、おとといは3人が帰った後の文芸部部室で、  
その前は教室、あとラブホテルでも何回かヤっている。  
まあラブホテルは俺達にとってはあまり安くはない所なのでたまにしか行かないが。  
 
 「キョン・・・」  
 「何だよ、ハルヒ」  
 「・・・・・・そろそろ・・・ 欲しい」  
 「何が欲しいんだ言ってみろ、またパソコンか、それとも朝比奈さんのコスプレ衣装か」  
 「・・・キョンの意地悪、わかってるくせに」  
 「じゃ言ってみろ、このバカな俺にも解るように」  
 「・・・その・・・ キョ・・・ キョンの・・・・・・」  
 
その時だった。  
ハルヒの声を遮るようにあいつの声がしたのだ。  
 
 「ねえねえハルにゃん、なにが欲しいのー」  
 「な、何故ここにいるんだお前!」  
 「いも、妹ちゃん!も、ももももう寝る時間でしょ!」  
 「あのね、トイレ行こうと思って起きたらキョンくんの部屋から声が聞こえたから何だろーと思って  
  それからずっとここで聴いてたの」  
 「なんでなんだ!? ちゃんと鍵は閉めておいたはずだぞ!?」  
 「でも開いてたんだもん」  
 「このバカキョン!! あれほど鍵はちゃんと閉めたか確認しろって言ったでしょ!!」  
 「すまんハルヒ!!俺が悪かった!」  
 
 「ねえねえハルにゃん、ハルにゃんはキョンくんに何をおねだりしてたのー」  
 「あ、あのね・・・ 妹ちゃん・・・ それはね、まだあなたは知らなくて良いことなのよ・・・ ハハ・・・ ハハハ・・・」  
 「えーなんでー」  
 「そそそそれはね・・・! ・・・・・・そうよ、そうよ妹ちゃん、洋服をおねだりしてたのよ、キョンとあたしのペアルック  
  そうでしょ、ね、キョン!」  
 「あ、ああ、そうだ、そうだぞー妹よー、ハルヒは俺に洋服を買ってくれって言ってたんだ  
  よーし今度の日曜日にデパート行こー、マイスウィートハルヒー」  
 「や、やった、流石あたしが愛してるキョン、マイダーリンキョンー」  
 
ペアルックなら本気で買ってやる、ああ買ってやるとも。  
 
 「「 '`,、('∀`) '`,、」」  
 「ふーん、そうなんだー、ごめんね、じゃあキョンくんハルにゃんおやすみー」  
 「あ、ああおやすみー さっさと寝ろ」  
 「子供は早く寝るのよー」  
 
 
 「「―――っはぁーーー・・・」」  
 
 「今夜はさっさと済ませてあたし達もさっさと寝ましょ」  
 「そうだな、今ので一気に疲れた」  
 
しかし大変なのが翌朝だった。  
 
━━━━━━  
 
翌朝。  
俺は体の上の重みで目が覚めた。  
・・・またハルヒが俺を抱き枕にして乗っかって寝てるのか?   
・・・・・・しかしハルヒは横で俺の体にしがみついて寝ていた。しかも鼻を腋の下に擦り付けて。  
 
―――ではこの重みは何だ。  
 
 「キョンくんキョンくん」  
 「!! 何やってるんだお前はー!?」  
 
何と俺の体の上では生まれたままの姿の妹が大声を上げていたのだ。  
 
 「・・・っもう・・・ 朝から騒々しいわねキョンー」  
 「ハルヒ、このバカ妹が!!」  
 「・・・ちょっ! 何やってるの妹ちゃん!服着なさい!風邪ひくわよ!」  
 「キョンくんもハルにゃんも服着てないから大丈夫だもん」  
 「「・・・//////」」  
 「ねえねえキョンくん買ってー、ラブベリの女の子が着てるようふく買ってー」  
 「な、何の事言ってるんだ?」  
 
 
  「だってハルにゃんはこうやっておねだりしてたもん、  
   はだかになってキョンくんに乗っかったら何でも欲しいもの買ってくれるんだもん」  
 
 
・・・あーーーー!!!  
こいつは昨日の事を変な方向に解釈しやがった!!  
 
 「ハルにゃんにはふく買ってくれてあたしには買ってくれないの・・・?」  
 「あ、あのね、妹ちゃん、その、コレはね!」  
 「あの、それはだなお前!」  
 
 「あたしにはようふく買ってくれない・・・ ハルにゃんには買ってくれてあたしには・・・ うっ・・・ うぅぅ・・・」  
 「ちょ、ちょっと、おい!」  
 「妹ちゃん昨日のはね!」  
 
 「いいもん、お母さんに言いつけてやるんだ、  
  ハルにゃんがはだかになってキョンくんに乗っかったらちゃんとふく買ってくれたのに  
  あたしがはだかになって乗っかってもふく買ってくれないって」  
 「や、やめてくれ!!」  
 「妹ちゃんそれは駄目!!」  
 『キョン!こうなったら妹に服買ってあげるしかないわよ! あたしもお金出すから!』  
 『仕方ない』  
 
 「わかった買ってやる、どんな服でも買ってやる、だから絶対親には言わないでくれ!」  
 「え!? ホント!!? 買ってくれるの! わーいキョンくんだいすきーキョンくんだいすきー」  
 
かくして俺は妹のラブベリだかラブデリだか言う服を買ってやる羽目になったのだ。  
 
しかも困った事にそれ以降妹は俺におねだりをする時には裸になって俺の体に乗っかるようになってしまったのだ。  
 
◇  
 
 「ハルヒも責任感じてるんだろうな」  
 「も、勿論感じてるわよ」  
 「なら良いが」  
 「キョン、ペアルック買って  
  買って買って買いなさーい、ホラ、脱いであげるから」  
 「感じてねーじゃねえか!!」  
                             ■終  
 
 
 
注※ これは自分が相当前に聴いてた関西ローカルのラジオ番組の失敗談コーナーで紹介されたネタをヒントに  
    大幅に大幅に脚色したものです  
 
 

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