青春タンデム  ―朝比奈視点―  
 
昨日、キョン君拉致計画がアホホモ泉のせいで失敗に終わり、  
キョン君とするはずだったあんなことやこんなことを思い浮かべて悶々としてたら  
つい寝不足になっちまった。で、やっと眠れたと思ったら涼宮ハルヒから電話だと。  
これでくだらねー用事だったら新学期が始まったら毎日お茶をぶっ掛けてやろうかと思ったが、  
SOS団でプールに行くってさ。となると、キョン君が来るのね。うふ。  
なら、キョン君の眩しい笑顔が見られるって事に免じて許してやるか。  
 
・・・前言撤回。いや、むしろお茶じゃなくて硫酸にしてやろうか。  
なんでよりによってホモ泉と2ケツなんだ。しかも行きも帰りも。  
おい、そこで愛しのキョン君に重労働を課してる本読み宇宙人とヘタレツンデレ。  
さっさと歩いて帰れ。邪魔なんだよ。消えてなくなれ、この宇宙から。  
そしてキョン君、ラブラブタンデムで私の家まで送ってね。  
そしたら、お礼に家でおいしいお料理を食べさせてあ・げ・る。  
その後は、私を食・べ・て(はあと)  
えっ、あっ、そこはダメよ、キョンくぅん・・・  
 
・・・じゅる・・・  
 
おっと、ヤバイ、ヤバイ、つい妄想モードが全開になっちまった。  
あー、ちょっと顔が赤くなってるかもな。  
上の口からも下の口からもヨダレが出てるし。  
 
それはともかくとしてだ。  
前でホモ泉が必死こいてチャリを漕いでいるというこの状況。  
はっきり言って、今ヤツは隙だらけだ。  
昨日の復讐を遂げる絶好のチャーンス!  
こんなこともあろうかと、五寸クギを持って来ているのさっ!  
なぜ「こんなことがあろうと」思ったのか自分でも不思議だがな。  
なんとなく以前も同じこと考えた気がするな。どこでだ?  
・・・まあいいや、あまり考えすぎたらハゲるしな。  
ともかく、これでキョン君に見えないようにグサグサ背中を刺しまくってやる。  
最も、ホモ泉にはこれぐらいで昨日の恨みが晴れると思ってもらっちゃ困るがな。  
 
・・・って、うわっ!  
くそっ、ホモ泉め、振り落としにかかってきやがった!何しやがる!  
思わず腰を掴んじまったじゃねーか。最悪だ。  
あとで消毒しとかねーと。ホモ泉菌が移ったらどんな病気になるかわかりゃしねえ。  
 
あ、しまった、こんなところキョン君に見られたら誤解されちゃう。  
・・・うわ、キョン君、ホモ泉のことを羨ましそうに睨んでる。  
違うの、これは不可抗力なの、私はそんな気はないの。  
私はいつだってキョン君の事が大好きなの。お願い、信じて、信じてぇ!  
 

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