長門有希の宇宙
「超紐理論を簡単に説明する。
原子は陽子と電子でできている。
陽子を構成する素粒子(電子も素粒子)がある。
重力や光、熱は素粒子の波(がおこす現象)。
素粒子は点ではなく紐のようなものである、これが超紐理論。
これで説明するといろいろうまくいく。
極微小の世界の理論と、極大の世界の理論の橋渡しができる。
素粒子の特性はその紐の固有の周波数で決まるというのが現在の超紐理論。
これは5つに派生している」
「紐理論は10次元で説明していた。
これを11次元に拡張して超重力理論と結合、宇宙を膜のようなものとする膜理論となった。
でも重力の弱さが説明できない。理論上では重力が現実より強い。
そこで膜が別の膜に近づくと特異点となって重力が漏れ出すのではないかという仮説になった。
これは別の世界の存在を示唆する。
そして膜同士がぶつかるとシャボン玉どおしがぶつかったかのように別のシャボン玉、つまり膜が発生する。
これがビッグバン」
長門が視線を俺に投げる。
「そして涼宮ハルヒが自覚した瞬間、
小泉一樹が超能力に目覚めた瞬間、
朝比奈みくるが過去にさかのぼれない時点にこの世界は生まれた」
長門有希の宇宙 終わり