「あなたのせいですよ。」  
・・・そう人が落ち込んでる時に追い討ちをかけるな。  
「・・・あなたのせい。」  
・・・お前もか、長門。  
「確かに嬉しかったですけど、今回のはやりすぎだと  
 思います・・・」  
・・・あなたもですか、マイエンジェル朝比奈さん。  
はぁ。元はと言えば俺が悪いのさ。  
あいつだって普通の女の子だ。  
それに、中学時代は友達だっていなかったに違いない。  
それが、高校に入って俺たちと出会って  
毎日楽しく過ごしている。うん。  
俺だって分かるよ。ハルヒの気持ちは。  
でもちょっと今回は度が過ぎないか?  
・・・と、愚痴っていても正直始まらん。  
回想シーン開始。  
 
酒に酔った朝比奈さん。  
ハルヒの奴が、コンタクトを外せとかいって、  
朝比奈さんの頭をポカポカ殴る。  
ここらで俺の怒りは最高潮だ。  
「みくるちゃんはあたしのおもちゃなのよ!」  
・・・拳が上がった。誰かに止められたが、覚えていない。  
覚えているのはハルヒがその後すぐに出て行ったことだ。  
「・・・何よ、バカキョン!帰るわ!」  
・・・はあ。俺は悪くない、やっぱり。  
あいつが悪いのだ、結局のところは。  
 
「まったく、頑固ですね。あなたも涼宮さんも。」  
「うるさい。」  
碁なんか打ってる場合じゃないだろうに。  
「とりあえず現時点で色々と影響が出始めているので  
 どうにかしてください。」  
「わかったよ。しゃあねえな。」  
 
翌日の放課後。ハルヒを教室に留めておく。  
ちなみにその日のハルヒとの会話。  
「なあ、ハルヒ」  
「・・・」  
「悪かったよ。」  
「うるさいバカ。話しかけるな。」  
「・・・はあ。」  
入学時のハルヒの面影を確かに見た。ああ。確かにな。  
 
さて、放課後の話だが、結局は無駄だった。  
この一言に尽きるね。  
「ハルヒ、頼むから話を聞いてくれ。」  
「あたしを殴るような奴の話なんか聞きたくない。」  
「おい、待て・・・」  
逃げた。  
 
さて、そっからは超早送りでいかせてもらうよ。  
めんどくさいからね。  
 
〜早送り開始〜  
「ハルヒ」  
「うるさいバカ消えろ」  
「なぁ」  
「うるさいお前の顔なんか見たくない」  
「おい」  
「うるさいバカどっか行けバカ」  
「古泉どうすりゃいいんだ。」  
「どうしようもないですね。頑張れとしかいいようがないですね。」  
「長門、お前はど」  
「私にはどうにもできない。涼宮ハルヒとあなたの問題。」  
「ハルヒ頼むから聞い」  
「・・・」  
〜早送り終了〜  
 
さて、これがずっとだ。もうノイローゼ状態だよ俺も。  
いつ閉鎖空間で二人きりになってもおかしくない、そんな状態だ。  
 
ったくハルヒも頑固な奴だ。  
「古泉助けろ。ハルヒとこんなじゃ我慢できん。」  
「おや、それを伝えてはどうですか?」  
「何度もやったが無駄だった。」  
「土下座でもしてはどうですか?クラスメートの前で。」  
「なんで俺が・・・。」  
「あなたがまいた種ですよ。いい加減にしてください。  
 私が何個閉鎖空間を潰したと思ってるんですか。  
 3桁超えているんですよ。」  
「・・・すまん。分かった。やるよ。」  
・・・そうだ、皆にも迷惑かけてたんだな。  
 
そういやクラスの奴らもうるさいしな。  
谷口なんか、お前絶対に許さんとか言って口も聞いてくれん。  
他のやつらも冷ややかに俺を見る。ハルヒには同情の眼差しだ。  
どうにかしないとな。  
 
その日の昼休み。  
「ハルヒ!すまなかった!許してくれ。この通りだ。」  
土下座して謝った。ちょっと視線が痛かったがね。  
クラスがざわざわしだす。もうどうにでもなれ。  
谷口に恋人だと思われても構わん。  
「・・・」  
ハルヒはだんまりを決め込んでいる。  
「ハルヒ!聞いてくれ!」  
「・・・何よ。」  
「俺が悪かった。女に手上げるなんて最低だ。ああ。  
 お前も普通の女の子なんだよな。そりゃ傷つくだろう。  
 俺が悪かった。許してくれ。」  
「な、なな・・・」  
ハルヒは驚いているらしかった。  
土下座してて顔は見れないが、クラス中に言われたのが  
余程恥ずかしかったのだろう。こんなこと言ってきた。  
「ちょっと、キョン、とりあえず土下座やめて・・・」  
やめないぞ。許してくれるまでな。  
「ちょっと、キョンやめてよ・・・」  
ハルヒが俺を立たせようとする。俺は抵抗する。  
「キョン・・・」  
「許してくれ。頼む・・・。」  
「・・・」  
 
いつの間にか周りのザワザワは静かになっていた。  
みんなこっちを物凄い勢いで注目してるんだろう。  
「・・・許すわよ。許すから顔上げてよ、キョン・・・」  
よし、許してくれたな。顔を上げる。俺の完璧な計画によると  
こっからの予定は・・・  
「・・・許してくれるのか?」  
・・・ハルヒは泣いていた。目が赤い。ちょっとだけ予定外だ。  
「許すに決まってんじゃない。元はと言えばあたしが悪いのよ。  
 ・・・ごめん、キョン。許して・・・。」  
よし、計画通りだ。このまま計画通りいけば・・・  
よし!こっちに倒れて(崩れ落ちて?)きた。  
「う、う・・・グズッ・・・キョ、キョン・・・」  
よし、ここで、こうだ。  
「ハルヒ、ごめんな。」  
 
・・・あれから困ったことといえば、古泉と朝比奈さんが俺たちを  
付き合っている恋人みたいに扱いだしたことと、  
クラスメートも俺たちを応援しだしたことだろうな。  
いやぁ、まいったまいった。  
 
「まあ、涼宮さんもあなたを心の奥底から信頼していたのでしょう。  
 でなきゃあんなドラマみたいな展開になりえませんよ。」  
「ふん。」  
「本当に二人とも仲良いですよね〜。」  
朝比奈さん、あー、とそのー・・・  
はぁ。  
「キョン!いる〜〜〜!?」  
バーンとドアを開けたこいつは、ここ最近いつもこうだ。  
「古泉くん、有希、みくるちゃん、部室よろしくね〜!  
 ちょっと買出しいってくるから!」  
・・・そういって、ハルヒは俺を引きずっていった。  
ま、ハルヒの笑顔をまた見れたことは喜ばしいことなんだろうな。  
・・・やれやれ。とんだ団長さんだよ、まったく。  
 
Fin  
 

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