またいつもの朝がきた。  
正直、憂鬱な気分になる。  
ガチャッ  さあ来たぞ。眠りを妨げる獣が、  
「キョンちゃ〜〜〜ん、あっさだよ〜〜!!!」  
なんか、気になることを言ったような気がするが、  
とりあえず、アニキの上から下りてくれ。  
「キョンちゃん、いつも自分を「アニキ」って呼ぶの?女の子なのに?」  
そりゃ、おまえのお兄ちゃんだからな。ってまて、今なんて言った?  
「だから何で「アニキ」って・…」  
いや、その後だ  
「女の子なのに」  
・・・・・・・・・・・・へッ?  
オレが女のコだって?  
「そうだよ。」  
そう言えば声も変だし、腕がいつもより細いような・・・  
下を向いてみると、けして大きいとはいえない二つのふくらみが・・・  
 
まさか!  
 
いそいで股に手をやってみる。  
 
ない。  
男の象徴であるアレがない。  
「何じゃこりゃ〜〜〜〜〜〜!!」  
いつもより高い声が響いた。  
 
とりあえす鏡を見て見る俺もとい私いやここ僕か?  
・・・目が覚める美人がそこにいた・・・じゃね!!  
「・・・・・ハルヒ?」そこに映るのは間違いなく傍若無人タイフーン団長さま  
その人である・・・・  
とりあえす顔にさわる・・・鏡の中のハルヒもさわる  
乳持ち上げてみり・・・・なにやってんだハルヒ・・・  
ポーズをとってみる・・・・うむ間違えなくこいつは俺だ・・・  
ポーズ取ってる所で妹のなにやってんだ?この人的視線がつきささった。  
「はやく朝飯食べようよ・・キョンちゃん!学校遅れるよ!!」  
取りあえす朝飯も早々に急いで学校向かう俺もとい私  
落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け・・・・!!  
とりあえす俺がハルヒなら無論あいつは・・・  
教室の扉が今日ほど重いと思ったことはないぜ!かくして扉は開けられた  
・・・・・・・予想はしていたもの実際見てみて信じられんってゆうか  
なんで妙にワイルド系になってんだ?この俺もといハルヒ(?)は  
「おいハルヒ・・・」とりあえすハルヒと思われる俺に声をかける俺  
「ハァ?なにいってんだ?キョン?俺はハルキだ!!ハ・ル・キ!!涼宮ハルキだ  
まだ寝てんじゃねえのか?」  
おもいっきりツッコまれる俺。たしかに中の人はハルヒっぽい  
がより強引さに拍車がかかっている気がする・・まあ男だしな。  
しかしさらに予想もしなかったことが起きた!!俺の顔をしたハルヒもといハルキ  
の顔を瞬間それは起こった!!・・・・・どきどきどき・・  
えーもしもし俺正気か?なんで俺の顔にてトキメイとるんだ?  
いや〜確かには女だかそりゃーねだろ!俺は心なかでツッコミを入れつつ  
長い1日が始まった  
 
 
男のはずの俺が男に胸ときめかせるという異常事態。  
俺の中の大切な何かが壊れそうだ。  
誰かヘルプ。  
「キョン? おい、どうしたんだよ、もうすぐ授業だぜ?」  
やたら爽やかな声を後ろに俺は教室を出る。  
その声には女だったハルヒには無かった俺を気遣うような、心配するそぶりがあった。  
ハルヒの持ち味だった『ツン』とした部分が、どうやら丸くなっているみたいだ。  
眩暈がするどころの騒ぎじゃない。  
誰か俺を精神的に殺す気か!?  
サバンナをさまよう旅人のような気持ちで放浪し、たどり着いた先はSOS団の部室。  
既に助けを求める先は一人しかいない。  
ここに、長門がいるはずだ。  
普通に授業に出ているかもしれないなんて予想は無い。  
この異常な状況下ならここにいてくれるはずだという、奇妙な確信があった。  
一応、ノックし、  
「長門……?」  
恐る恐る入ってみる。  
「お……」  
いつもの格好で、いつものように本を読む長門が、そこにいた。  
いつも通りってことが、これほど素晴らしいと思えたことはかつて無い。  
「よかったぁ〜」  
思わずしりもちをついてしまう。  
ここで長門まで性別逆転してたら、どうしようもないからな。  
 
「……」  
「あー、長門、実はな……」  
「……」  
「長門?」  
「……」  
「長門、さん?」  
「事態は、把握している」  
なにかが変だ。  
俺のあまり働きの良くない第六感が囁いた。  
めったに働かないだけあって、大音響で「ここから逃げろ」と言っていた。  
「涼宮ハルヒによる情報爆発が昨夜確認された」  
長門は立ち上がりながら言う。  
あ、そういえば腰抜かしたまんまだ。  
スカートがエロいことになってるな、これ。  
「私は情報の書き換えに抵抗した。このインターフェイスは性別が女性しかないため、もともとあまり効力はなかった。けれど、それは完全ではない」  
まあ、長門なら気にしないか。  
って、なにか気になることを言ったような。  
「それは、どういう意味でしょう……?」  
「一部、精神の男性化が確認されている」  
淡々と言いながら近づく長門は、たった一点だけの異変があった。  
普段であれば黒曜石のように何の感情も写さない瞳が、明らかに別の色を持っている。  
「誘ったのは、あなた」  
「うえ!!??」  
その瞳は、ごく端的に言えば「キョンちゃん、ハアハア」という萌え萌えになった瞳である。  
「ちょ、長門!?」  
腕をつかまれた。  
てーかすさまじい腕力なんですが!?  
同時にさっきまで明るかったはずの部室が暗くなった。  
長門につかまれたまま振り返った壁には、いつぞやの朝倉の時のように、ドアごと消えていた。  
「うっそおお!!」  
「大丈夫」  
声だけはいつもの冷静さだ。  
けど、妙に鼻息が荒い気がするのはきっと俺の気のせいなんだよな! 長門!!  
「痛いのも怖いのも、最初だけ」  
きゃー。  
 

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