「なぁ古泉、一体『機関』の幹部ってのはどんな奴らなんだ?」  
変わりのない部室で古泉と2人きりになったので、俺はふと聞いてみることにした。  
「前にも言いましたが、僕は末端なので詳しくは知りません。 ですが、噂程度の話は聞きますね」  
ほう、その噂だけでも聞いてみたいものだな。  
「何でも幹部の直属の人たちは素手で一人だけでハイジャックや原発を占拠できたりするらしいです。」  
「…」  
思わず絶句してしまった…   
「しかもそれと同等の人員を、アメリカ各州に2名ずつ配備してるそうですよ。 どこまで本当かは保障しかねますがね。」  
どこかで聞いたことあるな…  
「古泉、それはなんて言うバ○なんだ?」  
それを聞いて古泉は、少し苦笑し、肩をすくめた。  
「これはさすがに信じてもらえませんでしたか。」  
信じるも何も、まるっきりバ○じゃないか。 まさか『機関』の親玉はアメリカの刑務所にいるとか言うなよな。  
『さぁ、あくまで噂程度の話しか聞かないもので…』  
まったく、やれやれと言うしかなさそうだな…  
そうこうしてるうちに、外からバタバタという聞きなれた足音が聞こえる  
「みんなーっ、そろってる? ってキョンと古泉くんしかいないのか。 ね、キョン、みくるちゃんと有希は?」  
俺に聞かれても困る。 というかまた何かする気なのか? 頼むから面倒事だけは勘弁してくれ  
「なーに言ってんのよ。 今からアメリカの刑務所に喧嘩の強い人がいないか問い合わせに行くわよ」  
ハルヒの手には見慣れた雑誌がある。 古泉のほうを見てみると、心なしか笑顔が引きつってるようにも見える  
「喧嘩が強かったらどうだって言うんだ? まさか戦う気か?」  
俺は想像通りの答えが返ってくることを確信しつつ、ハルヒに尋ねた。  
「そんなわけないじゃない。 もしかしたら悪の組織のボスがいるかもしれないじゃない!」  
それを調べるのも俺の仕事なんだろうな、などと思いつつ自前のお茶を啜った。  
やれやれ…  
 

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