ハルヒが退屈し始めた様子に、何かネタを仕込まないと拙いことになりそうだと、  
古泉が言った次の日、オカルト研究会の連中が、悪魔の呼び出しに成功した  
らしいとの情報が鶴屋さんから寄せられた。  
鶴屋さんの話によると、オカ研の女子部員が、頬が痩け・目が落ちくぼんだ、  
幽鬼の様な顔になりその内、腹部が異常に膨み始めたとのことで、最初は妊娠  
でもしたのかとも思われたが、奇行がエスカレートするにつれ「呼び出した  
悪魔に取り憑かれた」説がまことしやかに流れているそうな。  
 
ハルヒはその話を聞くやいなや、オカ研に飛んでいってしまった。  
 
朝比奈さん、この件に関して何か情報がありますか?  
朝比奈さんは無言で首を振った。  
 
俺が古泉を見ると例のインチキスマイルで  
「誓って機関は関与していません! 」  
だと、どうだかねー  
 
長門、おまえの見解は?  
「……」  
 
ここにいても、しょうがないのでハルヒを追ってオカ研に向かった。  
 
「ちょっと、なんですぐにこないのよ!」  
ハルヒ、おまえには話せないけど、こっちにもいろいろ都合があるんだよ。  
とは言えず、茶の一杯ぐらい飲ませてくれよと言うと  
「お茶なんか、後でいくらでも飲めるでしょ」  
はいはい、仰有るとおりで御座います。  
 
中に入ると、オカ研の部員が輪になってブツブツ言っている。  
ハルヒは近くにいた一人の襟足を引っ掴み廊下に引きずり出した。  
「悪魔だ、悪魔が降臨したんだ!」  
ハルヒが何を訊いても、それ以上は意味不明な言葉を口走るだけで、さすがの  
ハルヒもこれには処置なしである。  
今日は一旦ここまでというこで解散となった。  
 
俺は、ハルヒが下校するのを見届けてから再びオカ研の部室に舞い戻った。  
「なんです? 涼宮さんに内緒でもう一回集合というのは……」  
「長門さんが、悪魔の正体に心当たりがあるそうなんです」  
 
「来て」  
長門の後に続き部室に入る。  
俺が待てと言うよりも早く、長門がなにやら呪文らしき物を唱えだした。  
ドアが無くなり壁だけになり、床も剥がれかけのリノリュームではなく  
大きな排水口が目立つタイル貼りに変化している。  
 
長門よ、いまから悪魔払いでもやるのか?  
まあ、おまえなら出来てもおかしくはないけどな。  
「彼女が置かれている状況の改善は、人類がもつ科学力だけで必要にして充分  
可能、但し対処中、第三者に知られることは、オカ研、SOS団双方の団体及び  
団体を構成する個人にとって好ましくないと判断し、情報操作によりオカ研の  
部室を人類が認識出来ない空間に転移させた」  
 
「立って」  
相変わらず輪になってブツブツ言っている部員の中から女子生徒を立たせると、  
「情報結合解除開始」  
おい長門、女子生徒を砂にしちゃ拙いだろう  
「心配ない、中身に対する情報操作は行っていない」  
その言葉通り、女子生徒の着衣は砂の様に消え一糸まとわぬ全裸となった。  
気を失い崩れ落ちる女子生徒をつい抱きかかえてしまった。  
 
確かに女子生徒を全裸に剥いているところを、誰かに見られたらとんでも  
ない事になるのは明白で、その判断自体は正しいとは思うが、それ以前の  
問題として、そもそも全裸にする必要があるのか?  
「お約束」  
なんなんだそれは……  
 
残りの部員たちはこのことが見えていないかの如く、同じ姿勢で悪魔払いの  
呪文とおぼしきものを唱えている。  
「彼らは、情報操作の結果、私たちとこの女子生徒を認識することが出来ない」  
わかった、彼らの知らないうちに終わらせてしまう訳か?  
長門はよく見ないと判らない様な角度で頷いた。  
 
全裸の女子生徒を抱きかかえるという、文字だけなら美味しい場面も、半分  
正気を失っている上、ぽってりと腹が膨らみ、ニキビや吹き出物が一杯の顔  
では、愚息は昼寝からおきそうにない。  
 
で、このあと、お姫様をどうすればいい?  
「その台に載せて」  
振り向くと、変わった形の椅子があった、谷口や国木田から廻ってくる  
マニアックなAVでおなじみの、産婦人科特有の診察台である。  
当然ながら実物を見るのは初めてだ。  
 
女子生徒を診察台に載せると、  
「留めて」  
朝比奈さんは真っ赤な顔をしてオロオロしているし、俺はどうするのか見当も  
付かん  
「僕がやりましょう」  
古泉、やけに手際が良い様に見えるのは気のせいか?  
しまった!「産婦人科の診察台に拘束された、妊婦腹の女子生徒」を意識  
した途端、愚息が……  
 
「見て」  
俺たちは、診察台に拘束され、性器だけでなく肛門まで露わにされた女子  
生徒の股間をのぞき込む。  
「いやだー」  
「参りましたね、こりゃー」  
 
女子生徒の肛門には、電子ロック付きの太いアヌス栓が刺さっていた。  
 
「こんなのって……」  
「こんな状態になるまでするのは、ご主人様として問題ありますね」  
どういう事だ? まあ、見れば「プレイ」だと状況そのものはわかるが……  
 
「彼女がご主人様と呼ぶ対象は存在しない」  
つまりなにか、彼女は自虐的性向があり自分でこのアヌス栓を嵌めたまでは  
良かったが、解除キーを失くしてロックを解除する事が出来なくなって、  
超便秘状態に陥っていると。  
「そのことが原因で精神が錯乱気味なのを、オカ研の部員であることから  
悪魔が取り憑いたと……」  
俺の言葉の後を次いで古泉が言う  
「早く外してあげてください」  
朝比奈さんの言葉に  
「情報結合を解除しアヌス栓を取り除くこと自体は可能、但しそれだけでは  
便秘は解消せず、彼女の精神状態を安定させることは不可能」  
そこでそいつの出番なのか?  
長門はどこからともなく、1リットルのイルリガートルを吊したスタンドを押して  
きた。  
 
長門が情報操作のために、なにやら呪文らしき物を唱えだした。  
見る間に口径が倍ほどになり、注入用のプラグとシャッター付排出口を備えた、  
浣腸プレイ専用アヌス栓に変化した。  
 
「つないで」  
どうして俺なんだ! と文句を言いつつ愚息に大人しくしている様言い聞かせ、  
イルリガートルとプラグを接続しピンチコックを開く。  
チューブの中を薬液がつーと流れていくが、やけに粘性が高いが大丈夫か?  
「長門さん、これ薄めてますよね」  
朝比奈さんがグリセリンの空き容器を差し出す。  
「いつも原液のまま使っている」  
サラリと凄いことを聞いた様な気がする。  
 
……  
三点リーダー製造機は長門と相場が決まっているが、今回ばかりは長門を除く  
全員が三点リーダー製造機になりはてていた。  
 
「長門さん、原液は駄目です、水で倍に薄めて下さい」  
古泉の叫びに  
「分かった」  
蒸留水の容器を取り出すと、イルリガートルを2リットルの物に交換し注いだ。  
おかしいと思いつつ、朝比奈さん、古泉の顔を見る。  
長門に言おうとした寸前に脇腹を突かれた。  
見ると朝比奈さんが唇に指を当て小声で、「言うと余計おかしくなると思い  
ます、彼女には申し訳ないですが、2リットルに挑戦してもらいましょう」  
スマン、俺は心の中で彼女に手を合わせた。  
 
薬液が全部飲み込まれて約10分が経っていた。  
 
「ううー、ああー」  
肛門の激しい拡張感と浣腸による腹痛で気が付いた様だ。  
うめき声は段々と低くしわがれたものに変化していった。  
本当に単なる便秘だろうな、後で本当は悪魔が取り憑いていましたなんて言うなよな  
「……」  
長門よ、そこで黙るな、嘘でも良いから「否」と言えよ「否」と  
 
彼女は相変わらず、全身から脂汗を流しうめき続けている。  
そろそろ出させた方が良くないか?  
「まだ駄目」  
あとどの位掛かるんだ  
「3.14213564…秒後」  
……  
………  
3秒余経ったらしい。  
長門が手をかざすと、アヌス栓のシャッターが開き、排泄物が吹き出した。  
情報結合の解除により瞬く間に砂に変わっていく。  
排泄物に口や目があったり、砂に変わっていく間も自力でのたうっていた様に  
見えたのは気のせいにしておこう  
 
2リットルのグリセリン溶液を延べ5回、計10リットルの大量浣腸により  
彼女の腹の中に巣くっていた「悪魔」はすべて排出され、腹の膨らみは  
消えた。  
目の下のクマや吹き出物は、原因が解消されたのでその内、綺麗になるだろう。  
 
ちなみに、彼女の括約筋は長年にわたる自虐的拡張行為の結果、機能しなく  
なっており、あのアヌス栓は携帯を操作することで開閉出来る様に改良され  
残された。  
勿論、アヌス栓は彼女が以前から使っていた物であると記憶を操作する。  
彼女の携帯には小さな南京錠のストラップが付いていた。  
そのことを知った、朝比奈さんの顔が、羨ましそうに見えたのは、心に  
しまって置くことにする。  
 
翌日ハルヒのお供で再びオカ研に向かう。  
ハルヒは、問題は解決したと言われ、「勝手に解決するんじゃないわよ」と  
誰に向かってかは不明だが憤慨していた。  
 
数日後、部室に向かう途中、目茶苦茶綺麗な女子生徒とすれ違った時、胸の  
ポケットから覗く携帯を見て目を見張った。  
小さな南京錠を付けた携帯は、彼女のアヌス栓のリモコン機能を兼ねている。  
そのことを知っているのはホンの数人、自分がその一人であることが何故か  
うれしかった。  
 
その日は、珍しくみんな所用のため先に帰ってしまった部室に長門と二人きりに  
なった。  
 
俺は、あの「悪魔」の正体について尋ねてみた。  
長門の話によると、アヌス栓の制御回路(そんな物が内蔵されていたのか)に  
例のカマドウマの残骸が住み着いて実体化したものらしい。  
 
もう一つ訊いて良いか?  
「何? 」  
いやな予感がしつつ尋ねる。  
どうして、悪魔払いが「浣腸」だったんだ?  
 
「エクソシスト」  
「良い…をする人」  
 
 
 
 
 
「ええ糞シスト」  
 
糸冬  
 

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