部室で俺は奴とチェス中に唐突に述べた。その奴とは古泉しかいない。幸い二人だけだ。
「古泉、以前言っていたバイトの事を聞こうか」
「おや珍しい。やっと興味を持ってくれましたか」
何やら得意気な顔を古泉はしていた。やめろ気色悪い。
「金がないのは事実だ。あいつのお陰で俺の財布はアルミ製の銭しかねえよ」
「それは災難ですね、では急いでいるようですし、そのバイトの説明をしましょうか」
早くしろ。俺は明日の休日でどうせ奢るに決まっている。アルミ銭じゃ満足出来ないチョコくらいしか提供できないぜ。
「そのバイトというのは、実は閉鎖空間は関係ないのです」
焦らすな、さっさと言え。あいつが来る前に
「おっまたせー!今日は自主映画その二について、ってーのを持ってき」
「ホストです」
...
......
あれ?閉鎖空間ですか?何か部室の光景が止まっているように見えるのは気のせいですか?
ハルヒよ、そのチラシはなんだ。Epsode01?またあれをやる気か、懲りないなお前も。
古泉よ、ちょっとは今の状況に動じたらどうだ。少しくらいは動揺しろよ、っておい...ってなんだ古泉その汗の量は。
発刊機能でも壊れたか。ぽたぽたと垂れてますよ。つーか臭うぞ。
一方のハルヒは何してんだ。チラシの裏に黙々と何を書いているんだ。ちょっと見せなさい。
「そうね、同じ題材じゃ飽きるものね!次回作はこれよ!これしかないわ!」
そういうとハルヒはチラシを俺の目前に突き出した。
「禁じられた愛 K+K」
.........ちょっと待て、Kはまさかその主人公二人のイニシャルか?
「そうよ」
俺は手からチェスの駒の女王が滑り落ちた。
マジですか。
きっと続かない