もはやお馴染みとなってる強制ハイキングコースを抜けていつも通り授業を受ける。  
休み時間に谷口が自分の彼女とペットの話をしていたが、同じ話を前にも聞いたことがある。  
国木田も気づいているようだ。 まさか谷口よ、その年でボケてきたんじゃないだろうな。   
ハルヒはあからさまに不機嫌オーラを噴出して俺の背中を凝視している。 何があったんだ? 俺に思い当たるフシはない。  
こんなよどんだ空気からは、一刻も早く脱出したいね。  
こんな空気を取り込んだ俺を浄化してくれるのは、SOS団の2人の天使といってもいい、朝比奈さんと古泉さんだけだ。  
急ぐあまりノックもせずにドアを空けて閉まったのは俺が悪い。 しかし、それでも鍵はかけないんだな・・・  
「キャーーーーッ」   
ちょうど朝比奈さんと古泉が、メイド服に着替える最中でちょうど服を脱ぎ終わったところだったようだ  
すみません、朝比奈さん、古泉さん、覗くつもりはなかったんだ。  
急いでドアを閉じ、彼女たちが着替え終わるのを待つことにする  
もはやお約束である。 こんなネタを書いた作者を指を刺して笑ってやりたい。  
「「もういいですよ〜」」  
二人の許可が降りたので部室に入り、椅子に座り二人を見る。  
気のせいか何か違和感を覚えるな・・・  
何が違うのだろう。 朝比奈さんはいつも通り可愛いし、古泉さんも美人としか言いようがない。  
古泉さんは俺がじっと見つめていたのに気づいたのか、いつものスマイルをこっちに向ける。  
「どうしました? こっちをじっと見て。」  
あなたの体に見とれてましたよ、なんて言えやしない  
「キョン君、古泉さんがどうかしましたか?」  
朝比奈さんも不思議そうに声をかけてくる。  
古泉さんって女性でしたよね。  
いまさら分かりきった質問をしてしまう。  
当たり前だ、綺麗な顔、細身だが出るところは出てるスタイル、彼女がどうすれば男性に見えるかやってみたいくらいだ。  
「何を言ってるんですかキョン君、古泉さんは元々女性ですよ」  
「そうですよ、やっぱり何かあったんですか?」  
いや、なんでもないんです。少し谷口のボケが移ったようです。  
しかし俺も何を言ってんだか。  
 
まぁ、この違和感は気のせいだろうと思う。  
そんなことを考えながら、古泉さんの入れたお茶を飲む。  
やっぱり古泉さんの入れたお茶はいつもおいしいな。  
ここで先ほどの違和感がまたぶり返す。  
いったい何なんだこの感覚は。  
 
いつの間にかチェスを用意し始めた古泉さんがいつも長門がいるスペースを見て  
「そういえば長門さんはどうされたんでしょうか?」  
そういえば長門がいないな、珍しいこともあるもんだ  
朝比奈さんも軽く首をかしげて  
「そうですね〜、いつもならその位置で本を読んでるはずなんですけどね」  
やっぱり二人ともかわい  
まで考えたところで重い空気が近づいているのを感じた  
俺は確信した。 ハルヒがきた。  
ハルヒは自分の椅子にどかっと腰かける。気のせいか三角錐もゆれてるな  
「…」  
ハルヒがこっちを見ている。  
何なんだ?  
「なんでもない!」  
そういってパソコンに目を向けるが、数分後にはまたこっちを見ている。  
その後、俺は帰るまでハルヒに重いオーラを浴びせられてたわけだが、昨日何かあったのだろうか。  
よく思い出してみると、昨日の4〜5時の記憶がないんだよな。やはり俺も谷口と同じくボケたか…  
ハルヒに聞くわけにもいかないし、古泉さんや朝比奈さんに聞いてもダメな気がする。なぜだろう…  
明日あたりにさっきの違和感と一緒に長門に聞いてみるか。  
 
 

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