「ほれ」  
 
 俺は屋台のおっちゃんから受け取ったものを長門の頭にかぶせた。  
   
「?」  
   
 長門は相変わらずの無表情で抵抗はしなかった、俺はそっとソイツを落ち着く位置に直した。  
 今、長門のショートヘアの上には光の国からわざわざ地球に来たという宇宙人のお面があった。  
 ぶらぶらと長門と祭りを歩いているうちに発見したお面屋で見つけた物を俺が冗談半分で買ってやったのだ。  
 同じ宇宙人として気が合うのか違和感なく長門の頭に落ち着いている。  
 うむ、怪獣とハルヒという迷惑極まりないものを相手にしてる所も似てるかな。  
 ふと、長門は光の国の戦士とやりあっても勝てるんじゃないか?などと妄想してみるがやめておこう  
そのとき俺の呼び名は「ウルトラマンより強い女を抱いた男」となってしまう。  
 一度でも特撮に心奪われたものとしてはあまり呼ばれたくない名だ。  
 
 もっとも、俺と長門が付き合っていることを知る奴なんていないのだから戯言みたいなもんだけどな。  
 
 
 
 
       長門ユキの牢獄3  
 
 
 
 
「似合うぞ」  
   
 俺はお面に隠されていない部分を撫でながら正直に言った。  
 そこら辺の女ならば間違っても喜ぶ所ではないのだろうがそこは長門だ、口の端をうっすらと持ち上げ微笑んだ。  
 いい加減慣れてきたが、それでもこいつの微笑みは致死レベルの範囲内だ。  
 
 特に今の長門はいつもと違って浴衣姿、襟元から見える白い鎖骨が俺を狂わす。  
俺の心拍数を勝手に上昇させ、長門だけにしか感覚のチャンネルが合わなくなる。  
 
 今だってこのままそこら辺の茂みに連れ込んでしっぽりとくみつほぐれつしようかな、と本気で……  
   
「キョンッ!!!」  
   
 ガキンッと、俺の頭のチャンネルが無理やり戻された。  
 俺は背後からいきなりお寺の鐘の音を食らった気分で振り返った。  
 そこにはいつの間にか、ハルヒが仁王立ちしていた。  
   
「いつまでだらだら歩いんてんのよ!遅いだけならゾウリムシでもできるわよ!」  
 
 こいつは先程まで金魚すくいを朝比奈さんとやっていたはずだが……  
 ――と手元を見てみる、そこには透明なビニールの中にぷっかりと腹を見せて浮いた金魚3匹の姿  
 かわいそうに先程の音波兵器の被害にあい、お亡くなりになられたのだろう  
 それにしても恐るべきはハルヒ、水中までお構いなしか、流石は地球最高の迷惑女  
   
「あんたが何度呼んでも返事しないからでしょバカキョン!」  
 
 あぁ、長門に見とれてたからな。  
 などとは口が裂けても言うまい、今度は音波兵器(声)ではなく撲殺兵器(拳)を喰らう羽目になる。  
 
「まったく、あんたは団長に対する礼儀ってもんを一度しっかり教え込まなきゃならないようね。  
 ………あれ?ユキどうしたのそのお面」  
   
 俺に是非とも勘弁願いたい宣告をしてからハルヒは俺の後ろにいた長門に、特にその頭に乗っかっている物に注目した。  
 一瞬、俺はどう答えようか迷ったがとりあえず嘘をつく事にした。  
   
「ああ、さっき長門が「買ってもらった」」  
   
 俺の言い訳の途中で長門が答えた。  
 長門が人の声をさえぎるなんて滅多に無い、俺は少し驚いていた。  
 
「誰に?」  
   
 ハルヒはいつもと違う長門に何かを感じ取ったのか、押し殺した声で長門に聞いた。  
 それに対して長門は―――  
   
 ぎゅ  
   
 ―――と俺の服の袖を掴むことで答えた。  
当然の答え、長門と一緒にいたのは俺だけだ、突然現れて女子供にお面を買い与える奇特な人間はこの近辺にはいない  
 ……たぶん、いない、確実にと言えない所がこの世界の怖いところだ。  
   
「そう」  
 
 呟く様にそう言ったハルヒの表情は、いろんな感情が交じり合った形容しがたいものだった。  
 あえて言うなら―――嫉妬、だろうか?  
 
 はっ馬鹿馬鹿しい、この「強引グ・マイ・ウェイ」を地で言ってる女にそんな感情があるはずがない。  
 現在進行形で俺に、俺たちに迷惑をかけまくる女にそんな感情あっていいはずが、ない  
   
 
     
   
 その後、微妙な空気は朝比奈さんの国宝指定の天然ボケで一気に霧散した。  
 流石です朝比奈さん、それとも未来人には空気を読むという常識が存在しないのでしょうか?   
 
 それはそれで嫌な未来な気がしてきたのは秘密だ  
 
 さらに古泉と合流した俺たちは団長の鶴の一声により、川原で花火にしゃれ込むこととなった。  
 
「コラッ、何で避けるのよっ!」  
   
「無茶を言うんじゃねぇ!むしろお前の正確すぎる狙いを避ける俺をほめろ!」  
   
 ハルヒが気でも狂ったように発射してくるロケット花火どもを、俺は第6感の導くままに回避し続ける。  
 ハルヒのトサカ頭にしては珍しく自分の発言を忘れてなかったらしく、今俺はきっちりとSOS団の礼儀を教え込まれている。   
   
 つーか、古泉。何でお前が手際よく点火したものをハルヒに渡していやがる。  
 
 俺の強烈な視線を受けた古泉は  
あなたは一度、痛い目を見るべきです。といった感じで皮肉げな笑みを浮かべる。  
 
 ――――あの野郎。  
   
 ちょうどいい、貴様とはいずれ決着をつけようとは思っていた  
 どうやら今がその時のようだ。  
   
当方に迎撃の用意あり!!!  
   
 俺は懐に手を入れると、先程花火を買ったコンビニでハルヒから隠れて買った大筒を取り出した。  
   
 超極太黒花火「や・ら・な・い・か」  
 
 なぜか尻の辺りが寒くなるようなネーミングだ、俺はハルヒの花火を避けながら注意書きを読む。  
 
※この花火は人に向けて、特に男に向けて打つ花火です。  
 ※花火発射部分のチャックを下げると勝手に点火します。  
 ※すっごく太いです。  
 ※愛は人種と性別を超えます。  
   
 俺は少しだけこの花火を買ったことに後悔しつつも発射口を古泉に向けた。  
   
「――――ッ」  
   
 突然の反撃に固まる古泉とハルヒ、だがもう遅い。  
 俺は古泉に向かって、ゆっくりと、チャックを、下ろした。  
 
 
 やらないか?  
 
   
 この時、俺の頭に響いた声は幻聴であると信じたい。  
 筒から飛び出した花火は狙いたがわず古泉に向かって圧倒的な量の光を吐き出した。  
 その色は、なんだか……黄ばんでいた、その上どういう仕組みなのか少しイカ臭かった。  
   
古泉は回避することもままならず、モロに光を食らい1、2mほど吹っ飛ばされ、倒れた。  
   
「「「「・・・・・・・・・」」」」  
   
 俺とハルヒはもちろん、俺たちを見守っていた朝比奈さんや長門まで無言だった。  
   
「……だ、だいじょうぶ?」  
   
 ハルヒが恐る恐るといった感じで声をかける  
 だが古泉はハルヒには何の反応も示さず、何事もなかったように俺に背を向けて立ち上がった。  
 
「・・・・・・」  
 
「お、おい」  
   
 流石に心配になった俺が声をかけると古泉は体を優雅に半回転させた。  
 ひと安心した俺に、風に乗って何か背筋の寒くなる声が聞こえてきた。  
 
「……ふふふふふふそうですかそれがあなたの気持ちですかいいでしょうそれならば僕も応えないわけには逝きません」  
   
「こ、古泉?」  
   
 もう一度声をかける俺に古泉はぎんっと目を輝かせた。  
   
「―――――やりましょう。」  
   
 俺は全力で逃走を開始した。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
―――――――ガサガサ  
 
 俺の隠れる茂みをゆらす音に俺は全身をこわばらせた。  
 奴が、来る。  
 人を超えた速度を出し、奇声を発し(フォーッ!)ながら追いかけて来るあいつ  
 その影から逃れんと必死に走っているうちにどうやら山の中に入ってしまって様だ。  
当然のごとくSOS団女性陣は置いてけぼりだがこの場合仕方ないだろう  
 そんな些細なことより今は目の前の危機だ。  
 
――――ガサガサ  
 
 どうする?今発見されたら流石に逃げ切る自信はない、つまりはデッドエンド  
 ならばやるしかない、と俺は近くにあったほどよく尖った木の棒を手に取った。  
 どれほど血にまみれようとも俺は純潔を失う気はない、たとえそれが自業自得だったとしても!  
 
―ガサガサ  
   
 いよいよ近づく音に俺が木の棒を振り上げたその時  
   
ひょい  
 
 と、顔を出したのは長門だった。  
 
「はぁーーー」  
 
 がくっと気の抜けた俺はその場で木の棒を手放した。  
 そして、改めて前を見てみるとそこには浴衣についた汚れを払う無表情な天使がいた。  
 おそらく俺を探しに、いや見つけに来るためにわざわざここまで来てくれたのだろう。  
 それを見て、俺の中で抑えていたものがはじけた。  
 
「ながとぉーーーー!」  
 
 俺は恥も外聞も忘れて半泣きで長門の胸に抱きついた。  
 だが、考えてみてもほしい暗闇の中、人気のない山の中を襲撃者におびえながら隠れ続ける。  
 それが一般人である俺にどれだけ困難で精神に重圧をかけるのかを!  
 
「・・・・・・」  
 
 そんな惨めな俺を長門は優しく抱きとめ、無言で頭をなでる。  
 数分間程そうして、やっと落ち着いてきた。  
 そしてようやく今の自分の状況を分析できるだけ冷静になった  
   
(・・こういうのも、いいな)  
   
 俺は今、はっきりと長門に母性を感じていた。  
 それはもちろん母に似ているとかではなく、自分を包み込んでくれるような、許してくれるようなそんな感覚  
 葉を青々と茂らした大樹を背に廻し、膝をついた俺を抱えるように聖母のように抱擁する長門  
 頭を浴衣越しに頭をうずめた乳房からは、長門の香りが仄かに漂っていた。  
 
 その甘い香りが俺の中の何かを狂わせた  
 
 俺は犬のごとく鼻をこすりつけ、浴衣の胸元をずらした。   
 僅かに露になった双胸は大きくもなく、小さくもないものだったが、今の俺には至高の果実に見えた。  
 ここまでくれば俺が何を求めているかはわかって当然だが、それでも長門はただ俺の頭を撫で続ける。  
   
――ちゅ  
   
 俺は一切の遠慮なく長門の乳房に吸い付いた。  
 
「…ん」  
 
 わずかに声を上げた長門を無視して俺は舌先で長門の乳首を攻めたてる。  
 片手で長門を固定し、もう片方の手は余った胸をゆっくりと優しく揉みほぐす。   
 透けるような白だった長門の体が徐々に赤みを帯びていく  
 
「――んぅ・・・つぁ」  
 
 そして押し殺した声も艶が増していく  
 気を良くした俺は、いっそう愛撫に力を込める。  
   
「ふぁっ」  
   
 敏感なところを強く摘まれた長門が声を上げる。  
 俺は綺麗なものを汚す背徳感と、母性を穢す征服欲にすっかり酔っていた。  
 と、俺はそこでもぞもぞと俺の腹のあたりで動くものに気がついた。  
 いったん長門から体を離してみていると、そこには乱れた浴衣から覗く内股をこすり合わせる長門の両足があった。  
 
「――――っ」  
   
 わずかに頬を赤める長門、その顔はうつむき俺を見ていなかったが俺にはその姿が雌犬のそれに見えた。  
 俺は顔に浮かぶ残忍な笑顔を隠そうともせず立ち上がり、もう一度長門に体を寄せた。  
 そのまま長門の背後にある大樹の間に挟み、両手を長門の柔らかな尻に添える。  
 そして長門の浴衣が乱れるのもかまわず、腰の位置が合うよう長門をずり上げる。  
 
 浴衣越しに掴んだ長門の尻は軽く汗ばみ、俺に長門が下着を履いていない事を教えてくれた。  
 俺の方はもちろん準備万端、俺の中の熱いマグマは噴火の時を待って火口に集まっている。  
 俺は手早く肉棒を取り出すと、帯が緩んで前面の肌が完璧にあらわになった長門の中心にある薄い茂み、その入り口に添えた  
 
「 」  
 
 長門が熱いため息をこぼす、まるで好物を待ちきれない畜生の吐息だ。  
 ならばちょうどいい、俺も長門を犯すことしか頭にない獣だ。  
 畜生と獣の乱交、理性なんてくだらないものはさっさと食い散らかして本能に従って行動しよう。  
 
 俺は長門の体重を支えていた両腕の力を少しずつ抜いていった。  
 今現在、重力の鎖にとらわれている長門の両足は地に付いておらず、下方向に向かって鎖に引っ張られる  
 
「あ、うっ」  
 
 自重によって突き刺さる異物に長門の口から悲鳴に似たものが漏れる。  
 
―――くちゃ…ぺちゃ  
 
 だが俺はそれには一切かまわず長門の顔を舐めまわす、唇、頬、鼻、瞼、眼球、お構いなしだ。  
 俺は唾液がついていない部分の存在をを許さず、ただ一心に舌を動かした。  
 その間も長門は俺の行為に抵抗せずに恍惚の表情を崩さない。  
 ぬらぬらと光る長門の顔はこの世の者ではないと思わせるくらい、淫靡だった。  
 
「――ん」  
 
 と、やっと俺の息子が長門のなかを満たしたようだ。  
 しかし、だからといって万物に平等主義な重力君は仕事をやめようとしない。  
 
「――ん、く」  
 
 俺と長門の身長を比べれば俺のほうが20センチほど高い。  
 身長差は当然、足の長さにも比例する  
 つまり、長門の足が大地を踏みしめることは無い。  
 その結果、限界以上に子宮を圧迫する俺の肉棒に苦鳴を漏らす長門ができあがる。  
 見れば長門のあばらがうっすらと浮かび上がる腹部、そのちょうどお臍の下辺りがほんの少し盛り上がっていた。  
 
「あぅっ」  
 
 下腹部を少しだけ力を込めて撫でると長門は、びくんと震えた  
 そしてそれと同時に長門の膣もその締め付けを増した。  
 まぁ、当たり前だろう。  
 ただでさえパンパンなのにさらに外から圧力を加えられれば当然といったところだ。  
 ここでもし俺が初心な少年だったり、慈愛あふれる男だったったら眉をゆがめる長門の顔を見た瞬間、手は動きを止めていただろう。  
 だが残念ながらここにいるのは、一匹の駄犬だ。  
 次なる世界を見るためにためらうことなど何も無い!  
 
ぎゅっっ!  
 
「――――――、――――――っっ!!!」  
 
 俺がふくらみを力いっぱい抓るように掴むと、長門はのどを振るわせるだけの叫びを上げた。  
 長門の秘部から流れ落ちる愛液はとどまることを知らず、俺の股間と大地をぬらしていく  
 目をむき、いっぱいに開いた口からよだれをたらしながら絶叫する長門に、俺の嗜虐心は完全に満たされた。  
 
 そう、満たされた。  
 
 ならば、後は放つだけだ。  
 
 幹に押し付けた長門の体は軽く、固定するのには片腕一本で十分だった。  
 もう一本の腕は俺と長門の接合部へと伸ばす  
 目的のものはすぐに見つかった、日の明かりの元で見れば痛々しく充血した陰核が見れたことだろう。  
 俺は軽く、クリトリスを摘んだ。  
 よし、準備は整った。  
 後はどれだけ長門が耐えれるかどうかだ。  
   
 俺はゆっくりと腰を下げ、陰茎の半ばまでを引き抜き  
 一気に奥まで貫く!  
 
「―――――――」  
 
 肉と肉が打ち合う音と長門の悲鳴が夜の闇に響く  
 だが、まだまだ終わりじゃない。  
 俺は限界まで長門を貫いた肉棒を、さらに腰を横に振ることでぐりぐりと圧迫する。  
 
「――――、――――――」  
 
 今まで触れられた事の無い場所への刺激が、長門を狂わせる。  
 尻を掴む腕からかつて無いほど体を硬直させる長門を俺は感じた。  
 だが、それでも俺の嗜虐心は萎えることはない  
   
 俺は長門を支えていないほうの腕の指  
 つまり、長門の陰核を摘んだ指にぐっと力を込めた。  
 グミほどの硬さしかないようなクリトリスにそれを跳ね返す力など皆無  
 結果、つねられた陰核は面白いように形を変える  
 
「―――――――――――――――――――――」  
 
 面白くないのは長門、限界値をはるかに超える刺激に肺に溜まったすべての空気を使って大気を振るわせる。  
 伸びきった足は指の先まで硬直し、背中に回された腕は俺の背中に浅くない傷をつける。  
 長門の痴態を楽しむべく見上げた視界には、長門の狂乱する姿がはっきりと移っていた。  
 
 もしここで、長門にとって不幸があるとすれば  
 それは俺が一回のピストン運動で射精する様な早漏じゃなかったことだろう。  
 
 俺はゆっくりと肉棒を引き抜くと  
 一連の工程を最初から繰り返した。  
 すなわち、突き、抉り、摘む  
 当然の如く長門が悲鳴を上げるが、そんなこと知ったことではない。  
 俺は駄犬で相手は雌犬だ。  
 ただ、種を出すことだけを考えればいい  
 
 ガシガシと腰を振る  
 ピクピクと女が震える  
 
 終わりはあっけなく来た。  
 
「――――っ」  
 
 ドクンドクンと長門の中に精子を送り込む  
 
 おそらくは十数秒ほど出し続けただろう、疲労感が頭の中に染み渡るのを感じた。  
 手足に溜まった疲労を感じた俺はゆっくりと体を離した、長門はズルズルと木に背を預け力無く座り込む  
 そのまったく意思の感じられない姿を不審に思い、顔を覗き込んでみる  
 長門は途中から気を失っていたのか目の焦点があっていなかった。  
 
(汗)  
 
 ちょっーーとばかし、やりすぎちまったかなー  
 と、頭の中で少しばかり反省した。  
 ようやく理性が息を吹き返したらしい  
 先程までの乱行を思い出し、背中に冷たい汗が流れるのを感じた。  
 湧き上がる罪悪感を感じつつも純粋に介抱するために長門に近づく  
 
 
 そのとき、神の悪戯か、悪魔の誘惑か不意に月明かりが長門を照らした。  
 
 
 青白い月明かりに照らされるは乱れた浴衣  
 形のいい小ぶりの乳房は呼吸とともに誘うように揺らめく  
 常に知性を感じさせるその瞳も、今は虚ろ  
 桜色の唇は閉じることなく、涎を流し続ける  
 投げ出された美しい両足は時たま弛緩し、その存在を知らしめる  
 そして恥じらいも無く開いたその股からは零れ落ちるは、穢れた白濁の液  
 
 完璧だった。  
 
 芸術だった。  
 
 即死だった。  
 
 
 何が死んだって、そりゃあ理性なんてせこいもんじゃない  
 俺の人間性、十数年で培ったものすべてが死んだ。  
 
 
 もう、どうでも良かった。  
 
 
 終わらない夏を終わらせるとか、終わらせないとか  
 俺の体力が限界とか、限界でないとか  
 長門有希が気を失っているとか、いないとか  
 
 すべてがどうでも良かった、つまるところ俺は人でなしになってしまった。  
 
 人でないが故に俺は、気絶する長門に襲い掛かった。  
 
 
 
 END  
 
 
 
 
  **おまけ** 
 
 
 
 人でないが故に俺は、気絶する長門に襲い掛かった。  
 
 …が  
 
 その前に生尻をがしっと掴まれた。  
 胸の奥底から火山の如く湧き上がる恐怖を無視して振り返ると、そこに  
 
 クスクスと笑う、もう一匹の人でなしの獣がいた。  
 
「つかまえましたよ。さぁ―――」  
 
 歯がカチカチと音を立てる、喉が引きつり呼吸ができない  
 あぁ、神よ!どうせ殺すならどうか純けつが奪われる前に!  
 
「――――やりましょう」  
 
 
 
 
 
DEAD END?  
 

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