その夜私は、何かを見た。
いや、見たのではない。寧ろ、寧ろ私は、そこにいたのだ。
そこは、地平線の果てまで広がる雪原だった。
私一人ではない。そばには涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹、そして、彼がいた。
その雪原で、私たちは…。
何故だろう、その先が思い出せない。たった今まで憶えていたはずなのに。
この私が?
これも昨日、空間内部で受けた負荷の影響なのだろうか。
再調整の必要があるかもしれない。
一つだけ、憶えている事がある。
そこにいた私は、確かに、笑っていた。