いつものごとく退屈な授業が終わり、谷口や国木田との挨拶を済ませた俺は1人でSOS団の部室に向かっていた  
  ハルヒは用事があるとかで授業の終わりと同時にどこかへ行ってしまった。  
 
  部室の前についてドアをノックする。  
  この時間帯は朝比奈さんが着替えをしているはずなので、うかつに開けてしまうと  
  朝比奈さんの下着姿を見てしまうことになる    
  いや、見れたら見れたでうれしいが、その後のハルヒの説教や古泉のニタニタ笑いを想像するだけで  
  背中に悪寒が走りいやな汗をかく  
 
 「………」  
 
  返事が無い  
  いや、返事をしない奴が居るはずだ  
 
 「入るぞ」  
 
  俺はドアを開けながら中にいるであろう奴に言った  
  やはり  
  そこにはいつもの席で黙々と本を読んでいる長門がいた  
 
 「他のみんなはまだ来てないのか?」  
 
 「朝比奈みくるは職員室に呼び出されている。古泉一樹は用事のため登校していない」  
 
  俺の質問に相変わらずの即答で答えた長門はそのまま本を読み続けた  
  俺はいつもの指定席に座りながら、朝比奈さんの淹れるお茶を飲みたいなぁと心の中でぼやいていた。  
  そういえば  
  朝比奈さんはなぜ職員室に呼び出されたのだろう。  
  古泉の『用事』とやらはおそらく機関のことだろう  
  しかし、朝比奈さんはちがうみたいだ。この間のテストで悪い点でも取ってしまったのだろうか  
 
  そんなことを考えているうちに長門は俺の横に来ていた  
 
 「どうした、なんか用か?」  
 
  俺は考え事を一時中断して長門のほうに向いた  
 
 「あなたに話しておかなければいけないことがある」  
 
  いつもの無表情な顔で話し始めた長門に俺はいやなものを感じた  
  今思えば  
  あの時こいつの話をまじめに聞かないほうが良かったと後悔しているが  
  今の俺はそんなことを知るよしも無いのでいつもの調子で聞いてしまった  
 
 「どうした。またハルヒがなんかしたか?」  
 
 「ちがう。涼宮ハルヒが関わっていることは確かだが今回の原因はあなた」  
 
  長門の言葉の意味を理解するのに数秒かかった  
 

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