※『憂鬱』288pから分岐  
 
そこは部屋。俺の部屋。首をひねればそこはベッドで、  
俺は床に直接寝っ転がっている自分とハルヒを発見した。  
着ているものはいつもの制服の上下。  
乱れた布団が半分以上もベッドからずり下がり、  
そして俺達は脚を絡ませるように重なり合ったまま、  
互いの顔を見ながら馬鹿みたいに半口を開けているという寸法だ。  
 
思考能力が復活するまでけっこうな時間がかかった。  
 
「……な、なにすんのよバカキョンっ!  
 いきなり、キ、キ、キスなんて……!?」  
 
ハルヒは真っ赤な顔で叫び始め、しかし後半で声のトーンを落とした。  
こいつにもいっちょ前にそういう感情があったらしい、と俺は感心すらしたね。  
それが現実逃避以外の何でもないと薄々わかってはいても。  
 
「いや、悪かった。  
 どうやってでもお前を繋ぎ止めなきゃいけないと思ったんだ。  
 変な状況で理性とか吹っ飛んじまったらしい」  
 
……さて。後悔先に立たずとはよく言うが、今の状況はその最たるものだろうね。  
いったい俺は何を口走っているんだろうか。なぁ?  
これではまるっきり愛の告白だし、しかも口にした状況もヤバすぎる。  
所詮ハルヒに過ぎないとはいえ女を押し倒した状態での台詞だぜ?  
どっかの掲示板に書き込んだら「それ何てエロゲ?」と聞かれるよな、間違いなく。  
(いや、エロゲなんて昔借り物を5分やって投げ出したっきりなんだがね)  
 
「な、な、なぁっ……」  
 
案の定というか意外というか、ハルヒは言葉もないようだった。  
そりゃそうだ。例えば今の俺達の立場というか体勢が上下逆で、  
ハルヒに押し倒されつつ至近距離で「あんたを繋ぎ止めたかったの」  
とか言われても俺はきっと理解できん。できるわけがない。  
 
だから俺達はほとんど呆然としながら体を重ね合っていた。  
衣服越しに触れる女性の体温とか、感触とか、そういうものを感じつつ。  
 
ところでエロパロとかだとここで俺が肉欲獣に変貌する場面だと思うのだが、  
はん、残念だったな皆の衆。俺はそんな愛欲なんぞ微塵も感じないね。  
あーはっはっは。ざまぁみやがれ。このSSは非エロ路線なのさ。  
 
 
 
 
 
 
あー、いや、悪かった。  
 
まぁ落ち着いて聞いてくれ童貞諸君。いや経験があるならそれに越した事はないが。  
というか経験があるなら賛同する向きもあると思うのだが、SEXってそんな良いもんか?  
 
自分の初体験とか覚えてるだろうか。俺は覚えてるが、思い出したくもない。  
初体験の相手と会う事はまだあるだろうか。俺はその娘の父親に殴られたきり会ってない。  
 
童貞を捨てる事は、夢や幻想や空想を捨てる事だった。俺にとってはな。  
 
その頃からさらに成長した今では「俺、納豆駄目なんだ」くらいの他愛もないトラウマだが、  
(妊娠騒ぎが元で父親に絶縁状叩き付けられて何年も会話してないくらいは普通だろ?)  
その経験から思うに、恋愛ってのはお互い服着てるうちが醍醐味だと思うのさ。  
はっきり言うがね、爽快なもんじゃないぜ、一線越えたら。  
SEXってのは結局は子を作る行為だ。自覚の有無に関わらず、そこには命が懸かってる。  
避妊の失敗に気付いた時の衝撃ってわかるか?  
つわりで泣き出す女を慰めた事は?  
妊娠中絶手術は保険が効かないから6桁の費用が必要になる事くらいは知ってるよな?  
 
 
 
 
 
 
……えーと、本筋はどこまで話したっけか。  
そう、俺はハルヒの上にのしかかっていたが、襲う気はなかったって事だったな。  
しかしだ、ハルヒにそんな事わかるわけないよな。そりゃ誰だって犯されると思うはずさ。  
 
「ちょっと、キョン。冗談はやめて……」  
 
そんな風にしおらしい声を出しつつ、俺という荷重を手放そうと足掻いてたわけだ。  
だがハルヒの運動神経は抜群だが、所詮は女の筋力だ。  
率直に言って、俺が襲う気なら逃れる手段なんかないんだ。  
 
……いや、本気で戦う意志があれば手段はある。  
女を抱こうとする最中以上に男が隙を見せる時間なんてのは睡眠時間以外存在しないからな。  
だが実際にそういう状況になると、普通の人間は負け犬モードだ。俺も昔そうだった。  
 
「こうしてみるとお前も普通の女なんだな、ハルヒ」  
 
冷静な口調で俺は言った。誓って言うが、別に脅す気じゃなかった。  
問題はこの状況が俺にとって余裕の範疇なのに、ハルヒにとっては想像の埒外だったという点にあったんだろう。  
 
つまり、ハルヒは俺が『本気』だと思い込んだらしい。  
後から考えてさえ、それ以外に思い当たる節がない。  
 
「……」  
 
ハルヒは声もなく顔を歪めた。涙ぐんだみじめな顔だった。  
正直に言えば、俺はそんな顔の女を今の今まで見た事がなかった。  
強いて言えば朝比奈さんか? だがそれだってここまで深刻じゃなかった。  
それはまるで、一番信頼していた忠臣に手酷く裏切られたと思い込んでいた所で、  
『実は悪いのは私の方だった』と気付かされたかのような絶望的な表情だった。  
 
「……」  
 
今回の三点リーダーは俺だ。正直な所、かけられる言葉なんかないだろ?  
俺は内心密かにうろたえつつ、体を持ち上げて距離を取るしかなかったわけだ。  
チキンとは言ってくれるな。ないんだよ、他にできる事なんか。  
 
「……。悪かった」  
 
ともあれ立ち上がった俺の台詞は陳腐そのものだった。  
だがハルヒはその無神経な言葉でさらに感銘を(悪い方向性で)受けたらしく、  
とうとう泣きじゃくり始めてしまった。  
 
俺はといえば、ハルヒが泣き出したので逆に安心した。  
わけのわからない事を喚き散らして男に食って掛かるくらい、女なら普通の事だろ?  
そういう場合の対処法も俺は知っているとも。ひたすら味方面しながら耐えるのさ。  
 
傍らを離れずにな。  
 
「……ひくっ……このっ、ばかぁ」  
 
「ああ、そうだな、俺が悪かった」  
 
「ばかぁ……ゆるさない……ゆるさないんだから……」  
 
「それはそうだろうが、許さないならどうする?  
 今の俺はお前の気が済むまで殴られてやる気でいるんだが」  
 
微妙に諦観が混じってはいるにせよ、俺は本気で殴られてやる気だった。  
だからハルヒを強引に抱き上げてベッドに座らせ、俺自身も傍らに座る。  
片手を肩に回して、強引に密着する。  
 
「離せッ……離しなさいよッ……」  
 
涙と鼻水を流しながら、ハルヒは俺の胸を両手で叩く。正直、痛くも痒くもない。  
さて、どれくらいで泣き止んでくれるものかね?  
 
 
 
 
 
 
ハルヒは俺を散々打ち据えた後(地味に痛い)、さらにしがみ付いて泣き出し、  
ついには泣き疲れて眠ってしまった。  
 
「やれやれ」  
 
ハルヒをベッドに寝かせ、布団をかけてやり、そこで俺は確認すべき事を思い出した。  
 
カーテンを開けて星と街灯と住宅の明かりを確認。  
間違いなく俺の部屋。なんとか現実世界に帰ってこれた、って事か。  
 
あるいは、もう手遅れになってしまった新世界とやらかもしれない。  
朝比奈さん、長門、古泉。俺は俺にできる事をちゃんとやったか?  
部室でまた会う事ができるかどうか、非常に不安になってきた。  
 
 
 
「問題ない」  
 
 
 
唐突に長門の声がした。すわ何事かと辺りを見回すと、  
途端に押入れの襖が開き、中から長門が飛び出してきた。  
ゆったりとした動作で床に下りてくると、  
上から……えーと、まるで魔女のようなマントと帽子を取り出して身に着けた。  
 
「……長門。それはなんだ?」  
 
「私は、魔法を使う宇宙人である」  
 
意味が分からなかった。  
 
「上手く言語化できなかった?」  
 
「いや、言葉の意味はわかる。だが文脈がさっぱりわからん」  
 
心なしか残念そうにして、長門は改めて説明を始める。  
 
「貴方と交信し、助言を与えた直後、私はこの世界に『引きずり込まれた』。  
 ……違う。この世界に『入る資格を与えられた』と言うべきかもしれない。  
 私は貴方と涼宮ハルヒによって、新世界に欠くべからざる……仲間、として選ばれた。  
 だから私はここに存在する事ができる。私がかつて何者であったかを理解したまま」  
 
聞きながら『選ばれた』という言葉は嫌いだな、などと俺は思っていた。  
そこには必ず『選ばれなかったもの』があるからだ。  
選ばれたくもない場合もあれば、選ばれなかったものに同情するしかない事もある。  
 
「しかし、涼宮ハルヒの創造した新世界への侵入に際し、私は私の一部を捨てざるを得なかった。  
 統合情報思念体という概念。それは涼宮ハルヒの望む世界には不要。だから『消された』。  
 今の私は何の制限も命令系統も持たず、自由意志で情報を操作する事ができる。  
 私は今やヒューマノイド・インターフェースではない。魔法を使う宇宙人である」  
 
ああ、そういう事か。それは、つまり。  
 
「……それは、つまり。俺は失敗して、ここはもうハルヒが作り直した新世界だって事か?」  
 
「状況を考えればベターな結末の一つ。  
 ……私という存在は、あなたの努力によって延命された。  
 朝比奈みくるも、古泉一樹も、この新世界で同一性を保持したまま存在する事ができる。  
 貴方の日常は何も変わらない。貴方は守りたいと考える全てを守り抜いた」  
 
「たとえその横で世界が滅びていたとしても、か?」  
 
長門は、無表情なまま言った。  
 
「世界という用語は非常に解像度の低い定義に過ぎない。  
 そもそも世界とは、個々の観察の集積としてのみ語られるべきものである。  
 ここから、大局的な世界を仮定するのは虚偽である事が導かれる。  
 よって世界について語る事は相手を騙す事に等しい」  
 
おそらく慰めの言葉なのだろうが、何を言ってるのかいまいちわからないのが難点だった。  
というか、お前が言うな。そして何事もなかったかのように押入れに戻るな。  
 
「わかった。戻らない」  
 
いや、だからといって部屋に居座って深夜に茶飲み話始められても困るわけだが。  
 
 
 
 
 
 
 
 
「いやぁ、困った事になりました」  
 
今後の事に思いを馳せながら長門の淹れた茶を啜っていたところで、  
例の気障ったらしい声を挙げながら古泉が現れた。  
 
俺はあえてゆっくりと茶を飲み干してから、部屋の窓を開けた。  
すると、古泉は上下逆の状態で重力を無視して窓から部屋に進入してきた。  
海中を浮遊するクラゲを連想させる、完全無欠に気色悪い動作だった。  
 
「……で、何が困った事なんだ?」  
 
「まずひとつには、僕が持つ超能力が変質した事です。  
 閉鎖空間でなくとも使えるようになりました……というべきなのか、  
 僕が今いるここが特殊な閉鎖空間なのか、それはわかりませんが」  
 
どうでも良いが、ヤモリのように天井を這い回りながら言っても格好良くないぞ。  
せめて人間がやるように床に座って茶を飲みながら話そうぜ、同じ人類なんだから。  
 
「いえ、実を言いますと、今の僕は能力を制御しきれないんです。無意識に空を飛んでしまう。  
 どうも能力の原理そのものが全く違ったものに変わってしまったようですね。  
 いやはや、困った困った。幸い、空を飛ぶ能力以外は発動していないようですが」  
 
「貴方の周囲に異常な重力傾斜と慣性中和現象を観測した。典型的なサイコキネシス」  
 
「ああ、やはりですか。という事は、訓練すればスプーン曲げもできますね」  
 
自分の肢体をスプーン曲げのようにゆらゆら揺らしながら言う事じゃないと思うね。  
 
「いや、こんな問題は一時的で瑣末な事なんでしょうがね。  
 それよりも重大な事は……」  
 
「お仲間と連絡が取れなくなったか?」  
 
「……お話が早くて助かります。ええ、その通りです。  
 可能な連絡手段の全てを試したわけではありませんけどね。  
 任務の優先順位としてはSOS団の動向を知る事の方が重要でしたから」  
 
宇宙ステーションのクルーのように繊細な動作でどうにか床に張り付き、  
机で背を支えて浮かぶのを防ぎ、ようやく目線が落ち着いた。  
 
「そう言えば、長門もなんたら思念体と連絡が付かないらしいな」  
 
「訂正する。一時的な連絡途絶ではない。相手方の完全な消滅」  
 
「……待ってください。間違いなく消滅したのですか? 完全に?」  
 
「その動向に関する痕跡も、存在すれば確実に観測される情報もない。  
 私の記憶以外に、統合情報思念体がかつて存在していた事を示す傍証は残っていない」  
 
長門の急須を借りて茶を啜りながら、俺はあえて指摘した。  
 
「“機関”とやらもハルヒに消されたと思うか?」  
 
古泉から完全に笑顔が消えた。無理もない。こいつのパトロンは謎のエイリアンじゃない。  
人の集まりだ。思い出も知己もさぞかし多い事だろう。  
 
「涼宮ハルヒの考える世界観と全く一致しない統合情報思念体の場合とは異なる。  
 例えば私は魔法を使う宇宙人である。つまり魔法と宇宙人の存在は許容されている。  
 そして超能力者も同様に許容されている。それを無条件に排除するとは考えにくい」  
 
「でも現実に命令系統は崩壊しています。  
 実働要員の全員が結集してキョン君への助言を伝えた直後、  
 気が付いたらなぜか僕一人だけが突然夜中の町に取り残されてしまったんです」  
 
キョン君言うな気色悪い。だが、その状況で考えると……。  
 
「全員が結集して、力の限りを尽くして最後の一人を送り出したのか。  
 漫画なら完璧に死亡フラグ立ってる所だよな。奇跡の生還、感動の再会もアリだが」  
 
「ふざけないでください!   
 僕にとっては他人事ではないんです」  
 
激昂した古泉なんてもんは始めてみたが特に感慨はなかった。  
激昂ついでに伸び上がって天井に激突して悶えたのも、まぁ気にしない事にする。  
 
「ハルヒは漫画を読む。朝比奈さんを入団させる時も『萌え』とかほざいてた奴だ」  
 
その一言だけで空中の古泉は沈黙した。そう、あり得ない話じゃないだろう。  
……本当に厄介な事をしてくれるぜ、ハルヒ様。  
 
「さて、こうなると朝比奈さんが心配だな」  
 
どう考えても、朝比奈さんに今この状況に至るまで生き延びる知恵と勇気はない。  
なくていい。思うに、人間の美徳ってのは知恵や勇気と引き換えに失われるもんだ。  
あの人には純粋なまま幸福に一生を終えてもらいたいものなんだがね。  
 
「大丈夫」  
 
と、長門は言った。  
 
「ふむ。その根拠はなんですか?」  
 
「私と、貴方と……キョン、と、朝比奈みくるは涼宮ハルヒに選ばれた。  
 私達が私達らしくあるように。万が一にも豹変したりしないように」  
 
もう諦めたが、お前まで俺をキョンと呼ぶのか長門。  
などという詰まらない諦観を覚えるのはもちろん俺だけで、古泉は空中で笑っていた。  
 
「なるほど。だから僕が内心で抱えているこの感情も許されているわけですか。  
 僕は涼宮ハルヒにとってきちんと人間扱いされているのですね。僕の同胞達と違って」  
 
「どうでもいいが、気を付けろ古泉。お前、傍目にもわかるくらい卑屈になってるぞ。  
 もっとしっかりしろ。同じ薄ら笑いにしても心から笑ってた方がいいだろうに」  
 
俺の指摘に、古泉は珍しく顔を赤らめて黙り込んだ。よほど羞恥と怒りを感じたらしい。  
 
「……っ。そうですね。気を付けます」  
 
あげく、妙に艶めいた表情と声で俺に笑顔を向けた。  
なんだその反応は。気色悪い。ああ気色悪い、気色悪い。  
 
「まぁいいか。という事は朝比奈さん、どこかに取り残されてるのかな」  
 
古泉の形相を脳内でガイド・トゥ・サバトの挿絵風に入れ替える事でどうにか悟性を保ちつつ、  
俺は朝比奈さん救出作戦を真剣に検討し始めようとしたところで、  
 
「どうやら時空間移動の要領でこちらの世界への進入を試みたらしい。  
 もしくはせざるを得なくなった。  
 あと2時間17分程度の時間を置いて出現するものと思われる」  
 
もはや恒例というか意外とアクティブというか、長門がそれを押し留めた。  
というか長門さん、何時の間に俺の本棚からガイド・トゥ・サバトを取り出したのかな?  
 
「なるほど。確かTPDD……でしたっけ。  
 おかしいですね。たとえ緊急事態でも禁則事項にひっかかりそうなものですが」  
 
「朝比奈みくるに禁則事項を遵守せしめる権限を持つ者は」  
 
「もはや存在しない可能性が高い、ってか……」  
 
「……そう」  
 
「ま、慰めるにしても対策考えるにしても合流してからにしようぜ。  
 長門、朝比奈さんがどこに現れるかもわかるよな?」  
 
「わかる」  
 
というわけで俺はコートを羽織って自転車の鍵を取り、古泉は窓から飛んで出ていった。  
長門はと言えば、俺の愛読書を本棚に戻した後、なぜかじっと眠っているハルヒを見ていた。  
 
「……長門?」  
 
「……。  
 ハルヒ。邪悪なる怪物。  
 呪われし在り方に酔い、家畜のごとく手近なところに賤民を飼う。  
 そう、それがSOS団ならざる者にとってのハルヒ」  
 
急にそんなファンタジーな事を言い出した。というかガイド・トゥ・サバトの引用か。  
今となってはあながち否定もできない言葉だが、あの冷静きわまる長門の言葉にしては不自然だ。  
 
「何が言いたい?」  
 
「私は言った。ベターな結末だったと。それは間違いかもしれない。  
 私達は出発点の時点で既に致命的な過ち(クリティカルエラー)を犯していたのかもしれない。  
 ……現状でさえ、既に取り返しが付かない。涼宮ハルヒはいつか必ず己の過ちに気付くだろう」  
 
恐ろしいほど冷淡な言葉に、寝ているはずのハルヒまでが震えたように見えたのは気のせいか。  
いや、気のせいではないかもしれない。こいつならきっと狸寝入りも得意だろうし。  
だからではないが、俺は正直な感想を言ってやった。  
 
「そしたら慰めてやればいいだけの事だろ。取り返しの付かない事なんて人生よくある話だ。  
 そうだ、お前宇宙人なんだから、正体バレたら一緒に遊んでやれよ。きっと良い気晴らしになる」  
 
「……そうする」  
 
それっきり喋る事なく、俺達は部屋を後にした。  
 

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