「よく来た。キョンよ。わしが王の中の王、竜王だ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを…。もしわしの味方になれば世界の半分をキョンにやろう。どうじゃ?わしの味方になるか?」  
 そんなもん答えるまでもないと思うが、とりあえずはっきりと断っておいた方がいいだろう。だが俺が口を開く前に、  
「あんたみたいな偉そうなやつの味方なんてお断りよ。さっさと光の玉をよこしなさい!」  
 おいハルヒ、勇者は俺だぞ。つーか、竜王の額に青筋が浮かんでるように見えるのは気のせいか?  
「何よ、あんたが遅いから代わりに返事しただけじゃない。それとも、まさかこんなやつの言うこと聞く気だったの?」  
 安心しろ、それはない。お前を敵に回すくらいなら、世界を敵に回すほうがまだマシというものだ。  
「愚か者め! 思い知るがよい!」  
 かくして、戦いの火蓋は切って落とされた。結果? そんなもの言うまでもないだろうよ。大体、ダメージ与えてたのは勇者の俺じゃなくてハルヒだぞ。そんな囚われの姫が他にもいたら見てみたいね。  
 

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