朝比奈みくるの受難  
 
  私が涼宮さんにSOS団に連れてこられて、けっこうな月日が経ちました。  
 涼宮さんは、私にいろいろな衣装を着せてくれます。…殆どがあまり来たく  
 無い服ばっかりだったけど。でも、キョンくんもいるし、今日も頑張って部  
 室へ行かなきゃ。  
「そう言えば、今日は涼宮さんが大事な会議があるから遅れないようにって  
 言ってたよね…」  
 一体何をするんだろう。授業が終わった後、すぐに部室に直行。  
 取り合えず、お決まりとなっている、今ではもう着慣れてしまったメイド服を  
 着て誰か来るのを待とうかな。  
 そう思って、私はメイド服に着替えました。  
 丁度着替え終わったときに長門さん登場。  
「あ、長門さん。お茶入れますね」  
 私の言葉に無反応。でも、お茶は出します。他にする事がないもの。  
 お湯を沸かしてる間にお部屋の掃除でもしようかな。  
 うん、そうしよう。  
 で、今度は掃除をしているときに、キョンくんと涼宮さんが部室にやってきました。  
「あ………。こんにちは」  
 二人一緒で来たからかしら、ちょっと涼宮さんが嬉しそう。  
「すぐにお茶いれますね」  
 ちょうどお湯も沸いた頃だろうし。  
「キョン…見すぎ。ヘンタイの顔つきよ、今」  
「へ、ヘンタイ…そんな顔してたか?」  
「ばっちりと。警察に突き出してやろうかと思ったくらいよ」  
 そうぼやきながら涼宮さんは団長の椅子に座りました。一気に機嫌が悪くな  
 っちゃったような気が…  
「みくるちゃん!お茶!!」  
「は、はい!ただいまっ」  
 やっぱり…う〜。キョンくん、恨みますよ。  
 
「だからみくるちゃん、お茶を持ってくるときはつまずいてお茶をひっくり返せって  
 言ってるじゃない! もう、そろそろ覚えてよね」  
「え…で、でも…」  
「でも何?」  
「ひっ!な、何にもないです…」  
 …いつか本当にこぼさなきゃいけないのかな。  
 そう私が一抹の不安を感じていた時に、キョンくんが  
「だから、何でわざわざドジをさせそうとするんだ」  
 って替わりにつっこんでくれました。  
 頑張って、キョンくん!  
「前にも言ったでしょ? メイドはドジじゃなきゃダメなのよ!」  
「はいはい…朝比奈さん? こいつの言う事は別に聞かなくてもいいですよ」  
「は、はぁ…」  
 でも、とても抵抗何かできないです…。  
「こら、みくるちゃん! あとで教育してあげるわ。今日から部活終わった後、  
 ここに残りなさい」  
「ひぅ……わかりました」  
 うぅ…一体何されるんだろう。変なことされなきゃいいんだけど。  
 
 そして、その日の部活が終了し、涼宮さんと二人っきりになってしまいました。  
「あ、あのぅ…一体、何をするんでしょうか」  
「みくるちゃん、あなたを教育するって言ったでしょ?」  
「へ、ほ、本気だったんですか!?」  
「あたしは冗談は嫌いよ」  
 そ、そうかもしれないですけど…。でも、教育って一体…  
「んふふ。心配は要らないわよ。あたしにすべて任せなさい…」  
「きゃ!? ちょ、や、やめてください〜」  
 涼宮さんはいつものように私の服を脱がしに掛かってきた。もちろん私が抵抗する意味も  
 無く、服は一瞬の内に脱がされてしまいました。は、はずかしいよ〜。  
 
「ふぇぇ〜ん。な、何するんですか〜」  
「あなたには立派なメイドになってもらうわ。今日からその特訓よ!」  
「め、メイド…」  
 何故そんなことが決定されてるんですか…。  
「あなたには拒否権はないわ。さぁ。こっちに来なさい」  
 そう言いながらじりじりと近づいてくる涼宮さん。いやぁ、誰か助けて…  
 
「まず、メイドというのはね………」  
 そして、涼宮さんのメイド指南が始まりました。最初は、メイドとは何たるか…  
 って言うのを一から教えてくれるようです。  
「ふぇぇ〜、そうだったんですか」  
「そうだったのよ! 物分かりがよくていいわよ、みくるちゃん」  
「は、はぁ…」  
 ほ、ほめられてもあまり嬉しくないです…  
 それに、涼宮さん。どうしてそんなに詳しいんでしょうか?  
「じゃあ次の段階。みくるちゃん、こっち来なさい」  
「? な、何するんですか?」  
「いいから、早くこっち来る!」  
「は、はい」  
 そして、涼宮さんの近くに行く私。何かとっても不安です…  
 そのあと、涼宮さんが私の後ろに回りこんでいきなり…  
「ん〜、やっぱりおっきいわね〜」  
「きゃあ! ちょ、や、やめ…!」  
 いきなり私はおっぱいを鷲づかみにされました。ちょっと、いえ、かなり痛いですぅ…  
「ん〜、でも感度は低い…と。うふふ、これは教育しがいがあるってものね」  
「ふぎゃぁ」  
 いたいよぉ〜。  
「みくるちゃん。そんな声だしちゃダメよ。せっかくかわいいのにそれで台無しになっちゃう」  
「そ、そんな、こと言われても…」  
 
 ずっと、私のおっぱいを揉んでるから…痛みは引いてきたけど何かからだが熱く……  
「はぁ…んん、あ…」  
「あ、みくるちゃん。気持ちよくなってきたでしょ」  
「そ…そんなことない、ん! です…」  
「ばればれよ。じゃあ次、下の方ね」  
「し、下ですか!?」  
 い、いきなりそんな……  
「そう、早く脱ぎなさい。もちろんメイド服は着たままよ」  
「ど、どうしてもですか…」  
「決まってるじゃない」  
 そ、そんなはっきり言わなくても〜。  
「さっさと脱ぐ!」  
「うぅ…あの、やっぱり…」  
「あ〜〜、もうじれったい! 脱げったら脱げ!!」  
「うひゃあ!?」  
 私がずっとごねていたら、涼宮さんがついに怒り出して私のし、ショーツを  
 剥ぎ取られてしまいました… 何かスースーするよぅ。  
「か、返してください〜」  
「ダメよ。これからいいとこなんだから…」  
 そう言いながら両手をワキワキと動かしながらにじり寄ってくる涼宮さん。  
 だ、誰か〜!  
「きゃうっ!?」  
「ここの感度はいいみたいね。ん〜、やっぱり胸がおっきいと感度が低いっていうの  
 ほんとなのかしら」  
 考えながらも私の…あ、あそこを攻める事を忘れない涼宮さん。忘れてくれても結構なのに…。  
「ふむふむ…」  
「あ、あのぅ…ひゃ!?」  
 何かを確かめるような動きになってきました…  
 そろそろ本当に逃げないと危ないような気がするんですけど……  
 
 後ろから涼宮さんに抱きつかれているので身動きが取れません。  
「は、はなしてぇ」  
「あ〜、うるさい! …あ、しょうがないわね。じゃあ放してあげる」  
「へ?」  
 てっきりまた暴れたバツとかでまた変なことされるのかと思ってたんだけど…  
「そのかわり、これを使うわよ」  
 と、何処から出してきたのでしょうか、涼宮さんの手には麻縄が握られています。  
「え…? そ、それって…?」  
「これ以外に何かある?」  
 そ、そんな満面の笑顔で言われても…  
「じゃあ、ちょっとだけおとなしくしててね? 暴れればその分痛いだけなんだから」  
「そ、ちょ、まって…」  
 私の悲痛な叫び(?)にも気にせずにどんどんと身体を拘束していく涼宮さん。  
「よし、これで完成っと」  
「あの…身動きが全然取れ無いんですけど……」  
「何言ってるのみくるちゃん? そんなの当たり前じゃない! メイドを拘束よ?  
 そんなの徹底的にしなきゃ全く意味なんてないのよ!」  
 そんなに力説されても…  
「にしても、本当にどんな格好も似合うわね。何かむかついてきちゃった」  
「?」  
 そう言って、何かを探し出す涼宮さん。一体何を探しているんだろ?  
「あった! 最近使ってなかったからねぇ、探すのに一苦労しちゃったわ」  
「ひ!?」  
 それは、1学期のころ、パソコン部の部長をおどすのに使った、デジカメだった。  
「さあ、みくるちゃんの全てをここに納めてあげる」  
 パシャ! パシャパシャ!  
 それから約10分間もの間、私は色んなポーズをさせられて、その写真をとられてしまった。  
 だ、誰にも見せないで下さい……こんなの、他の人に、特に男の人になんて見られたらもう……  
 
「うううう…………」  
 それでもシャッターを切ることは止めない涼宮さん。  
 お嫁さんにいけなくなっちゃう…  
「泣いてる顔もいいわよー。でも笑ってる方がいいかな?  
 うん、そうね、みくるちゃん、ほら、笑った笑った」  
 丁度その時、なぜか部室のドアが開いていた。  
 
「「「……………」」」  
 その姿を確認して、私達3人は言葉を失った。  
「キョ、キョンくん!? み、みないで!!?」  
「どうしたの?キョン、こんな時間に」  
「いや、ちょっと忘れ物したんだが……取り込み中だった見たいだな、失礼」  
 そう言って、静かに出て行くキョンくん。  
 あの、涼宮さんを止めて行ってください〜……  
 
 キョンくんが来てから数分後。  
「ん〜、何か興が削がれちゃったなぁ。今日はこれでおしまい!」  
「え?」  
 そうして、するすると私の拘束を解いてくれた。  
 これもキョンくんのおかげなのかな?  
 きっとさっき戻ってこなかったら行くところまで行き着いてたかも……  
「じゃあ、明日からは、今日の教えた事きっちり行う事。わかった?」  
「は、はい」  
「じゃあ、また明日ね」  
「はぁ…」  
 そうして、涼宮さんは何事も無かったかのように帰っていきました。  
「いったい、なんだったんだろう……」  
 私は、そう呟くしかありませんでした。  
   
 
―――次の日。  
「キョンくん、お茶です……ってきゃあ!?」  
 ばしゃーん。  
「うわっ!?」  
「ご、ごめんなさい! すぐに拭きますから!」  
「いや、そんなに騒がなくてもそんなに熱くなかったから平気ですよ。  
 それにしても珍しいですね。お茶をこぼすなんて」  
「ちょっと手が滑っちゃいました」  
「朝比奈さんに怪我がなければ問題なんてないですよ」  
「ありがとう、キョンくん」  
「みくるちゃん! あたしのお茶は!?」  
「す、すみません! すぐいれます」  
 昨日言われたとおりにお茶、こぼしちゃったんですけど……  
 やっぱり涼宮さんの機嫌が悪くなってるのは私の気のせいなのでしょうか…………。   
 一体私、どうしたらいいの? 誰か教えてください……  
 
 
                            <続かない>  
 

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