「それはそんな尻だった」〜シークエンス2 朝比奈みくる〜  
 
 
いつものように部室の扉をノックする。  
「はあい、どうぞ〜」  
朝比奈さんの明るい声がする。可憐なメイド姿を想像しつつ俺は扉を開けた。  
あ゛?  
俺は自分の目の機能を疑ったね。ついでに正気も。  
そこには体操服姿の朝比奈さんが立っていた。  
いや「体操服」などというのは自分に対するごまかし以外の何物でもないな。  
要するに  
 「ブ ル マ ー」  
だ。  
「……またハルヒの仕業ですか?」  
俺は上から下まで視線を巡らせた後に聞いた。  
こんな馬鹿な衣装を着せるのはあいつ以外いない。いや個人的には好ましいとは思うが。  
「いいえ、涼宮さんは関係ないです。あたしの気まぐれ」  
うれしい気まぐれもあったもんだ。しかしあんまり朝比奈さんらしくないな。  
今だって耳が赤いし、両手は上着の裾を握りしめてもじもじとしている。  
何か無理しているような。  
「あ、今お茶煎れますね」  
「すみません」  
俺は机にカバンを置き座る。が、視線は朝比奈さんの後ろ姿に釘付け。  
正確にはブルマーに釘付け。  
はち切れそうな丸い尻。実にいい。  
俺も健全な肉体を持つ高校生。こんないいものを見せられては妄想が膨らむ。  
俺の脳内では恥じらいを浮かべた朝比奈さんが後ろを向き、ブルマーを脱ぎ始めた。  
どんどん妄想が膨らむ。  
もじもじと動く尻を存分に視姦した後、俺は妙なことに気づいた。  
朝比奈さんの着ている体操服が妙に窮屈に見える。  
朝比奈さんがグラマーなのはわかりきったことだが、それにしてもおかしい。  
胸の形がはっきり分かる上に圧迫されているように見える。  
……重要なことに気づいた。  
朝比奈さん、  
 「ノ ー ブ ラ 」  
だ。  
なんでだ?  
ずいぶんと時間をかけて朝比奈さんはお茶を出してくれた。顔が赤い。  
 
「どうぞ。今日は冷たいお茶にしてみたんですよ」  
前屈みになった朝比奈さんの胸がぶるん、と揺れた。  
ごくり。  
「あ、ああどうも、ありがとうございます」  
俺は視線に気づかれないようにあわててお茶を飲む。  
味もなにもわからん。  
「そ、そう言えばハルヒたちはどうしたんです?」  
俺、あわてて話題を変える。  
「涼宮さんは先生に呼ばれたとかで、まだ来てません。古泉君はバイトの打ち合わせだとか言ってました。長門さんは知りません」  
「そうですか」  
話を合わせるが俺の思考は二つの丸いものに捕らわれて、朝比奈さんの声は耳を素通り。  
「……」  
「……」  
室内の雰囲気が変だ。何というかピンク色?  
俺は「やりたい光線」を放っている自分を自覚し、朝比奈さんは「むらむら光線」を放射中。  
朝比奈さんお盆を持ったまま、お茶を飲む俺を潤んだ目で見つめている。  
俺は朝比奈さんのそんな様子に気づかないふりをしながらお茶を飲む。  
……空になってしまった。  
「お代わりどうぞ」  
「あ、ああ、すいませんね」  
また、二つの物体が接近遭遇。  
ぶるん。  
何とかしてくれー!  
「あ、朝比奈さん、そ、その体操服変じゃないですか?」  
俺は意を決して聞いた。  
「これですか?ええ、あたしのじゃないんです」  
「えっ?」  
「他のクラスの人から借りたんです。今日体育がなかったから。ちょっと小さくて」  
と、いいながら朝比奈さんは両手を組んだ。胸が押し出されて強調される。  
……乳首、勃ってますが。  
「何でまた、そんな」  
「……」  
朝比奈さんは俺をじっと見つめた後、意を決したように扉に向かい、鍵をかけた。  
え?  
「キョン君、お願いがあります」  
思い詰めた声で、朝比奈さんは言った。  
 
「あたしを抱いてください!」  
 
テトの攻勢前のダナンのような沈黙が落ちた。  
「どういう事ですか」  
朝比奈さんは泣き出しそうな声でぽつぽつと語った。  
朝比奈さんの上司のような人(禁則事項)から俺と性的な交渉を持て、と指令が来たこと。  
理由は極秘、さらにそれはなるべく過激な行為がいいこと。  
なるべく相手(俺だ)の同意を取り付けること。  
今回の件は強制コードなので、拒否は不可能なことなど。  
「だから、キョン君が断っても私はそうなるようにしなければいけないんです……」  
「俺が絶対嫌だって言ったらどうなるんですか?」  
「強制的な手段を……」  
「……」  
どんな方法なんだろうね。薬でも使うのか?  
「お願いです」  
そう言われても。  
「まだあたしは強制コードで行動していません。今キョン君が断ったらあたしは自分の意志とは関係ない形で行動するようになります。そういう風に条件付けされていますから」  
ひどいな。  
「だからお願い。抱いてください。私の意志で動けるうちに」  
朝比奈さんはもう完全に泣いていた。無理もない。  
「涼宮さんはしばらく帰ってきません。そうしましたから」  
「わかりました」  
これで断ったらもう男じゃないよな。性的な意味でも。  
「……ありがとう」  
「ところで一つ聞きたいんですが」  
「何でしょう?」  
「何で体操服なんですか?」  
「ええと、鶴屋さんに相談したらこれがいいって」  
はあ?  
「男性にアプローチするとき、あたしならどんな服装がいいか聞いたんです」  
はあ。  
「そうしたら『みくるはおっぱいもお尻も大きいからぴちぴちのブルマーで迫れば一発さっ!』って」  
……鶴屋さんあなたなんてことを。冗談だったんでしょうけど。  
「具体的なことが分からなかったんで学校の帰りにビデオ屋さんで聞いてみたんです」  
どこのですか。  
「商店街の外れのいっぱいのぼりが店の前に立っているところ」  
それアダルトビデオの専門店ですよ、朝比奈さん。  
「お店のおじさんに聞いたらこれがいいんじゃないかって出してきてくれたのが何本かあって」  
あの親父なんてことしやがる。  
朝比奈さん妙に生真面目だからなあ。それが悪い方に働いちまったか。  
「ビデオでやってたことは全部出来るようにがんばります!」  
朝比奈さんは胸の前で両手の拳を握りしめた。  
いや、だから。  
何か意欲が壮絶に空転してるよなあ、この人。それと胸が(物理的に)あふれてますよ。  
「お願いします……」  
何か覚悟したように朝比奈さんは俺にお辞儀をする。可愛いけど何かずれている。  
朝比奈さんは体操服を胸の上までまくり上げた。圧迫されていた胸が飛び出す。  
ブルマーに手をかけ、ゆっくりとずり下げる。  
片足を抜き、下着ごと片方の膝に引っかけたまま朝比奈さんは後ろを向いた。  
目眩がした。  
 
……  
 
目の前に白い尻がある。  
朝比奈さんの尻だ。  
部室の机に両肘を曲げて置き、上半身をかぶせるように前屈みになっている。  
赤いブルマーが下着ごと片足の膝に引っかかっている。赤いブルマーと対照的な朝比奈さんの白い尻。  
俺は朝比奈さんの尻に手を伸ばす。  
慈しむかのように両手でなでる。  
「あ……」  
朝比奈さんは、ぴくりと尻を震わせる。  
俺はかがみ込み尻にキス。  
朝比奈さんの尻からは化粧石鹸の香りとブルマーで蒸れた汗の匂いがした。  
右手を前から差し込み、秘裂に指を這わせる。ごく浅い茂みをかき分け、鋭敏な中心を指で摘む。  
「ああああっ!」  
とたんに朝比奈さんは大きく腰を震わせる。  
そうっと中指を指し込む。中を優しくこすりあげる。  
「はあっ……」  
熱い。無意識なのだろう、朝比奈さんの中が俺の指を強く締め付ける。  
左手で体操服からはみ出た豊かな胸を刺激する。手のひらからあふれそうなボリューム感。  
この胸をオカズに何人の男子生徒が抜いたことか。……俺もその一人だがな。  
指の間で柔らかなそれをもてあそぶ。硬くなった乳首を指で挟む。  
「ね、キョン君、あたしのおっぱい好き?……」  
潤んだ瞳で振り返った朝比奈さんが聞く。声にあえぎがあるのは俺の指が中をまさぐっているせいだ。  
もちろんですよ。  
「うれしい」  
素直に笑顔を見せる朝比奈さん。可愛いじゃないか。  
 
「おねがい、もう……」  
朝比奈さんは頬を染めて視線を外す。  
分かりました、俺ももう準備完了です。  
俺は指を引き抜く。秘裂から流れ出た愛液が幾筋も太腿を伝う。  
俺は下着ごとズボンを脱ぎ捨てる。  
先端で位置を探る。  
「あ……」  
先端がぬめりの中にわずかに沈む。その刺激に朝比奈さんが声を出す。  
快楽の期待と不安の入り交じった声。  
「いきます」  
俺はゆっくりと腰を進める。  
「あああっ!」  
全体が熱い肉に包まれた。柔らかく適度な締め付け。先端から伝わる刺激で俺は全身が震える。  
「あ、ああっ、キョン君もっと動いていいんですよ?……あたしなら大丈夫ですから」  
そんなあえぎながら耐えるような声で言われても。……興奮するじゃないですか。  
お言葉に甘えて、俺は腰の動きを早める。  
左手を腰に、右手を豊かな胸に這わせる。ぎりぎりまで腰を引き、一気に突き挿れる。  
「はぁっ!」  
耐えきれないように朝比奈さんの声も荒くなる。俺の腰の動きに合わせて甘い声が混じる。  
俺は両手を朝比奈さんの尻に回す。大きく肉をつかみ広げる。  
興奮に蠢く菊座が見える。俺が突き挿れると朝比奈さんがあえぎ、菊座も収縮する。  
凄まじくエロチックな眺めだ。  
俺は尻をもてあそぶかのようにこね回す。  
「あっキョンくぅん……お尻で遊ばないでぇ……」  
そんなこと言われると……もっと遊びたくなるじゃないですか。  
朝比奈さんの中の肉が俺にまとわりついてくる。  
腰を引くたびに朝比奈さんの中から湧き出る白濁した愛液と、盛り上がる肉がいやらしく粘つくような音を立てる。  
さすがにもう限界だ。  
「ああっ、キョン君おねがい中に出して……大丈夫だから……」  
え、朝比奈さん?  
「本当に大丈夫、おねがい……」  
俺はもう、それに返答する余裕すらなかった。  
わき上がる快感に身をゆだねる。腰の奥から全身を揺るがす刺激。  
「朝比奈さん」  
「うん、出して……」  
俺は思いっきり突き込む。朝比奈さんの奥がひくひくと収縮する。同時に俺は射精した。  
「ああああっ!」  
朝比奈さんは声を上げる。俺の先端から放出された精液を朝比奈さんの奥がが逃すまいと吸い上げる。  
 
放出された精液が中を満たす暖かさと、朝比奈さんの中の動きが途方もない快感を生み出す。  
俺は朝比奈さんの体を後ろから抱きしめる。  
朝比奈さんの中はひくひくと何度も痙攣するように俺を締め上げた。  
俺は朝比奈さんの唇をおもいっきり貪る。朝比奈さんもまた舌を絡めてきた。  
朝比奈さんの豊かな胸をまさぐりながら俺は放出した。  
 
ゆっくりと俺は朝比奈さんの中から引き抜く。  
今出したばかりだというのに萎える気配すらない。水音を立てて抜かれた俺の先端から、白い粘液がたれる。  
朝比奈さんは机に体を預けてあえいでいる。  
朝比奈さんの中から流れ出た俺の精液が愛液と混じり合い、床にしたたり落ちる。  
「……キョン君、まだ大丈夫でしょう?」  
ええ、まだ余裕がありますが。  
「……後ろ使って」  
え。  
「ビデオで見たの。男の人ってお尻の穴使うの好きなんでしょう?」  
あ、ああ朝比奈さん。  
「ええと、大丈夫。後ろきちんと洗浄してきたから。ちょっと大変だったけど。えねま何とかって言う器具」  
恥じらいながら言う朝比奈さん。  
俺は一人で腸内洗浄している朝比奈さんを想像してぶっ倒れそうになった。  
ビデオ屋の親父、朝比奈さんになに見せたんだー!  
「嫌じゃなかったら……」  
まだ荒い息をつきながら朝比奈さんは両手でお尻を広げて突きだした。  
さっき俺が放出した精液が朝比奈さんの中から流れ出ている。  
その上でひくひくと蠢く朝比奈さんの肛門。  
……俺はふらふらと朝比奈さんの尻に手をかけた。  
「そうっとね、初めてだし」  
垂れた粘液をすくい上げ朝比奈さんの菊座に塗りつける。蠢くそこに俺は先端をあてがった。  
「挿れますよ」  
「うん……来て」  
ゆっくりと腰を進める。強い抵抗があり、それがつるりと抜けた。  
「あああああっ!」  
……入った。  
中は前よりも緩やかだが、入り口の締め付けが強い。根本を輪のように締め付ける感触。  
たくし上げられ、背中が剥き出しになった体操服。そこから流れる優美なライン。  
豊かな胸が朝比奈さんが動くたびに揺れる。  
ACコブラやディーノ206GTすらこの曲線美にはかなわないだろう。  
背中から下へ向かうラインが広がり、柔らかに膨らむ。その末端に俺の肉棒が突き立った朝比奈さんの肛門がある。  
「はっ、はあっ……」  
 
荒い息をつく朝比奈さん。  
「大丈夫ですか」  
「うん、ゆっくりなら痛くないし。ね、動いて……」  
俺はゆっくりと動く。いったん引き抜き、またつるりと挿れる。  
「あっ……」  
その出入りする動きが快感に繋がるらしく、朝比奈さんが声を上げる。  
俺は粘液に濡れた朝比奈さんのクリトリスを刺激する。  
「あっ、そんな急に」  
そのとたん後ろの締め付けがきつくなった。  
俺は朝比奈さんの尻を大きく広げ、先端を擦るように出し入れする。  
「ああっ、キョン君もうあたし駄目……」  
「ええ、また一緒にイきましょう」  
俺は朝比奈さんを気遣いながら動きを早めた。  
限界だ。  
「イきます」  
「うん、出して……」  
俺は朝比奈さんの直腸に思いっきり射精した。  
俺を強い締め付けが襲う。その刺激にまた俺は射精する。  
「んんんっ!」  
歯を食いしばって耐えるような声を出す朝比奈さん。俺は尻から手を放して小柄な朝比奈さんの上半身を強く抱きしめた。  
 
朝比奈さんの中はあまりにも心地よく俺は体を離すことが出来なかった。  
それが悪かった。  
ドアががたがたと音を立てた。  
「あれ、鍵かかってるわよ」  
うわ、ハルヒだ。  
「あ、朝比奈さん」  
「えええっ、まだ戻ってこないはずなのに」  
あわてて体を離し服を着ようとする俺達。  
だが、間に合わなかった。  
「あら、有希あなたどこにいたの?」  
ハルヒが長門に話しかけている。  
「え、開くの?」  
その声と共にドアが開けられた。  
入り口に立っているハルヒと長門。  
体操服を胸の上までたくし上げ、おっぱい丸出し、膝にブルマを引っかけて立っている朝比奈さん。  
ちんこ丸出しで突っ立っている、俺。  
床には俺が出しまくった精液のしずく。  
ハルヒは目を思いっきり見開いて俺達を見た。  
次に血の気が引き顔面が蒼白になった。まずい、倒れたりしないだろうな。  
しかしそれは杞憂だった。  
引いた血の気が瞬く間に戻り、激怒の表情になる。  
うわ、やばい。  
どかどかと足音を立てて入ってきたハルヒは俺のネクタイをつかみ、ドスのきいた声で言った。  
「説明しろ」  
しなさい、で無いところが怖い。  
「あああ、あのあの涼宮さん……」  
殺気、と言うより殺意のこもった視線を朝比奈さんに向けるハルヒ。  
朝比奈さんはその視線を浴びて、沈黙。  
俺は高価な魚雷はたくさんあるのにバッテリーを直結する針金が見つからない潜水艦乗組員の気分で周囲に助けを探した。  
長門と目が合う。  
長門助けてくれ。  
長門は俺をダークマターのような目で見つめていった。  
「修羅場」  
 

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