寒冷の時機到来と言いたげに微弱の静電気を放ち俺を驚かせた手を凍らせるような  
ドアノブを握り締めながら、ああもうこんな時期なのか、あの多くの民族に認められ世界で  
大いに盛り上げられる文化あの一二月二五日に行われるクリスマスが近いんだなと思いを馳せる。  
そしてあのハルヒはこの手のイベントを更に盛り上げようとし、この俺の財布の聖徳太子様を湯水  
のように流させるのだろう、いや諭吉かもしれん。うむ、みんなで集まり冬といえば鍋ははずせないだろう。  
石狩鍋、ハリハリ鍋、きりたんぽ鍋、と多種多様色々なもんがあるわけだが雑多な野菜と豆腐、細切れ肉だけを  
使いポン酢ででも食うのが一番俺は好みなんだがなと食欲で理不尽な思いを抑えノブを廻し部室へと入った。  
視界の隅には俺が一昨日調達してきたヒーターがありその横にはいつものように厚く重そうなハードカバー  
小説を読む長門。おまえそれ何秒で読めるんだと言いたくなるような速さでページを繰る手つきが目に入る。  
それにしても早いな、本当に読んでるのか・・・?そしてハルヒよおまえは何故バニーガールなんだ。寒いだろうに。  
いや今更ツッコむのもやめておこう。やれやれ、と俺は定位置の対古泉席へと座った。それにしても今日は静かなもんだ。  
朝比奈さんも古泉もまぁそろそろ来るだろうけども。朝比奈さんお手製のこの肌寒さを飛ばす暖かいお茶が早く飲みたい  
もんだと俺は気だるげにうつぶせにつっぷし目を瞑った。  
 
・・・映画制作第二弾の脚本をカタカタとハルヒが夢中にキーをタイプする音を耳に聞きながらまどろみ、  
このまま寝てしまうか、まあそれでもいいかと思っていると肩にトントンとつつくような感触が。なんだ?と思い  
顔を上げ横を見るとハードカバーを持ち佇む長門がいて俺をじっと見つめていた。なんなんだ?  
「椅子を少し後退」  
何故そんなことをしなければいけないのだろうか。俺は眉をひそめるもののまあ長門の言う事だ従っておこう、と  
後ろに席を少しずらし、これでどうだと注文をしてきたお方を見る前に長門は俺の膝の上へ流れるようにすっと座り本を読み始めた。  
一体どういうことなのか長門の意図は解らないが俺の頭では確実にまずいことになる、の一点張りで考えてなどいられない。  
ここで騒いだらそのあちらのほうでPCの画面で顔は見えないが集中しているであろう奴を巻き込んで色々とまずいことになるだろう  
ことは明白なのは確実だ。俺は押し黙った。その細く華奢でいい匂いのする体を腿と胸に感じ、更に気まずさを増幅させる。  
「キョン、次の映画なんだけど、もうちょっと派手にいきたいと思ってるのよ。そうね・・・例えばみくるちゃんが空を飛ぶシーンがあるから  
この辺りどうにかもっと綺麗に演出して欲しいものだわ」  
「ま、任せろ」  
まずいと思いながらも片言になってしまう、が奴は集中しているらしい気づかれてはいない。CG演出などこの今の状況を覆す事よりも  
本当に簡単なことだろう。長門は相変わらず膝の上でぺらぺらと通常スピードと思われる速さで本を読んでいるので俺も一緒に  
読み始めるかなっと思うわけがな、こ、こらっモゾモゾと体を動かしだして、座り心地が悪いのか股にお尻を押し付けるように  
ぐいぐいと摩擦させ、やめ--  
 
「いや、遅くなってすみません。それにしても寒いですね・・・おや?」  
爽やかな笑顔を振りまきながらそう古泉は部室へと入場してきたが、すぐにその顔はどこか酔狂な物を見る目で口を噤んだ。  
言いたいことは解る。だが今はやめてくれ。  
「小泉君も来た、っと。後はみくるちゃんだけね。みんな来たら次回の映画内容見てもらうから」  
ハルヒは古泉の登場にも目を向けずカタカタと作業の続きをしている。古泉はそのままいつもの定位置俺の前、  
要するに長門と俺の前に座った。片手で席の横に置いてあった野球ゲームを机の上に置きやりませんか?とでも目で伝えてきた。  
パラパラとページを捲る音がする中、どうにかなってしまったのか俺はそのまま野球ゲームを開始。  
しばらく野球ゲームのプラスチックの音とキーを叩く音が響き、結果は古泉が勝ち俺は負けた。とてもやりづらい。  
二回戦目に突入しようとすると気になっていたのか長門はすっと小説を横に置き古泉と野球ゲームでパチパチと対決開始。  
野球盤の上の古泉投手は振りかぶる。来るぜ長門見逃すな・・・今だ打て!長門そこだ!その瞬間バチュンっという異音が聞こえた。  
向こう側の盤の柵を見ると小さな穴が開き煙が立ち昇り向こう側に貫通している跡が見えた。  
古泉は笑顔のままでその体は微動だにしない。やっぱ強えーぜ長門よ。生きてるよな?古泉。  
 
「遅くなりました〜〜〜ぁぁああ!?」  
朝比奈さん来た。ん?  
「えっ?何どうしたの!?・・・へ?何で有希キョンの上に乗っ・・・ちょっとちょっと!」  
そういえばそうであった。ハルヒは朝比奈さんの奇声に驚き俺の有様に気づいたようだ。無表情に膝の上に居座る  
長門をぐいぐいと引っ張りいつもの定位置に移動させようと連れて行く。俺は段々と冷静さを取り戻す。ま、まずい。  
「有希らしくないじゃない。ゆ、有希はそこで本を読んでることっ!キョンが強制したんでしょ!この馬鹿っ!!」  
いや、俺が言ったんじゃないんだが。もう事を荒げたくないので反論はしないでおく。ハルヒは憤然とした様子で  
あわあわと騒いでる朝比奈さんにお茶を要求し団長席へ戻った、が何かイラついているらしい、響いていた音は聞こえなくなっている。  
そこまで怒られなかった訳で後でどう響いてくるのか心配にもなったのだが俺も咽喉の渇きを覚え朝比奈さんに  
お茶をお願いしますと横を向き頼む。  
「わかりました〜〜〜ぁぁああ!?」  
いったい今度はなんなんだと、周りを見渡すと長門がおらず、脚に違和感また長門が居座っている。  
「ちょっとアンタ達何のつもりなのよ!有希!あれでしょキョンに命令されてるんでしょ!もうしなくていいから!  
古泉君も注意しなさい!こんなのおかしいわ!」  
席をふっ飛ばし立ち上がりながらハルヒはそう言った。俺は命令などしていないんだが。古泉は・・・。  
「体調が悪い」  
長門はそう言うと自分の席へ移動し椅子と上着を持ち俺の椅子の横へくっつくようにし、そのまま座り俺の膝の上へ  
頭をこてんと倒してズルズルと上着を頭にかぶせ寝た。皆呆然とし、しばらくし俺は居た堪れなくなり野球ゲームの  
バットを無意味に振りまくる。ハルヒは口を震わせながらおずおずと席を戻し  
「わっわけわかんないわ!!もっもう!」  
と勢いよく座った。俺もわからん。  
朝比奈さんはお茶の準備が完了したのか、そろりそろりとハルヒに近づきお茶ですと控えめに机に置き、  
俺の席にもお茶をそれ以上に控えめに置いて古泉の席にお茶を置こうとした瞬間つんのめる様に  
「ぅわあ!?」  
ぶわしゃああと古泉を濡れ鼠にした。  
「・・・あれ?相変わらず結構なお手前ですね。毎度毎度有難うございます」  
 
お茶も滴るいい男になった古泉は生き返ったようで万事解決。  
「ごっごめんなさい!ごめんなさい!!で、でも今何か足に引っかかった、ような・・・」  
まさか、いやそんなことするはずはないだろう。俺は一つの考えを振り払う。長門は静かに俺の膝の上で休んでいる。  
「いえ、気にしてませんよ。出来ればもう一杯お茶を淹れて下さると嬉しいです」  
古泉は何も気にしていないようで、朝比奈さんはすぐにお茶を淹れに向かう。  
ハルヒは惨事に驚きこちらを見たものの一瞬こちらを見てすぐに顔を背けPCの前に座り何かぶつぶつと呟いているようだ。  
途端、股間に突然の違和感を感じだす。もぞもぞとくすぐったく弄られている様な。や、やめろ。  
ジジーーっとチャックを開く音が強く響き前の古泉は俺の表情を伺うように今の音は?と言いたそうに見てきやがった。  
トランクスの上からは手で揉まれている様な感触を感じる。長門が何かやらかしてるとしか思えない。  
「ま、まあ試合の続きだ!ほらまたヤってしまうぞ!さっきの俺の負けはカウントなしだ」  
周りの奴等には今起こっていることは絶対知られてはいけないだろうと、俺は注意を引き付ける。  
う、うぐ。しゅりしゅりと擦る様な刺激を受け俺のモノはどんどんと硬度を増していってしまう。  
 
「お茶です・・・。さっきは本当にごめんなさい」  
朝比奈さんは再度謝り古泉の席へ湯飲みを置いた。普段ならばお側にいて欲しいものだが・・・今だけは近づかないで  
欲しいものだ。出来れば遠くに。上着の隙間からその・・・見えてしまう。朝比奈さんはそのまま俺達がしているゲームを  
見学するように余っていた古泉側の席へ座った。あ、危なかった。俺はゲームに集中する振りをしながら長門の肩辺りを  
やめてくれと何度も揺すってみるが一向にやめてくれる気配はなく、何度か続けていると突然外気にモノを引き出された。  
「うわっ」  
熱く猛るそれをひんやりとした手で弄る感覚を突然受けたもので声を出してしまった。  
古泉、朝比奈さん、ハルヒは当然俺の方を見てどうしたのだ?と言いたそうにこちらを見るが  
「な、なんでもないっちょっとお茶が熱かったんだ」  
と出鼻を挫いておく。古泉、朝比奈さんはそうですかとそのままゲームに目を向けるがハルヒだけは睨んだままこちらを見ていた。  
「なんでもないっ!座れっ」  
ハルヒはまた乱暴にそのまま席に座りキーの音を奏でるわけでもなく何か考えている模様。  
長門の手は竿を指で弄るようにふにふにと心地よさを絶えず与えてきておりこのままだと出させられてしまうんではないだろうかと  
不安になってきてしまう。今この上着の下では長門がモノを引っ張り出し弄くり回しているのかと思ってしまった瞬間完全に  
勃起してしまい長門の顔に跳ね上げるようにぶつけてしまった。や、やべ。  
「どうしました?汗が凄いですよ」  
ああ、そりゃ凄いだろうさ。俺は今かなりマズイ事になってるんだからなとは言えないわけで無視してバットを振る。  
「ほっほんとですね、暖房弱めましょうか〜?」  
「ああ、頼みます・・・今暑いんで、すっ!?う」  
口内に含まれる感触がし、声が裏返ってしまった。  
そこまでするとは、お、俺は長門を舐めていた。いや長門は舐めていた。  
「だいじょぶですかっ?汗を拭きますよーーおにゅーのハンカチですよ」  
ハンカチを持ちながら朝比奈さんは俺に近づいてきた。  
「やめ、こ、こないでっ!きょ、今日はいいですから」  
拒否しながらもこのままでは股間の違和感は激しくなり、このままだと音が漏れ出してしまうんじゃないだろうか心配になる。  
長門はキスを何度もするように亀頭の先端辺りを口付けたり離したりを繰り返しているようだ。これはまずい。  
俺は三人から見えない位置腹側の左の上着の裾を少し上げ中を見てみた。長門はいつもの無表情に  
少し愛しそうな表情をしながら裏筋を舐め上げていて横目でこちらを見てき・・・その瞬間ばっと俺は上着を  
戻し机に向かい野球ゲームに集中する。長門が痴態を晒しそれを隠す上着に汗をぽたぽたと垂らしながら後悔をする。  
く・・・。な・・・何か激しくなってきた。  
「じゅる、ちゅ、れろ、ぢゅぅぅ・・・はふ、ちゅっ」  
「・・・ゔは!なぁなあ!次はトランプがいいっかもしれない・・・!」  
激しく聞こえてくる音を隠すように言葉を被せる。  
「・・・っちゅ、はぶ、ぢぅるるるる」  
「・・・俺はブジャックジャックゥハッ!はつよっい!?いぜぇ」  
 
何か奪うように吸い付き搾り出そうとしているような激しい熱さを感じながらなんとか言う。  
「どうしましたか?」  
「ちゅ、れるれる、ぢゅぅぅぅぅぅぅぅぅ」  
なっなんかみんな見てるぞ!押し通るべきだ・・・。で、出そう・・・・・・や、やばい。  
「何か変な音しない・・・?」  
「ぁ!朝比奈さんとらっトランプ早くっ持ってきてくださぃ!」  
「ぷはっ・・・はぁ、はぶっちぅうゅうぅぅう」  
最後の攻めで俺は出してしまった。たぶん皆に聞こえてしまっただろう。な、なんでっこんな目に。  
ごくごくと精液を嚥下していく感触を感じながら俺はもう終わったな、と静かに前のめりにゲーム盤の上に崩れ落ちた。  
「どっどうしたんですか!キョン君大丈夫ですか!?」  
「へ、変な音が聞こえたわっちょっと有希、どいて!」  
周りで何か騒いでるが俺にはもう理解出来ない。しばらくすると俺の膝の上は軽くなった。  
「な、何だったのかしら。有希が・・・何かしてると思ってたんだけど」  
・・・?何が起こってるのか解らない。俺のチャックは・・・閉まってた。お、俺は救われたようだ。  
た、助かった!長門はどうやらそこまで皆に痴態を見せ付けるような真似はしないつもりだったらしい。  
とんでもないことをしてくれたもんだ。長門よ。まぁバレなかったのなら良かった・・・。?  
長門はハルヒの側に立ち口をもごもごさせながら何か言ってる。  
「・・・あなたにこの人はあげない」  
「・・・え?何、言ってるの・・・よ。有希!」  
長門はハルヒの足元に口から「ぺっ」と精液を吐いた。  
それは宣戦布告。  
 
                                                                終わり  
 
 

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