今日もわたしは理不尽な暴力を受け続けている。
家のせいで人に避けられ、友達のいないわたしに初めて優しくしてくれた人に。
わたしは舞い上がった。ある日突然奴隷になれと言われた時はさすがに
混乱したが、でも、初めての友達―今もそう思っている―に嫌われたくなかった。
そして、わたしは朝比奈みくるの奴隷になった。もう一年以上前のことだ。
あの頃は平和だったと思う。少なくとも暴力を振るわれるということは無かった。
野球大会の助っ人として呼ばれた日、命令で無理矢理普段とは百八十度
違う性格を演じさせられ、精神も肉体もボロボロになったこの日、わたしは彼と出会った。
彼女がよく話していた通り、最初はぶっきらぼうでどこかとっつきにくそうだったが、
会話や行動を見ていくうちに細やかな気遣いができる人だということが分かった。
わたしは、彼ともっと話したいと思った。
解散した後、わたしは彼女に物陰へ連れて行かれ、何度もお腹を蹴られた。
彼女はわたしがキョンくんに色目を使ってたからだと言った。
抵抗しようと思えばできた。でも、わたしは抵抗をしなかった。
その日、わたしは帰ってすぐに浴室へ行き、内出血を起こしている腹部を擦りながら
彼との会話を思い出した。そして、一人泣いた。