66 名前: 投稿日:2012/11/12(月) 23:30:17.01 ID:CliIpJlx 
「ねえ、キョン」  
「なんだ、ハルヒ」  
 少し騒がしい朝の教室で俺は振り返ってハルヒを見た。  
ハルヒは自分から呼んだくせに髪をくるくるといじりながらそっぽを向いていた、少し不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか。本当は俺の態度なんだがな、それは。  
 俺はため息をついてもう一度ハルヒに言う。  
「なんだ、ハルヒ」  
 ハルヒはちらりと俺を見るとまた目を背ける。  
「……なんでもない」  
「……そうかい」  
 まあいいさ、ハルヒの気まぐれなんて慣れっこだ。まあ、ひっかかるところはあるが何かあれば言うだろうさ。  
 俺は前に向き直るとカバンの中から教科書やらなんやらをだして机に突っ込む。入らないじゃないか。たまには置き勉もへらすべきかもしれん。  
「あのさ」  
 俺が悪戦苦闘しているとまたハルヒが俺に言った。俺は入らない教科書を机の上においてハルヒを見る。  
「なんだ、ハルヒ」  
 今日三回目の同じ言葉を俺はハルヒに向ける。これで最後にしてもらいたいね。  
「あのさ」  
 歯切れ悪くハルヒは繰り返してくる、俺にはハルヒがここまで煮え切らない態度をとってくる記憶がちょっとないな。また閉鎖空間がどうのとか俺が二つに分かれたりとかするんじゃないだろうな、今日は雨だから勘弁してほしいね。  
「あんたのその、友達は、今どうしてるの?」  
「友達?国木田や谷口のことか。どうも何もないだろう。別に学校を休んでいるわけでもない」  
 というよりも何度か会ったり映画撮ったりしているのだから覚えてやれよ、ハルヒ。  
 そう俺が心の中でため息をついていると、ハルヒは少し眉を上げて怒るように俺を睨んだ。  
「違うわよ。そもそもそいつらは何度も会っているじゃないの。あいつ、いや、あ、あの子のことよこの前SOS団で街に行ったときに会った」  
「あっ佐々木のことか」  
「そ、そうよ。たしかそんな名前だったでしょ」  
 「友達」とか言われるからわからなかった。「親友」なら該当者は一人しかいないのだが。  
「どうしてるもなにも、わからないな。そう頻繁に会っているわけでもないんだ」  
「そう」  
 ハルヒはそれだけ言うとまたそっぽを向いてしまった。なんなんだ全く。  
「そういえば佐々木とはこの前公園で話したっきりだな、なにしてるのか俺が知りたいくらいだ」  
 誰に言ったわけでもない。唯思ったことを口に出しただけだ。実際のところ佐々木とは連絡は取り合っているわけではない、やれやれ親友失格かね。  
「キョン」  
 
 いつの間にかハルヒが立ち上がって俺を見下ろしていた。  
「なんだよ、ハルヒ」  
 一文字だけ加えた今日4回目の返答を返す。  
「なんでも……ないわ」   
 ハルヒはいきなり踵を返すとそのまま教室から出て行った。  
 俺はあっけにとられたがハルヒのことだ、部活の時間にはケロリとしているだろう。まあ、小泉には報告しておくか。  
 外は雨が降っている。傘を忘れてしまったことが悔やまれるな。  
 
「公園……しらない……」  
 廊下を歩く彼女の心は暗い、その暗さは空を暗くすることを彼女は知らない。  
 
「佐々木さーん」  
「やあ、橘さん。時間通りだね」  
 佐々木は雨の中走ってくる橘に微笑みかけた。彼女は駅の屋根の下にいた。午前中だからか人は少ない。  
「ぎ、ぎりぎりなんで走ってきました」  
 はあはあと荒い息を吐く橘は傘をたたんで少し降る。  
「そんなに急がなくよかったのに。僕も今着いたばかりだからね」  
「えっ」  
 橘は目を丸くして佐々木を見た。  
「佐々木さん。口調が」  
「ん?僕のしゃべり方がおかしいかい。……あっ」  
 佐々木はくっくっと笑って。  
「無意識に言ってしまったよ。でも今日はなんとなくこちらの方がしっくりくるようだね」  
 嫌かい?と佐々木は橘に問いかける。橘はぶんぶんと首を横に振る。  
「そんなことありません」  
「ありがとう。じゃあ僕は一日このままでいようかな。全く、急な休校とはいえ学業が本分の学生の身分で遊びに行こうとしたのが祟ったのかな」  
 やれやれと佐々木は肩をすくめる。  
 彼女の言った通り。今日、佐々木の通う高校は突然休校になった。理由は分からない。本当に突然だった。佐々木がそれを知ったのも高校に着いてからだ。  
 その為か彼女はブレザーとチャックのスカート。つまり制服のままだ。  
「たまには大丈夫ですよ。佐々木さんは頭いいですし」  
 そういう橘は黄色をベースにした上着に白いスカート。彼女もまた高校が急な休みになっていた。知ったのは家である。  
「そんなことはないよ。僕は凡人さ。いつもテストの結果が気になるし。勉強を一日でもしないと不安でしかたない小市民さ」  
 それにと佐々木は続けようとして。  
   
 バチ  
 
「?」  
「?」  
 いきなりの音に二人は顔を見合わせた。 あたりを見回してみても特に変わったところはない。  
 
「なんでしょうか今の音は」  
 橘はきょとんとした顔で佐々木に問いかけた。  
「さあ、結構大きな音だったね……」  
 瞬間、佐々木の顔が強張っていった。片方の頬を釣りあげて、ひくひくと顔を動かす。  
「ど、どうしたんですか佐々木さん」  
「い、いや。なんでもないよ。わ、悪いのだけれど橘さん。ちょっとお手洗いにいってもい、いいかな」  
 なんでもないと佐々木は言ったが、うろたえていることが傍目にもわかった。  
「大丈夫ですか、顔が青いですよ」  
「だいじょうぶ……」  
 橘はそんな弱々しい佐々木の姿を見たことがなかった。佐々木はスカートを抑えてトイレに行こうとしているのだが少し歩いては戻ってきてしまう。  
「佐々木さん。本当に大丈夫?」  
「ああ、大丈夫だよ」  
 そこに雨の中から走ってきたサラリーマンがドンと佐々木に当たった。  
「へっ?」  
 佐々木がすっ頓狂な声を出してよろけた。ごめんなさいとサラリーマンが振り返った。  
「あっ」  
「うわっ」  
 橘とサラリーマンが同時に声を出す。  
 佐々木のスカートの下。その太ももに、よれた青いパンツが引っ掛かっていた。  
 
 口に入れたストローから音を出して、佐々木はジュースをすすった。  
 ここはとあるファーストフード店。佐々木は一人で壁際の席に座っていた。橘の姿はない、彼女は少し席を外していた。  
 佐々木は手に持ったコップを置いて、頭を抱えた。  
「……」  
 言うべき言葉もない。あそこまで無様な姿を他人に見せたことはない。それよりも佐々木も少女としての純粋な羞恥心が彼女の顔を赤くした。  
 いきなりパンツのゴムが切れる。そんなことがあり得るとは今の今まで佐々木は考えたこともなかった。  
 しかし、実際に起こった。それも駅の真ん中で。  
 佐々木は頭を振った。考えるよりも「あの時」の光景が思い出されるたび、反射的に体が動いてしまう。  
「さ、佐々木さん……」  
 佐々木がゆっくりと顔を上げる。そこには橘がおずおずとした足取りで近寄ってきた。顔は暗い。橘は佐々木を尊敬している、  
そんな人間の落ち込んでる姿は気持ちのいいものではない。  
「ああ……悪いね。手間をかけさせて」  
 佐々木はくっくと自嘲するように笑った。無理に笑っているのは橘にもわかった。  
「じゃあ……橘さん。その、すぐに」  
 佐々木が何かを求めるように両手を出した。  
 
「ご、ごめんなさい」  
 橘がいきなり頭を下げた。  
 実は橘は佐々木をここにおいてから替えの下着を買いに行っていた。そんな橘が手ぶらで謝る。佐々木には悪い予感しかしない。彼女は声を抑えて聞いた。  
「どう……したんだい?」  
「そ、それが」  
 どこに行ってもパンツが売っていなかった。そう橘は言った。  
 佐々木がパクパクと口を動かした。ありえないだろう。そう声に出しそうになってしまった。  
「100円ショップとかにも、行ってくれたかい……」  
 絞り出すような声で佐々木は聞く。あまりの理不尽に橘をせめてしまいそうになったのを抑えたのだ。  
「は、はい。どごにも、なぐて」  
 橘は泣き出してしまった。佐々木を尊敬する彼女には、佐々木のことが自分のことのように悲しいのだろうその上、自分が役に立たなかったで悲しみが増し。あふれてしまった。  
 佐々木があわてて言う。  
「ごめんよ橘さん。僕は、その……ごめんよ……」  
 橘は雨に濡れてびしょ濡れになっていた。それだけで彼女が必死に探してくれたことがわかるだろう。だがいつも冷静な佐々木がそれに今気づき、しかもただ謝ることしかできない。  
 二人にはもう余裕がなかった。  
 佐々木は無意識に立ち上がって橘に近寄った。彼女をを慰めようとしたのだ。  
   
「スカートめーくり」  
 
 急に近寄ってきた野球帽をかぶった少年が、佐々木のスカートに手をかけてめくり上げた。  
 ふわりと舞い上がったスカートとまたずり落ちたパンツが少年の顔を輝かせた。一瞬少年の目に白いお尻が移った。  
「なっ?」  
 急いで佐々木がスカートを抑え、その上からパンツをそれ以上落ちないようにと掴む。  
 少年はたたっと離れて、興奮した声を残して去って行った。  
「こ、こんな。こんな、ことが。こんな、う、え」  
 佐々木の頬を大粒の涙が流れた。  
   
 パンツのゴムがいきなり切れ、どこにもその替えがなく。しかも何の脈絡もなくスカートをめくられる。  
 ありえない。と佐々木は口を動かした。声は出さない、いや出す気すら起こらない。  
「佐々木さん。シャワーに入りますか」  
 橘はドアノブに手をかけて、佐々木を振り返った。明るくしようとしているのか無理に笑う。  
「うん、そうしようかな」  
 
 佐々木も笑った。乾いた笑い。  
 今二人は橘のマンション。その部屋の前にいた。  
 ファーストフード店での一件で泣き出した佐々木を何とか橘がなだめて、ここに誘導したのだ。心の傷はともかく、少なくともパンツやその他の外的要因はこれで解決できるだろう。  
「あれ」  
 橘はドアノブが何の抵抗もなく回って開いたことに疑問を感じた。  
「鍵……かけ忘れてたかな?」  
 首を傾げる橘に佐々木が声をかけた。  
「どうか……したのかい?」  
「あっ、いえ。別にたいしたことじゃないです」  
 かけ忘れたのだろう。そう思って橘は部屋の中に佐々木を招き入れた。  
   
 中は女の子らしく明るい色合い部屋だった。  
「今、着替え用意しますから。先にシャワー浴びてもらっていいですよ」  
 橘の勧めに佐々木はうんと頷いた。  
「あっ、場所はそこのドアなんで」  
 と橘は場所を指で示した。佐々木がまた頷いて、そこに近づいてドアノブに手をひっかけようとして。  
 その前にドアが開いた。  
「俺も、シャワー浴びようかな」  
 そこには男がいた。中肉中背で黒縁のメガネをかけた男。  
「?は」  
 佐々木と橘はあまりのことに固まってしまった。意味が分からない。  
「……だっ誰!」  
 橘があわてて声を出した。声に震えはない、いきなり男が部屋にいて驚かないほどの度胸が橘にはある、のではなく橘の頭の理解力を現実が超えていた。  
「ひどいな、京子たん」  
 男がのっそりと動く。佐々木がはじかれるように橘のところまで下がった。  
「恋人じゃないか」  
「はあ?!」  
 橘は男の言っていることが少しもわからない。こんな男見たことも聞いたこともない。  
「あ、あなたなんて知りません。でて行って」  
 つまるところ男は橘のストーカーだった。男は橘の部屋の鍵を破って中に入ってきたのだった。  
 男がもう一歩近づく。  
「まて。それ以上近付いたら警察を呼ぶ」  
 今度は佐々木が男に言った。彼女は男と橘の話を聞いて、男の正体をぼんやりとつかんだ。これ以上近付かせるのは危険、それが佐々木の出した答えだ。  
 佐々木は片手で携帯を握り。男を睨む。  
 さすがと言うべきか、この窮地に立って佐々木は凛々しい声を出した。先ほどまでの弱々しい姿が嘘のようだった。  
「……君。誰?」  
 男が言った。  
 
「それこそ僕たちのセリフだろう。婦女子の部屋に忍び込んで何をしていたのかは知らないけど。君のやっていることは明らかに犯罪だ」  
「犯罪?京子たんは僕のこと愛しているのに何言っているんだ。お前」  
 ぶるっと橘は体を震わせた。京子というのは彼女の名前だ、それを気味の悪い男に言われただけで気持ちが悪くなる。  
「だから、あなたのことなんて知りません。ほ、本当に出て行って」  
「……」  
 男が動く。  
「動くな。と言ったはずだよ。それにこっちは二人だ。女子だからと言っても警察を呼ぶ時間くらいは稼げる。おとなしく出て行けば、見逃してあげてもいい」  
 男が佐々木を睨んだ。ぎりっと歯をきしらせる。  
「やれよ」  
 そう言った瞬間男が佐々木にとびかかった。  
「がっ」  
 佐々木は男に押し倒されて後ろにあったベットに倒れた。男が佐々木の両手を抑えて降る。佐々木の手から携帯が離れる。  
「佐々木さん!」  
 反射的に橘は佐々木にのしかかる男に両手を突き出すように押した。どけようと思ったのだ。男はびくともしない。  
 男は橘をちらりと見て佐々木に目線を落とした  
「くっ」  
 佐々木は必死に男を押し返そうとしたが、男の手が佐々木の襟をつかんだ。そのまま男は佐々木をベットに押し付ける  
「っ……おとなしくしろよ。いや」  
 男は何か思いついたように。  
「どけてみろよ。俺の手」  
 男は佐々木に言った。そして押し付けるのをやめる。  
 押さえつける力が弱まった反射で、襟をつかんだ男の手を佐々木は外そうとした。橘も弱々しく「攻撃」を加える。  
 佐々木がいくら力をいれても、橘がどれほど押そうと。男は半笑いを浮かべるだけで全く微動だにしなかった。  
「二人ならなんだって?佐々木ちゃん」  
 男が佐々木を引き寄せた。  
 そしてその唇に自分の唇を重ね合わせた。  
「?!!」  
 佐々木の目が開かれ。橘の体が固まる。  
 男は佐々木の唇を味わうようにしつこく自分の唇を押し付けてから、糸を引いて口を離した。  
「う……嘘だ。キョン……」  
 佐々木の声を聞いて、もう一度男は佐々木の唇を奪う。佐々木にはこれが現実だと教えるには十分に過ぎた。先ほどより短く唇を離す。  
「きゃ!」  
 男が橘の腰に手をまわして引き寄せて。  
「お前もな」  
 
 そのまま橘にも口づけをする。  
「むむう」  
 と抵抗しようと橘は動いたが。無駄だった。佐々木の腰を体で押さえ、男は両手で橘の腰と頭を自分に押し付けた。佐々木よりも長くキスした後、男は唇を橘から離す。  
「……」  
 橘も虚ろな目をして男を見た。現実が信じられない、そんな目だった。佐々木はベットに倒れこんで何も言わない。いや彼女も橘と一緒だった。  
「お前ら、弱すぎ」  
 男は勝ち誇ったように言う。ふんと鼻をならしてから佐々木と橘をそれぞれ小脇に抱えこむようにして立ち上がった。いつのまにか男は橘を「お前」と言っていた。  
 佐々木はふらふらと立ち上がらせられる。橘はわずかに抵抗しようとしたが無駄だった。  
「じゃあ、お風呂に入ろうか」  
 男の言葉に佐々木と橘はビクリと体を震わせる。男は二人を抱えたまま歩き出した。佐々木たちはいやとかやめろとか言い、何とか男の戒めから離れようとしたが。  
「よわっ」  
 ははっと男に笑われただけだった。  
 
 風呂場にむりやり佐々木と橘が入れられる。男は橘の肩を掴まえて、座らせて佐々木も同じように座らせた。  
 湯船には水が張っている。もともとシャワーに入る予定だったから沸いてはいない。男は何故か手慣れた手つきで、追い炊きのボタンを見つけて押した。  
「じゃあ。お洋服を脱ごうね」  
「やっ」  
 橘のスカートに男の手がかかった。引っ張る。  
「や、やめて」  
「やめるんだ。ぐっ」  
 邪魔しようとする佐々木を男は軽くあしらい、橘のスカートを脱がそうとする。橘は涙目でスカートの裾を抑えて、必死に脱がされないよう抗ったが。  
「だめだめ」  
 男は片手で橘の両手をまとめて、もう一方の手で橘の白いスカートをと脱がした。  
「やああああ」  
 橘の履いた黄色のストライブが入ったパンツが見えた。真ん中に小さなリボンが付いている。橘の目から大粒の涙が流れた。  
「びっ」   
 男が指を橘のパンツをなぞるように這わせた。男は舌を出して、ぺろりと自分の顔を舐める。舌なめずりをする、というのはまさにこのことなのだろう。  
「わああああああああ」  
 佐々木が渾身の力を込めて男に飛びついた。いきなりのことで男は重心を崩して倒された。  
「い、いまだ。橘さん。逃げてっ!がっ」  
 男の手が佐々木の体を跳ね飛ばす。佐々木は風呂場の壁に体を打ち付けられた、そこに男が肩を抑えるように壁へ佐々木を押し付けた。  
「いたいなあ。佐々木ちゃん。どうせ君も風呂に入るんだからおとなしくしてよ」  
「だっだれがお前なんかとむぐ」  
 
男はまた佐々木にキスをした。そのまま、手を佐々木のスカートの中に入れる。佐々木のパンツを男は下におろした、何故か簡単に降りたことが男には不思議だったがどうでもよかった。  
 佐々木はベルトをきつく締めて、強引にゴムの切れたパンツを固定していたが引っ張られてはもはや意味がなかった。むうむうと佐々木は男を押し返そうとするが、何度目だろう無駄だった。  
 男は佐々木から口を離して、佐々木を抱き上げた。  
「うわ」  
 赤ちゃんのように男に抱かれた佐々木のスカートの下から中に改めて男の手が入り、パンツを掴み。一気に脱がそうとした。  
「やめてええええええ。わ、私の佐々木さんを壊さないでっ」  
 男が驚いて振り返ると。橘が佐々木のように抵抗するでもなく男の服の裾を掴んでいた。その目は男に哀願するように弱々しく、目元には涙を溜めている。  
 橘は尊敬する佐々木がこんな男に嬲られるのがどうしても我慢できなかった。たとえ、自らを犠牲にしてでも。  
 男はその目に食指を動かした。  
「へえ、佐々木ちゃんを助けたいんだね。京子たん」  
 橘は悲しそうに、頷く。男の口角が吊り上った。  
「じゃパンツ以外全部脱げ」  
 橘がびくっと体を動かす。なにか言われると思ったが、あまりにも直接的だった。カタカタと勝手に体が震えた。脱ぐのも嫌だが、脱いだ後はどうなるのだろう。  
「ダメだ。橘さん。僕はっ」  
 男の手が佐々木の口をふさいで、片手でその胸を揉む。  
「やめてっ。わかりました、脱ぐ、脱ぎます」  
 橘は泣きながら了承した。佐々木はどうしようもない、声も出せない。  
 橘は自分の上着のひもを取って脱いだ。白いブラウスが見えた、男が笑顔になる。橘は下に着ていたブラウスに手をかけて脱ごうとしたが、一度止まる。  
 不安な顔で橘は佐々木の顔を見た。佐々木は声を出せないが、フルフルとだめだと顔を横に振った。橘はこんな時まで佐々木が自分を気にかけてくれることに喜んだ。  
 悲壮な歓喜を胸に橘はブラウスを脱いだ。  
白い肩と肉付きの少ない鎖骨、そしてふくらみの乏しい黄色のブラジャー。橘は顔を真っ赤にして肩を抱くようにうずくまる。  
男が橘に襲い掛かった。我慢できなかったのだ。男は佐々木を投げ出し橘の体に食らいつく。  
「やあぁ」  
橘が悲鳴を上げる。男はブラジャーの谷間に顔を埋め、舌を出して舐め始めた。手は後ろに回してかちゃかちゃとブラジャーを外そうとする。意識してやっているとは言えない、脱いだ橘の体に吸い込まれるように飛びついただけなのだ。  
男は橘のパンツをするりと脱がした。橘の秘所が露わになり、彼女は腿で隠そうするが男が広げる。  
パチッと音がして、橘の体からブラジャーが引きはがされる。つつましく膨らんだ両胸とその先にちょんとついた乳首が男の前にむき出しにされる。  
男はその胸に食らいついた。ちゅうちゅうと音を立てて出ない胸を吸い、舌で乳首をいじめる。  
 
「くう」  
 橘は歯を食いしばって耐えた。ともすれば声をだしてしまいそうなる。  
「み、みないで、ひゅ、ひゅださい」  
 橘は呆然と友達の痴態を見る佐々木に泣きながら訴えた。  
 男の指が橘の「下の口」に入る。強く、優しく中をかき混ぜた。乳首舐められるたび、指で膣をかき混ぜられるたび橘がぴくぴくと動いた。  
「はあ、はあ」  
 男が橘の胸から口を離して、いきなり自分のズボンをパンツごと下す。そこにはそびえたつ肉棒があった。  
 男はそれを一気に橘に突っ込んだ。  
「ぎ?」  
 橘はいきなりの「初体験」に声を出してしまった。男は橘の腰を掴んで上下に動かす。  
「ひゃあ、ああ、やべて」  
 男に突き上げられるたび脳がしびれる、いつの間にか舌を出して嬌声を上げる。  
「胸を、ねえ胸を揺らせ」  
 男が命令する。  
「ひゃ、ひゃい」  
 ピストン運動で上に下に揺らされるたびに橘はその胸を揺らした。小さくてあまり揺れないがそれでも男に従った。  
「いくぞ」  
 男がさらに激しく突き上げた。  
「……!!!」  
 橘は口を開けて動かしたが声にならなかった。そしてどくどくと男と橘の接合部から白い液体が流れ出てきた。  
 

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