キーン コーン カーン コーン  
 
 
 「さあ飯だ飯」  
 「キョン!今日はあんたの為にアタシがお弁当作ってきたの、一緒に食べましょ」  
   
おお、ハルヒのお手製ランチか。こんなものが食える俺はなんて幸せ者なんだ。  
 
 「では有難く貰うぞ」  
 「どんどん食べなさい♪」  
 「あーあー良いよなーキョンは、涼宮の手作りランチなんか食えて、俺にも一つくれよ」←谷口  
 「ダメ!」「駄目だ」  
 「けちー」  
 
今日の日替わりハルヒ弁当のメニューはサンドイッチのようだ。  
レタスとマヨネーズとベーコン入り、白身魚の照り焼き入り、  
あとデザート用なのかいちごジャムとカスタードクリームの挟んだやつの3種類だ。  
よだれが出てくる。そりゃあ目の前に美味しそうなサンドイッチとハルヒのハレ晴レでユカイな笑顔があるのだから当然だ。  
 
 
 
 「――んむんむ、ん、美味い」  
 「良かった!キョンに喜んで貰って」  
 「お前の作るものは何でも美味い」  
 「もー!キョンったらー♪」  
 
  (・・・どうでも良いが最近涼宮の性格が変わりすぎだ)  
  (あの2人、そこらへんの夫婦よりは絶対仲良いよ)  
 
 「そういや思い出した」  
 「何を思い出したのよキョン」  
 「今朝駅前で予備校の宣伝の物が配られてたんだ、で、その中にクリアファイルと一緒に飴玉が1個入ってた」  
 「あらキャンデー? アタシによこしなさいよ」  
 「そうしたい所だが、あいにく俺も食いたくてだな」  
 「そうなの、・・・・・・・・・じゃあ」  
 「なんだ一体」  
 「アレよアレ、ホラ」  
 「・・・・・・なるほど理解した、でも教室の中だぞ、しかも昼食時でクラスメートがたくさん居る」  
 「良いじゃないそんなの、アタシとキョンのラブラブは既知の事実よ」  
 「まあ・・・ それもそうだ」  
 「じゃあまずキョンが口に放り込みなさい」  
 
俺はハルヒの命令通りに飴玉を袋から出し口に放り込んだ。ちなみにレモンスカッシュのキャンデーである。  
ハルヒは椅子に座った俺の上に跨り、更にキャンデーの入った俺の口にディープキスをかましてくる。  
瞬間、教室の空気がシベリア並みに凍りつくのが容易に肌で感じ取れた。  
 
 『・・・キョン、こうやって大勢の前でキスするって初めてよね』  
 『そうだな』  
 『それはそうと、早くよこしなさいよキャンディー』  
 『あ、すまん』  
 
俺はハルヒの口にキャンデーを送り込む。舌もオプションにつけて。  
 
 『ちょ・・・ キョン、舌まで』  
 『お前の口の中、さっきのサンドイッチの味と飴玉の味が一緒になってるぞ』  
 
そう言って俺の言う事を全く聞かないいけない舌がハルヒの口内を陵辱する。  
 
 『あ、駄目・・・ キョン・・・』  
 『気持ち良さそうだぞ、ハルヒ』  
 『いつまでもやられてる私じゃないわよ、お返し』  
 『・・・ん、ん』  
 
ハルヒの口からキャンデーが返ってくる。ハルヒの舌のおまけ付きで。  
 
 『ん・・・ んぁ・・・ ハルヒ・・・・・・』  
 『リンゴみたいに顔赤いわよキョン』  
 『お前の顔だってイチゴ並みに赤いだろうが』  
 『それもこれもアンタが格好良いせいなんだから』  
 『俺もお前の可愛い顔のせいで頭がくらくらしてきた、どうしてくれる』  
 『もうバカキョン・・・ 団長であるこの私に責任押し付ける気?』  
 『正直俺と2人きりの時はあまり関係無くなるだろ、最近ベッドの上ではどっちが強いかな』  
 『そ、それは・・・・・・!! ///』  
 『ここ1ヶ月は26対6で俺の勝ちだ、俺にも得意なスポーツがあったとはな、ハルヒのお陰でよく分かった』  
 『・・・覚えときなさいキョン、今夜は私が勝つんだから』  
 
ああ楽しみにしておいてやるさ愛するハルヒよ。  
 
 
その後も俺とハルヒはお互いにつながった口の中でキャンデーと舌を転がし合う。  
先ほどまで変な味だったハルヒの口中はすっかり俺とハルヒの唾液とレモンの混ざった甘美な味へと変貌した。  
 
そう、キャンデーが一つしかない時はこうやってお互い口付け合って転がしあいながら味わえばいいのだ。  
しかしこれは余程のカップルでないと出来ない芸当だ。  
もしや俺とハルヒの専売特許か?いや、実用新案か。まあどっちでもいい。  
 
こうして俺とハルヒが愛し合っている間にいつの間にか後ろに岡部が来ているようだ。鋭い視線が突き刺さる。  
でもそんな事別に構わない。俺にとってはハルヒのほうが100倍、いや一千倍大事だ。  
ハルヒも岡部に気づいているようだがお構いなしに行為を続ける。  
 
しかしその行為もあっさり終焉を迎える。  
俺とハルヒの口が岡部によって引き剥がされる。  
 
 「キョン!!」  
 「ハルヒ!!」  
   
 「お前ら、続きは職員室だ」  
 「「・・・はい」」  
 
そうして俺とハルヒの昼食タイムはあっさりと幕を下ろした。  
 
 
―――――  
 
 「久しぶりね、あんなに怒られたの」  
 「でも別に構わんぞ、ハルヒが一緒だったんだ」  
 「私もよ、愛してるわよキョン」  
 「俺もずっと大好きだ、ハルヒ」  
 
そして俺とハルヒは朝比奈さんら3人の前で先ほどの続きを開始した。  
 
 「やれやれ、あの2人も困ったものですね」  
 「私たちもやってみませんか、古泉君と長門さんと3人で」  
 「面白そうですねw、長門さんはどうです」  
 「・・・楽しそう」  
 「では決まりです、まずは古泉さん」  
 「はい」  
 
 
この日1日中、手芸部の部室からは濃いピンク色の牡と牝の空気がプンプン漂っていたのは言うまでも無い。  ■  
 
 

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