「やーやーキョンくん、元気してるっかなぁ〜」  
部室に入ろうと扉に手をかけた時、鶴屋さんがハイテンションボイスで声をかけてきた。  
「お久しぶりです、鶴屋さん」  
「キョンくんちっとも遊びに来てくれないんだから、お姉さんの方から出向いてきたっさ」  
そう言いながら、俺を押すように部室になだれ込んでくる鶴屋さん。  
「あれ、有希っ子だけ?」  
部室にはいつものように読書を続ける長門以外のメンバーは来ていなかった。  
ハルヒは授業終了のチャイムと同時に、飛び出して行ったはずだが。また何か企んでやがるのか。  
最近ハルヒ以外での問題が続いているので、ちょっと勘弁して欲しいんだがな。  
少々うんざりしながらも、長門といつものコンタクトを取り、定位置へと座り込んだ。  
「キョンくんに相談もあるし、丁度いいかなっ」  
そう言いながら鶴屋さんが、俺の隣に座り込んだ。顔が近いです、息が甘いです、長門が睨むので冗談はやめて下さい。  
にゃははは、と笑いながら少し距離を取ると  
「実はみくるの事なんだけどさっ、最近おかしいんだよね〜。今まではどこか自信なさげにしてたのに  
今は、やるべき事が決まってそれに一直線!みたいな。なんか、変な自信を持ってるんだよ。」  
  『……つかまえた……』  
あの時の朝比奈さんが脳裏に甦ってくる。  
「別に自信つけたみくるに文句があるわけじゃないんだけどさっ、理由が分からないから」  
キョンくん何か知らないかい?そのように問いかけるような目で見てくる。  
……ここは正念場だ、間違っても真実を告げられない以上、古泉並の弁舌を発揮して、鶴屋さんを誤魔化す必要がある。  
「そ、それはでしゅね」  
……速効噛んだ……  
じーーっと俺を見つめてくる鶴屋さん。気がつけば長門もこちらを見つめている。顔をひきつらせながら固まる俺。  
「……ぷっ、あははははは、キョンくん汗が凄いっさ。」  
急に笑い出したと思うと、立ち上がって俺の肩を叩きながら背後に回り込んでくる鶴屋さん。  
「やーっぱキョンくんかぁ、うん。…あんまりおいたしちゃ駄目にょろよ?」  
肩を両手で揉みながら、最後を俺にしか聞こえないように呟くと。まったねーと言いながら帰って行った。  
うーん、なんか勝手に納得してくれたようだ。ほっと胸をなで下ろすと、俺をじっと見つめたままの長門に気がついた。  
「………」  
「………」  
「………」  
無言のプレッシャーに耐えきれなくなり、何か言葉を探すが……上手く言語化出来ない。  
「…あなたは、決断すべき」  
マゴマゴしている俺にそう告げると、何事も無かったかのように読書を始める長門。  
微妙に胸をエグられながら。朝比奈さん(大)(小)との事ばれてるんだろうなと思い、なんとも言えない気分になる。  
12月の世界再編。こちら側を選んだ俺は、長門が納得出来る結末を用意してやらないといけないよな。  
そんな事を考えながら、眼鏡のない長門の横顔を見つめていた。  
 
俺が自分で入れた美味くもない茶を啜ってると。  
「おっまたせーー」  
扉を蹴り開けてハルヒが入ってきた。  
「ごめんねー有希、待たせちゃって」  
相変わらずのハルヒがそのまま団長席につくと、朝比奈さんと古泉も続けて入ってきた。  
「ごめんなさい、遅れちゃいました」  
「すいません、遅れてしまいました」  
いえいえ、朝比奈さんを待つ時間なら、ながるんの新刊を待つよりも全く苦になりませんよ。  
そう言いながらメイド服に着替える朝比奈さんの為に、古泉と二人で部室の外に出る。  
野郎二人で所在なさげにしてると、どうも古泉の様子がおかしい。  
どんな時であれニヤケ面で喋ることをやめないこいつが、俺を微妙な目で見ながら苦笑しているのだ。  
「なんだ、ふんもっふでも外れたような顔しやがって」  
「いえ、なんと言いますか、あなたが羨ましいと思いまして」  
相変わらず訳の分からないことを言う奴だ。俺の立ち位置に立候補でもしたくなったのならいつでも変わってやるぞ。  
そう言う俺をちょっと驚いた顔で見ながら  
「やはりあなたも、異能者の一人なのかも知れませんね」  
などと、ニヤケ面で得意げに言ってきた。謹んで辞退するよ、俺は極めてノーマルな人間なんでね。  
 
朝比奈さんの可愛い声で扉を開けた俺たちは、いつものようにオセロでもするかとゲーム板の用意をし始めると。  
「今日は重大な発表が二つあります」  
ハルヒがいつもより幾分か真剣な声で、みなに着席を促した。久しぶりの暴走か?頼むから小規模の祭りで頼むぜ。  
「SOS団にはいくつかの約束があり。団員の結束をより高めるためと、一部の団員の暴走を押さえるために作られました」  
異議あり!被告人の証言は甚だしく客観性を欠くものであり、一部の願望のみで語られています!  
「ですが最近の団活において、一部の約束事が団員の私生活に多大な影響を与えていることが判明したのです!」  
……お?この流れはもしかして……  
「このままではSOS団全体の活動に支障が出かねないので、一つの約束の破棄を決定しました。」  
今俺は猛烈に感動している!ついにハルヒにも人の心が芽生え始めたか。  
不思議探しの度の理不尽な出費も、半ば諦めていたところであったが  
ようやく俺の人生にも、貯蓄と言う文字が書き込まれる日が来たのだ!  
ブラボーハルヒ!今なら古泉に近寄られても許せてしまいそうな気分だぜ。  
そう思ってハルヒを、ハレ晴レユカイな目で見つめていると  
「今ここに、団内恋愛の自由化を宣言します!!」  
自信たっぷりに両手を腰に当てながら言い切った。  
………この時の俺の気持ちを表すなら。庭の草刈りを半日かけて鎌一本で半分終わらせた時に  
親父が知り合いから電動芝刈り機を借りてきて、一時間で残り半分を終わらせたような、、  
この自分に取ってプラスなんだがなんとも言えないもどかしさは、本当にやるせなかった……  
気の抜けた炭酸飲料のような顔をしてハルヒを見つめていると。  
「流石は涼宮さんです、素晴らしい決断だと思います」  
「わーっそれは楽しそうですぅ」  
「………そう」  
未だショックが抜けきれない俺を横目に、三者三様の答えを返す。  
「で、二つ目なんだけど。」  
こちらにちらりと目線を送りながら  
「あたし、古泉くんと付き合うことにしたから」  
この日最大の爆弾を投げてよこした。  
 
椅子に座ってハルヒの居ない団長席をボーッと眺めている。  
ハルヒの先程の宣言からしばらく。みんなから祝福の言葉を受け取り、照れたように笑うハルヒ。  
――良く覚えてないが――俺もおめでとうと言った気がする。それからハルヒが古泉を連れて二人で先に帰り。  
長門は……いつのまに帰ったのかもう部室には居なかった。  
「キョンくん大丈夫ですか?」  
朝比奈さんがお茶を置きながら心配そうに声を掛けてくれた。大丈夫ですよ、  
そう言おうとした俺の口から漏れたのは、蚊の呼吸のような掠れた声だけだった。  
「……涼宮さんのこと、どうしたいんですかキョンくん?」  
虚ろな世界をさ迷い歩いていた俺に、朝比奈さんが語りかけてくる。  
朝比奈茶を一気に飲み干し、喉を無理矢理潤して、声を絞り出す。  
「ど、どうって、ハルヒは……「古泉くんのものになっちゃいましたね」  
被せるように告げられた言葉に心臓が大きく跳ねる。  
「……どんなに想っていても、言葉にしないと伝わらない。もたもたしてると  
どんどん取り返しのつかない方に転がって行っちゃいますから。」  
そう言いながら、俺の周りを回るようにして。背後から俺を抱きしめてきた。  
「……キョンくんの気持ち分かります。好きな人が他の人と付き合う光景なんて  
想像するのも嫌ですよね。ほんとに、分かっていたはずなのに…心臓が止まるかと思いました。」  
自分自身に言い聞かせているような口調で俺に語りかけてくる。  
「だから、動かないと駄目なんです。自分の欲しい人を手に入れるためには」  
鈍い俺でももう分かる、朝比奈さんに再度『つかまえられた』と、いうことを。  
気がつけば夕日が差し込んできて、世界を妖しく彩っていく。  
「綺麗な形じゃなくてもいい、あなたがそばにいてくれるのなら。  
好きで。好きで。もうどうしようもないくらい好きで………」  
最後はかすれて言葉にならないが、しっかりと届いたアイノコクハク  
背中越しに伝わる朝比奈さんの柔らかい感触と髪の香りが、真っ白になった俺の本能を刺激してくる。  
体が熱い。…先程一気飲みしたお茶が、俺の鼓動に応じて体中に駆け足で染み渡っていく…  
俺の耳元を頬で甘えるように撫でてきてから。のぞき込むように俺を見つめてくる。  
「……キス、して……」  
そう言って目を閉じると、頬を桜色に染めながら可愛い唇をそっと突き出してきた。  
しばし…固まったまま動けない俺を、朝比奈さんはそのままの体勢でじっと待つ。  
下拵えは完璧、念入りに用意して万に一つもミスはない。ただ、最後の一つだけはどうかあなたの方から…  
そんな幻聴が朝比奈さんから聞こえてくる。覚悟なんて全然決まらない。自分の気持ちすら満足に整理がつかないのに。  
 
  俺は、自分からキスをした。  
 
ただ触れるだけのソフト・キス。朝比奈さんの体温を唇から感じながら、ゆっくりと体の向きを変えていく。  
俺の肩で握りしめられた小さな拳に手を重ねると、小さく体を振るわせて反応する。  
さっきまで一流女優のように俺を魅了していた朝比奈さんは、今は体中を緊張で堅くさせて監督である俺の指示を待っていた。  
気がつけば唇にも力が入ってガチガチになっているし、目は堅く閉じすぎて眉間にしわが寄っている。  
『小さな私をこれからもよろしくお願いしますね』朝比奈さん(大)の言葉を思い出した俺は。  
ゆっくりと唇を離しながら、緊張を解きほぐすように頬を撫でる。  
恐る恐るという感じで目を開けた朝比奈さんに、微笑みかけながら俺はゆっくりと立ち上がった。  
「…怖いですか?」  
そう聞くと、少し驚いたような顔をしてから、俺の胸に顔を埋めるように抱きついてきて  
「…嬉しさでいっぱいです」  
耳まで真っ赤にしながらも、俺の顔を見て微笑みながら言ってくれた。  
 
朝比奈さんを抱きしめるように体を撫でていくと、腰や髪に触れる度に小さな声を上げて身を振るわせる。  
小さな体をまた堅くしながら俺に必死に寄り添ってくる朝比奈さんを見ていると  
大事にして上げたい、大事に、大事に…その全てを支配してしまいたいという欲求が起きあがってくる。  
潤んだ瞳で俺を子犬のように見上げてくる朝比奈さんの唇を、今度は乱暴に塞いだ。  
「んっ、……ん」  
多少驚いた声を出しながらも俺を受け入れる。唇を重ねただけの先程のキスとは違う  
体を強く抱きしめ、舌先で唇を割るように差し入れていく。  
驚いたように身をすくめるが、俺が両手に力を込めて引き寄せると。  
徐々に力を抜き、唇をおずおずと開いてきた。口内の侵入に成功した俺は  
舌先と共にたっぷりと唾液を送ると、舌を絡ませ始めた。  
ちゅっ……ぴちゃっ……  
お互いの唾液が混ざり合い、舌を吸い合い、甘噛みを重ね、お互いの気持ちを高めようと延々とディープ・キスを繰り返す。  
完全に俺に身を任せて、舌技に集中している朝比奈さんの体を、ゆっくりと撫でるように弄り。  
腹部へと右手を回すと、臍の周りを撫でた。  
「あっ…ん」  
体を仰け反らせるように身をよじり、キスを外して甘い声を上げた。  
…どうやら臍周りは朝比奈さんの性感の一つらしい。朝比奈さん(大)との情事を思い出しながら  
今度は左胸を持ち上げるようにゆっくりと揉みしだく。  
「あ!だめっ……」  
両手ではねのけるように体を引き剥がすと、俺から距離を取ろうと後退し、上気した顔で見上げてきた。  
「キョ、キョンくん、……ど、どうして「私の弱いところ分かるんですか?」  
先程のお返しとばかりに台詞に被せた俺は、驚いたように見つめる朝比奈さんの肩を掴むと、ゆっくりと長机に押し倒した。  
「……禁則事項ってことで」  
「あ、ずるいです」  
誤魔化すように言った俺を、非難するように見つめる朝比奈さん。いえいえ、予習をしっかりしてきた努力家ですよ。  
そんなことを考えながら朝比奈さんの両手を左手で捕まえると、覆い被さるような形で、ぐっと頭の上に引き倒す。  
完全に自由を奪う形になった俺は、唯一自由に動く手。俺の右手で衣服の上から朝比奈さんの臍周りを撫で始めた。  
「あぁ…そんなっ…」  
身をよじって俺の右手から必死に逃れようとするが、当然逃げられるわけもなく。  
「はっ…んぁ、ん」  
徐々に艶の混じった雌の声に変わっていく。少し右手の動きを止め、朝比奈さんの呼吸を回復させると。  
今度はゆっくりと胸の上に右手をのせ、押しつぶすように徐々に力を入れて形を変えていく。  
「お、お願い…優しく」  
朝比奈さんから懇願の声が掛かるが、おかまいなしに力を込めていく。朝比奈さんは気がついてないんだろうか?  
顔のよく見える俺には、恍惚の表情を浮かべ、涎を口角から垂らし、内股をさっきからすり合わせているのが丸見えである。  
服の上から乳首を確認すると、先端を手のひらで転がすように愛撫する。  
一際高くなる嬌声を聞きながら、望みどうりに形を変え続けるそれを、しばし弄りまわした。  
 
すっかり俺の下でおもちゃと化した朝比奈さんは、嬌声を上げながらも  
登り詰めるには足りない快感をさらに求めるように、胸を俺の手に押しつけてくる。  
そろそろ直接触れようと思い胸元のボタンを外そうとするが、、片手じゃ結構難しいな…  
ふと朝比奈さんを見ると、可愛い唇で深く呼吸しながらこちらを濡れた視線で見上げてくる。……よし。  
左手で拘束した両手を解放し、そのまま朝比奈さんに抱きつくように多い被さると。  
「…そんなに気持ちよかったですか?」  
体をすり合わせるように動かしながら、耳元で囁くように呟いた。  
「き、きかないで……」  
顔を真っ赤に染め上げながら、恥ずかしさで逃げるように顔を背ける。その露わになった項に、そっと舌を這わせると  
吐息と共に漏らした声に艶を感じ、そのまま這うように耳まで舐め上げる。  
耳たぶを吸いながら甘噛みを続け、また嬌声を感じると  
「…どこを触って欲しいですか?」  
そう呟いてから、体を起こし。一歩後退して朝比奈さんを視線で促す。  
「…で、でも……」  
恥ずかしさで身悶えしながら抵抗するように非難を込めた目線を送ってくるが、受け流すようにじっと見つめる。  
しばらく見つめ合っていたが、一度火が入ってしまった体には逆らえるはずもなく、両手を胸元に引き寄せる。  
これで朝比奈さん自身に胸元をさらけ出してもらえると考えていたら。…胸元に組んだ手をそのまま下げ始め。  
「……だ、だめなのに……」  
そんなことを呟きながらおずおずと、スカートを捲り始めた。予想外の行動に食い入るように魅入ると。  
「…み、みないでぇ…」  
頭を嫌々するように振りながらも、その両手は止まらず。上気してほんのりと桜色に染まった太股が露わになり。  
――すり合わせていた内股が熱さと愛液で湯気が立つように見える――  
僅かに涙を流しながら、しかしその手は決して止めずに。  
すり合わせる内股の間から溢れる、粘りけのある卑猥な声が、俺の体を少しづつ引き寄せていく。  
完全に露わになった下腹部と、濡れてより魅力的になった下着から発する雌の匂いに誘われるように近づいて  
今にも飛びかかりたくなる雄の衝動を必死に押さえながら、そっと聞いてみる。  
「……おもらし?」  
「……ばかぁ……」  
捲り上げたスカートで顔を隠しながら、掠れた声で怒られた。  
太股を重ね、視線から逃げるように隠そうとする足を両手で押さえつけ。ゆっくりと中心に向かって撫で上げていくと。  
奥に向かうほど、湿り気が強くなり。布越しに蜜を溢れさせている、女性自身にそっと指をあてがった。  
「……んっ……」  
スカートを噛みしめているようで声こそ抑えているものの、一際大きく体を揺らし反応してくる。  
まだ理性が抵抗するのか、閉じようとする太股を体を割り込ませて防ぐと。濡れて透けて見えるクレパスに  
そっと指を這わせる。こちらの動き一つ一つに反応するように動く朝比奈さんが愛おしくて、俺は中に突き立てるように  
人差し指を差し入れながら、ほんの少し上部にある違和感―陰核―を親指で跳ねた。  
「んんっ!……」  
途端に力の籠もった声を上げると四肢を強ばらせて、大きく痙攣する朝比奈さん。…人差し指に締め付けるような力を感じ  
続いて、ゆっくりと温かく独特の匂いを持った液体が、俺の右手を熱く濡らしてくる。…ほんとにおもらししちゃいましたね  
思わず呟いてしまうと、聞こえたのか。すするような鳴き声を上げながら、朝比奈さんは完全にスカートで顔を隠す。  
やりすぎたと思う反面どうしようもなく興奮して、濡れた下着に手を掛けると丸めるように脱がし始める。  
…ビシャビシャになったショーツを太股から脹ら脛、足首から通して抜き取っても、未だに顔を隠したままだ。  
どうやら今はアソコを見られるよりも、顔を見られる方が恥ずかしいらしい…  
そうなると顔を見たくなるのが男というもの。ゆっくりとスカートを引っ張てみると、凄い力で抵抗してくる。  
「……朝比奈さん、顔見せて下さい」  
そう語りかけても布越しに頭を振るばかりで、出てこようとはしない。…しょうがない。  
天照大神のように岩戸に閉じこもった女神様を解放すべく、少々意地の悪い方法を取ることにした。  
 
「…このままじゃ顔見ないまま挿入れちゃいますよ」  
そう言いながらベルトを外し、ズボンを脱ぐと。歴代No.1の堅さと張りをそなえた息子を引っ張り出して、朝比奈さんの娘にあてがった。  
こすりつけるように息子で膣口を撫でてみると。  
「あ……」  
朝比奈さんがスカートを掴む手を少し緩めたのを見て取り。俺は勢いよくスカートをはぎ取った  
そのままの勢いで、涙で顔をぐしゃぐしゃにした朝比奈さんの両手を押さえ込むように多い被る。  
堅く目を閉じて固まる朝比奈さんの瞼にそっとキスをして涙を吸い上げるように舐めとると。  
「…ごめん、調子に乗りすぎました」  
素直に謝った。続けて啄むように涙の後にキスを続けていくと、ようやく朝比奈さんは目を開けてくれた。  
「……」  
まだ非難たっぷりの視線で俺を見上げながらも口元は少し緩めて、ゆっくりと微笑むと。  
「…ちゃんとキスしてくれたら、許します」  
そう言って熱い溜め息と共に、艶やかな薄紅色に染まった唇を開いて舌先をゆっくりと差し出した。  
頷いてその唇を吸い上げるようなフレンチ・キスから舌先を絡ませるディープ・キスを続け  
その間にゆっくりと内股を擦るように指を滑らせる。その合図に頬を桜色に染めながら、俺の瞳を見つめ微かに頷いた。  
そのままの体勢で息子を掴むと、滑らせるように膣口にあてがい、ゆっくりと腰に力を入れて落としてゆく。  
「くっ……はぁ……」  
苦痛に顔を歪めながらも両手で強く俺に抱きついて、痛みから逃げようとする自分自身をつなぎ止める朝比奈さん。  
心配そうに見つめる俺に気づいて、ぎこちないながらも首肯を返し先を促してくる。  
俺も朝比奈さんを強く抱きしめながら、ゆっくりと腰を押し進めていく。  
「あぁ!…んっ!…くっ!」  
亀頭の先にかかる抵抗が奥に行くほど大きくなる。膣内に力が入りすぎて進むのがきついし、正直俺も持たない。  
「……朝比奈さん」  
そう呼びかけると、もう一度キスを繰り返し、髪を優しく撫でる。  
舌技と愛撫で少しずつ力の抜けてきた朝比奈さんの腰を押さえると、心の中で謝ってから。俺は勢いよく中に突き入れた。  
「!!………!」  
大きく息を吸い込むように背中を仰け反らして、俺の背中に回した両手でしがみついてくる。  
しばらくは動かない方が良いよな。そう思いながら、自分自身も断続的に締め上げてくる快楽の波に必死で耐えていた。  
徐々に朝比奈さんの両手から力が抜けていき呼吸が落ち着いていくと。  
朝比奈さんが俺の首もとに埋めていた顔を上げて。  
「…動いて」  
そう言って抽挿を求めてくる。  
「無理しないで下さい、「痛くして欲しいの」  
今日はここまででも。そう言おうとした俺に被せて、とんでもないことを言ってきた。どう言葉を続けようか寸考すると。  
「絶対に忘れないように、覚えておきたいから…」  
そう言って少し悲しげに微笑むと、大きく息を吸い込み膣内を動かし始めた。  
眉間にしわをよせながらも、なんとか俺に快楽を与えようと腰に力を入れる朝比奈さんを見て  
「俺、多分止まれませんよ?」  
最終確認を取る。そんな俺を見つめながら、朝比奈さんは天使の微笑みを返し、一つ頷いた。  
両の手のひらで朝比奈さんの手を包み込み指を絡ませると、体を折り重ねるように密着させてゆっくりと抽挿を開始した。  
 
額に汗をにじませながら、耐えるように呼吸する朝比奈さんを下に見ながら。  
俺は下半身にまとわりついてくる肉の熱さと厚みが与えてくる刺激に、脳がトロケるような快楽を感じていた。  
すこしでもこの快楽を長く味わいたくて、朝比奈さんの苦痛の表情すら性欲の餌になっていく。  
逝かないようにゆっくりとした抽挿を続けていると、朝比奈さんの表情も次第に和らいでいき。  
徐々にではあるが、苦痛を我慢する声に艶が混じり合ってくる。  
「…ひっ…んっ」  
こんなはずじゃないのにと言わんばかりに大きく目を見開いて、俺を見つめてくる朝比奈さん。  
それに、意地悪く笑いかけながら。声に出さずにこう囁いた。  
『い・ん・ら・ん・で・す・ね』  
口の動きで伝わったのか頭を左右に振り必死で否定しようとするが。すっかり愛液で満たされた膣内からは一際大きな声が聞こえてくる。  
って言うか朝比奈さんて、根本的に従属属性だよな。生まれついてのメイドさん。  
いや、今や俺専用のメイドと化した朝比奈さんは、押し寄せる快楽に身を任せ恍惚の表情を浮かべていた。  
自然と足を俺の体に絡めてきた朝比奈さんは、すでに限界が近そうだ。俺も気を抜けばすぐにでも逝きそうだし。  
頭の中で僅かな理性が中で出したらやばいだろうと、警告をつげてくるが。まったく本能を止められない。  
というか無理だ。安全日だろうが危険日だろうが気持ちよすぎて、自分の意志ではとても抜けそうにない。  
ただの獣になった俺に必死で抱きつきながら朝比奈さんは。  
「…も、もうだめ…」  
そう声を漏らすと大きく体を振るわせて、今日一番に膣内を締め上げた。  
断続的に体を振るわせる朝比奈さんに呼応して、締め上げてくる膣内に。  
俺はとうとう我慢の限界を感じ、白濁した欲望をその膣に解き放った。  
射精しながらも一番奥に差し入れ、少しでも深いところで感じながら出したいと思うのは、雄の本能なんだろうか。  
そんな事を焼け付くほどの快感で満たされた脳の隅で感じながら、俺は朝比奈さんに倒れ込んだ。  
 
……お互いに細かく痙攣しつつ余韻にひたっていると。  
「……キョンくん、良すぎです」  
などと嬉しいことを言ってくれる。  
「……朝比奈さんは感度良すぎです」  
お返しとばかりに褒めると  
「……うーー」  
と、唸りながら恥ずかしそうに睨んできた。……どうやら褒められたとは思ってないようだ。  
「おねだり。お漏らし。バージンアクメ。間違いなく感度最高120%です」  
「あぁぁぁぁぁ」  
思い出したのか、逃げるように俺の胸に顔を埋めて隠す朝比奈さん。  
「……うぅぅ、酷いピロートークです……」  
ちょっと虐めすぎたかなと思い、優しく髪を撫でながら。可愛かったですよ、と、耳元で囁いて愛撫を続けた。  
 
 
俺が身を起こし、ぐちゃぐちゃに汚れた制服をどうやって親に言い訳しようか考えていると。  
「……キョンくん」  
起きあがった朝比奈さんが真剣な声で俺に呼びかけてきた。  
「どうしました朝比奈さん?」  
もしかしたら未来的パワーで、服のスペアでもまた取り出してくれるのかと期待して振り返ると、真剣な目で扉を見ている。  
つられて扉の方を向くと。  
「……終わり?」  
長門有希が立っていた。  
 

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