「貴方に病原体を感染させてしまった」  
「何だそれは、長門は病気だったのか?身体大丈夫なのか?」  
「私には影響は無い、本来宿主たる情報統合思念体にも悪影響はなく共生関係にある  
ただこの身体の有機体情報を構成する過程で感染性のあるウィルスとして実体化してしまった」  
しかし何で今頃、感染性の物なら何で今まで感染しなかったんだ?  
と、そこま言って俺は気が付いた、もしかして昨日の夜の・・・  
「そう、性交渉によって感染する」  
「それって・・・」  
「通俗的な用語を使用すると宇宙性病に該当する存在」  
 
 
「治らないのか?情報統合思念体とやらにも治せないのか?」  
「治す手段はある」  
「じゃあ治してくれよ。長門だってそんなもの抱えてたくないだろう」  
「治せない」  
「なぜだ」  
「情報統合思念体の思惑をあなたに語るのは禁則事項に抵触すると思われる」  
「ちっ、もう一度くそったれと伝えろ。それと、治してくれないならいっそうつしまくってやる  
思念体とやらはハルヒが感染してもまだそんな事が言えるかどうか」  
「……」  
「どうした」  
「こまった」  
長門の口から困ったなんて言葉が聞ける日が来るとはな。長生きはしてみるもんだ  
なにせ去年の5月と12月とで2回死んでたところだったからな俺。  
そういやあれも情報統合思念体とやらの関わりだったか。  
「何が困るんだ?」  
「わたしという個体はあなたを治って欲しくないと感じている」  
はい?  
「情報制御で宇宙性病を発症させあなたにうつしたのはわたし」  
なんですと!いや長門のことだ、何か深い意味があって俺を守るためとかでやったことに違いない  
「そうすればあなたは他の人にうつすことを危惧して特定の対象以外とは性行為を行えなくなると考えた」  
「特定の…対象?」  
「それが、わたし。すでに感染している我々同士の性交渉では、外部に感染者を広げることはない」  
なるほどね。と納得している場合ではない。すると長門は俺を性的に独占しておきたかったということになるのだろうか。  
長門は年が明けて以来、時々自分の意思や欲求を主張するようになっていることを  
俺は驚きつつも何故だか自分のことのように嬉しく感じたりもしていたのだが  
それにしてもこれほどの願望を表現したのははじめてじゃなかろうか。  

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