橘さんがあげる悲鳴と、健気にも抵抗する物音と、周りにいる兵士たちの下卑た笑い声。  
目隠しをされ、身体を拘束されている僕には外の様子が音でしか伝わらなかったが、ある種の地獄である事は容易に想像が付いたよ。キョン。  
「いや!やめてください!」  
「うるせえな、暴れんなよ!」  
鋭い乾いた打撃音。多分平手打ちだと思う。  
それから橘さんの上げる悲鳴は、嗚咽を交えたか細い物に変わった。  
「あ…うっ…あっ…」  
「なあ、向こうのねえちゃんもやっちまおうぜ」  
「本部から手を出すなといわれている」  
「なあに、触るぐらいならかまやしないって」  
背中から僕の胸に野太い腕が回されるのを感じた。  
「へっへ…」  
そのまま制服の上から、無造作に両胸を揉み上げられた。  
 
 
枯れ逝く笹の葉 中篇  
 
 
僕は顔を背けて必死になって声を上げるのを我慢した。  
目隠しを付けられているから、相手の顔すら解らない。  
そんな相手になど、声を上げたくなかったからだ。  
 
「こいつらの制服って、あの有名進学高の奴だよな」  
「ああ、確かそうだぜ」  
「お高く留まったお嬢様か。いいねぇ」  
スカートをゆっくりと持ち上げられたのが感じられた。  
「さすが、お嬢様は清楚な下着をつけておられる」  
内腿から股間の付け根まで、がさついた手が何度も往復し始めた。  
そのザラザラした感覚に、身体中に鳥肌が立ちそうになる。  
やがて僕の秘所を守る布切れに兵士の鼻息がかかり…、  
べろっと生暖かいもので舐められた。舌だ。  
「…くあっ!」  
すまない、声を上げてしまった。でも止めようがなかったんだよ。キョン。  
「いま、ビクンって震えたぜ、こいつ」  
兵士は何度も繰り返してショーツ越しに僕の秘所を舐め上げ始めた。  
僕は声を噛み殺しながら、その感触から逃れようとしたのだが、兵士たちにとってそんな僕の姿は余計に嗜虐感を煽るだけのものでしか無いようだった。  
僕の胸を揉んでいた兵士が、胸のかすかな変化について、目ざとく気が付いたようだった。  
「乳首が、硬くなってきてるじゃねえか」  
そう言いながら、制服の上からその部分ばかりを指の腹で円を描くように転がして、僕から快楽を引き出そうとする。  
ショーツ越しに僕の秘所を舐めあげていた兵士が、ショーツを指でずらすのが感じられた。  
 
目隠しをされている事が、こんなに恐怖感を生むとは、今になって僕はそれを思い知らされたよ。  
 
そしてヌメヌメした舌が、僕の秘所を直接舐め上げ始めると、僕はもう声を押し殺せなくなってしまった。  
「あはあっ!…くっ…あああっ!」  
舌と指の動きが徐々に加速されていき、簡単に僕を快楽で追い詰めていく。  
こんな奴らに逝かされるのは、悔しくて仕方が無いが、でも止める事は不可能だった。  
「かはあっ!」  
僕は電撃を浴びたかのように身体を弓なりにそらせ、初めて他人の手によってもたらされる絶頂に咽び泣いた。  
涙が次から次から溢れてきて、止めたくても止まらなかった。  
「泣くほど気持ちよかったのか、ええ?」  
ざらざらした熱い物が僕の唇に押し当てられた。……唇を奪われた、と気が付いたのはほんの少し経ってからだった。  
これが僕のファーストキスさ、キョン。相手は顔もわからない下卑た兵士。哀れんでくれてもかまわない。  
 
口内にナメクジのような物が侵入し始めた。  
僕のファーストキスの相手の舌だった。  
その舌が僕の歯や歯茎を舐め上げて、臭い唾液を塗りつけていく。  
僕はそいつの舌を噛んでやろうかと思ったが、再開された胸と秘所への愛撫の前に、それは困難な事となった。  
 
「さ、佐々木さんに手を出さないで!佐々木さんはっ!」  
橘さんの声が遠くに聞こえる。  
「うるせえぞ、この女!」  
再び、鋭い乾いた打撃音。3〜4回続いた。  
 
僕は口内で舌を陵辱されていた。  
兵士の舌が、ついに僕の舌を捕らえると、執拗に舌を絡ませて弄り上げてきたのだ。  
「んーっ!…んっ…んんーっ!」  
臭い唾液が喉に流れるたびに、僕は吐きそうになった。  
 
秘所を直接舐めていた兵士が、僕の秘所を指を使ってグイッと開いたのが感じられた。中を直接見られるのが、どれほど恥ずかしいか。男の君には解らないかもしれないな。  
「いい色してやがる…全然使い込んでねえな」  
ぬるっとした舌が、僕の中に入ってきた。  
中を直接舐め上げられる、おぞましい感覚。  
そう、これはおぞましいんだ……絶対に…それ以外のものなんかじゃ…ない…。  
「んんっ!…ん、ん…」  
「そう我慢すんなよ。お前も素直に楽しんだらどうだ?」  
兵士どもの僕を責める手や舌が、さらに大胆な動きになって行く。  
「んふっ!…ん、んんんっ!!!」  
僕はあっという間に2回目の頂上を迎えさせられたよ。  
 
僕の口を長い事塞いでいた兵士がようやく口を離した頃には、僕はもう肩で息をついて荒い呼吸をするようになっていた。  
「さて、そろそろお穣ちゃんに俺たちの方を気持ちよくしてもらおうか」  
何か、熱いものが僕の唇に押し当てられた。鼻をつく、ツーンとした汗臭い匂い。  
「い、いやあああああっ!!」  
思わず叫び声を上げて顔を背けると、その兵士は僕の頭を両手でがっちりと固定して、  
「なんなら下の口に直接ぶちこんでやってもいいんだぜ。どっちにする?」  
背に腹は変えられない。その諺は君も理解しているだろう?  
「あ…うっ…」  
僕は恐る恐る口を開けて、それの先端を口に含み始めた。  
「遠慮すんなよ、ほれ」  
兵士は僕の頭を固定しながら腰を突き出し、それを僕の口内深くまで一気に突っ込んできた。  
兵士の陰毛が僕の鼻と上唇に触れて、ちくちくと痛かった。  
「いいか、歯を立てるんじゃねえぞ」  
再びこみ上げてきた吐き気を抗議する暇も無く、兵士は僕の頭を前後にぶんぶんと降りながら腰を突き出し、それを僕の口内で激しく出入りさせ始めた。  
 
口をレイプされている。僕はそう思ったよ。  
 
言っておくがこの間も、僕は胸も秘所も嬲られ続けていた。  
とにかく、早く終わってくれ。それしか頭の中に浮かんでこなかった。  
 
「だ、出すぜ…飲めよ…」  
何を…と考える暇も無く、兵士がそれを僕の口内深く突っ込むと、それが弾ける様に大きく脈動し、粘ついた熱い白濁液が叩きつけるように放出された。  
むせ返るような牡の匂いに眩暈がした。飲むなんて到底無理だ。  
「げほっ、げほっ…」  
僕は激しく咳き込みながら、それから顔を引き剥がし、白濁液を口から吐き出した。  
「あ、くっそ。飲めよ馬鹿」  
 
「な、もういいだろ、直接ぶち込んでやろうぜ」  
誰かが僕の足に手を掛けたその時だった。  
 
「まもなく、目的地に到着します」  
誰かの声が聞こえる。運転手だろうか?  
兵士どもはチッっという舌打ちをしながら、  
「運が良かったな、お穣ちゃん」  
そういい残し、僕から離れていった。  
 
高機動車から降ろされて、兵士たちに引っ張られて歩かされた。もちろん目隠しは付けたままさ。現在地の特定を困難にするためだろう。  
何処かの部屋に連れて行かれ、やっと目隠しを外された時、そこにいたのは案の定あの男だったよ。  
 
「一樹!」  
詰め寄ろうとした橘さんを兵士たちが取り押さえる。  
「その名前で呼ぶのはもう止めてくださいと、かつて言ったはずですが」  
古泉が前髪をかき上げながらそう言った。  
 
 
枯れ逝く笹の葉 中篇その2  
 
 
「僕たちがあなたに要求するのは、情報の提供です」  
「答える気はありません」  
「ならば、当然尋問とか拷問とかの出番になります。それでよろしいのですか?」  
橘さんは顔を背けながら、  
「好きにしたら良いのです。絶対に話しませんから」  
ちょっと待ってくれないか、まずは質問の内容を聞いてから判断したいのだが?  
僕がそう言うと、古泉は顔をこちらに向けて、  
「いいでしょう。最初の質問は、天蓋領域の端末についての事です。長門さんに攻撃を加えさせたのは、何故ですか?」  
この質問になら、答えても良いのではないかい?  
橘さんはしぶしぶと言った表情で、  
「あれは九曜さんの単独行動です。あたしたちの指示によってじゃありません。彼女がどこにいるのかも、あたし達は知らないのです」  
「なるほど、いいでしょう」  
古泉は腕組みをしながら、うんうんと頷いた。  
 
このとき、僕はこの古泉と言う男は話の通じる相手だと思い込んでいたよ。だが、現実は違ったね。  
 
「では、次の質問。あなた方の組織の地下本部とやらは、どこにあるのです?」  
完全に僕の知らない内容の話だった。  
「それは…絶対に言えません。それをあたしが言えない事ぐらい、あなたにも解ってるはずです」  
「ええ、もちろん。ですから、やはり拷問ですね」  
スマイルを浮かべながら、事も無げにそう言った。  
 
「ああ、そうそう。拷問を受けるのは佐々木さんの役目になります」  
「…!佐々木さんは何も知りません!」  
「ええ、そうですね。ですが、佐々木さんに拷問を加えたほうが、あなたが早く口を割ると思います」  
「なんて…事を…」  
古泉が手で合図をすると、周りの兵士たちが僕に群がってきた。ロープで身体を拘束されている僕には何の抵抗もできやしない。  
「ま、待ってください!拷問はあたしが受けます!だから、佐々木さんには手を出さないで!」  
「普通に口を割れば、拷問は無しで済みますが」  
橘さんは悔しそうな表情で、  
「それは…できないのです…」  
古泉はふうっと溜息をつくと、  
「ならば、いいでしょう。拷問は橘さんに」  
 
今度は橘さんに兵士たちが群がり、少しはなれたところにあるマットへ彼女を連れて行く。  
僕は古泉の隣の椅子に着席させられた。  
 
拷問とは、何をするつもりなのかね。  
「古今東西、女性に対する効果的な拷問は1つですよ」  
虫も殺さない人畜無害なスマイルの仮面。  
 
マットに乱暴に押し倒された彼女に、何人もの兵士たちが覆い被さっていった。  
兵士たちは制服に手を掛けると、無造作にびりびりと引き裂いて、剥ぎ取っていく。  
「い、いやあっ!」  
「言いたくなったらいつでも言って下さい。そこで拷問は終了です」  
「誰が!絶対に言いません!」  
既に彼女の制服はあらかた破り取られ、裸も同然の姿になっていた。  
何本も伸びた腕が、彼女の腕や足や腹や顔やらに組み付いて身体を押さえつけ、  
いやらしい手つきで彼女の滑らかな肌を撫で回し、その柔らかな感触を楽しんでいる。  
何本もの手によって争奪された胸のふくらみの部分は、特に念入りに揉み上げられていた。  
「あっ…はっ…」  
乳首を擦られるたびに、思わず彼女の口から甘い吐息が漏れていた。  
中年のおっさんが彼女の膝を割り、下卑た笑みを浮かべながら、彼女の股間へと顔を近づけていく。  
彼女は身体を捻って逃れようとしたが、ロープで身体を拘束されているうえ、何本もの手によって身体を押さえられているので、無駄な抵抗としか思えなかった。  
やがて股間の部分に到達した中年のおっさんがそこに顔を埋め、びちゃびちゃと舌を使っている音が、ここにまで聞こえ始めた。  
「くっ…!いや…っ!…あ」  
眉を寄せて苦悶の表情を浮かべている、橘さん。  
僕はそれ以上見ていられなくなり、顔を背けた。  
 
「よく見ていたらどうです。橘さんは、あなたの身代わりになってくれているのですよ」  
…こんな事が許されると、君は思っているのか?  
「許されると思いますよ、この世界の存続のためならね。そもそも誰が許すのか、よく解りませんが」  
それは君の本心か?君の本心や良心も許すと言っているのか?  
「本心?」  
古泉は顔を僕の方に向け、例のスマイルを浮かべながら、  
「本心なんて、とっくに仮面の裏で捨ててしまいましたよ。あなたも仮面をつけているんですから、それぐらいお解りのはずです」  
 
「へへ、それじゃお穣ちゃん。まずは1本目のチンポだぜ」  
それまで秘所を舐めしゃぶっていた男が自分のチンポに手を沿え、あてがっているのが見えた。  
「あ…あ…」  
青ざめた顔の彼女。  
その姿に余計に興奮したのか、おっさんは鼻息を荒くしながら、  
「ほらよ」  
正常位の体勢から一気に腰を押し込み、野太いチンポが可憐な秘所に挿入される。  
「…くうっ!」  
大きく仰け反る彼女をガッチリと腕で固定し、一気に最深部まで突き入れる。  
秘所を限界近くにまで押し広げられ、彼女は顔を背けながら小刻みに身体を震えさせた。  
「処女じゃねえが…あまり経験もなさそうだな。なかなかの上玉だぜ」  
ゆっくりとしたストロークで腰の前後運動が開始される。  
「うあっ…あっ!…一樹…」  
腰が突き込まれる度に起こる、ぬちゃぬちゃっとした淫水音が、部屋に響き渡った。  
彼女の身体が、おっさんのチンポによって汚されていく。  
 
この事は彼も承知しているのかい?  
「彼とは?」  
キョンの事さ。彼がこんな事を許すとは思えない。  
「でしょうね。ですが、彼がこれを知る機会は無いと思います」  
僕が打ち明けないという、なにか根拠があるのかい?  
「打ち明ける?あなたが?」  
古泉はわざとらしく驚いて見せ、  
「あなたが彼に打ち明ける機会が、今後訪れるとでも?」  
 
おっさんが腰を突きこむたびに、彼女が切羽詰った苦悶の声を上げる。  
「そろそろ良くなってきたんじゃねえか?」  
「だ…誰がっ!…あっ!…くっ!」  
涙をぼろぼろと流しながら、嫌々をするように首を振り、彼女はその残酷な事実を否定した。  
 
僕は古泉の顔を黙ってじっと見つめた。  
古泉は何の表情の変化も起こさず、ただ眼の前の輪姦劇を見つめ続けている。  
何の変化も無い…そう、この時の古泉の表情にはあまりにも変化が無さすぎた。  
 
「出すぜ、そろそろ」  
「…!」  
その言葉に彼女の眼が大きく見開かれる。  
おっさんの腰の動きが、乱暴なまでに早くなった。  
「いや、いやああっ!…中はっ!」  
激しく首をふってもがいているが、拘束されていて大勢に押さえつけられているので何の効果も無い。  
むしろ、彼女のその嫌がる姿に、兵士たちの興奮がより一層高められているようだった。  
おっさんがひときわ強くチンポを突っ込み、身体をピクピクと痙攣させ始めた。射精しているのだ。  
「いやあああっ!中ああっ!」  
絶望的な表情で、口をわなわなと震わせながら、彼女は身体を悶えさせた。  
おっさんは涎を垂らさんばかりの満足げな表情で、彼女の胎内に最後の一滴まで精液を注ぎ込む。  
「馬鹿野郎、一発目から中で出すなよ」  
「くくっ、なかなか具合が良くてな」  
おっさんがチンポを引き抜くと、彼女の秘所から白濁液が逆流してどろどろと流れ落ちた。  
糸が切れた操り人形の様に、彼女の四肢がガクリと力を失う。  
「ま、入れやすくなっていいかもな」  
すぐに次の兵士が入れ替わり、彼女を休ませることなく2本目のチンポの挿入が始まる。  
「かはっ…ああっ!」  
彼女の身体がビクンと爆ぜ、再び責め苦が開始された。  
 
その後も延々と陵辱劇は続いていった。  
今、後背位で彼女を犯しているのが8人目ぐらいだろうか。  
彼女の胎内や外に浴びせかけられたスペルマの匂いが、ここにまで漂ってくるほどの異臭を放っている。  
胎内に精液を注ぎ込まれる度に、彼女の抵抗はどんどん弱まっていき、今では殆どなされるがままの状態だった。  
やがて8人目の兵士が彼女の胎内で精液を放出させる。  
「いや…あ…ああっ…あ…」  
見も知らぬ男の精子で胎内を汚される屈辱感と、射精を子宮に受ける事による否定することのできない快感とで心を蝕まれ、彼女は咽び泣きながら弱々しく身体を悶えさせた。  
8人目の兵士の射精が終わると、すぐに9番目の兵士に代わり、再びチンポの挿入が開始される。  
「あ、あはあっ……あ……」  
彼女の眼は、すでに焦点がぼやけつつあり、とろんとしていた。  
「だいぶエロイ眼になってきたじゃねえか、お穣ちゃん」  
兵士の腰の突き込みに身体を揺さぶられ、彼女の身体がガクガクと揺れている。  
「ふへへ…くらいなよ」  
彼女の髪を使って自慰をしていた兵士が、荒い息を吐きながらチンポを脈動させた。  
脈打つたびにチンポから汚らしい白濁液が吐き出され、彼女の髪と顔とに粘着質な汚れを付着させていく。  
彼女は抵抗する事も無く、虚ろな瞳で精液を身体に浴び続けた。  
「い…一樹…」  
言葉が一言、ぽつりと口から漏れた。  
 
もう止めてくれ、あのままでは、橘さんが…。  
「止めても良いですが、その場合あなたが変わりにレイプを受ける事になると思います」  
もういいだろう、十分だ!このまま延々陵辱され続けたって、彼女は吐かないぞ!  
「…そうですね。そろそろ輪姦じゃなく、別の拷問に変えるころあいかもしれません」  
き、君という男は…。  
キョン、なんでこんな男を仲間にしているんだ。この男の本性を知らないのか?  
「そんなに彼のことが気になりますか…。なら、彼をここへ呼んであげましょうか?」  
何?  
「彼を、ここへ」  
古泉が手で合図を送ると、兵士の1人が部屋の奥へ走っていた。  
 
 
つづく  
 

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