『谷口のキョン家宅捜索』
キョンが涼宮や長門にモテてムカつくので、貸したゲーム返してもらうという口実でキョンの部屋を捜索した。
この前と比べていやに整理整頓されているな。まるで家政婦さん(英語でハウスワイフ)が来て掃除した後みたい。
キョンの部屋のベットの下にあったのは、漫画。少年漫画でエロくもないので面白くないぞ。
机の引出しにはゲームソフト。格闘ゲームだからエロくない。って、これが俺が貸したままになっているやつの一つじゃないかよ。おい。
押し入れの奥にエロ本があった。そして、中身は確認してないがエロビデオらしき物が……
中身が知りたいが、時間が無いのでもっと別な場所も探さないと。
後調べるべき所は本棚の奥とタンスの中くらいか。
本棚の奥には何も無かった。
そして、タンスの中は女物の下着が大量に……クローゼットには女物の上着……
スカートに女物と思われるセーターにブラにパンツに、寝巻もあるな。これは妹や母親のじゃない。つい最近、女が履いた形跡あるから(もちろん洗濯しているけど俺にはわかる)奴のオナニーのオカズでもない。
キョンの奴、既に涼宮と日常的にお泊まりかい。それにしても。キョンは何てうらやましいことしているんだよ。マジで代わって欲しい。
キョンが『早く帰れ』としつこく言ったので、まだ返してもらう物あったが帰ることにした。どうせ涼宮が来るんだろ。GOGOGOごゆっくりー
しかし、最近涼宮は不機嫌だな。キョンのHに満足してないのかな?それとも、お泊まりは長門の方か?
しかし、ブラのサイズから考えて長門には大きすぎ。涼宮には…もしかしてちょっと小さいか?何かがおかしい、できればもう一度確認したい。
次の日、キョンを問い詰めた。
「お前、よく涼宮を家に泊めているみたいだな。俺にはわかるぞ。この女たらし」
「そんなことしとらん。変な噂信じるな」
「隠しても無駄だぞ」
「キョンが泊めているのは涼宮さんでなく…恐らく…」
「黙れ、国木田。このカプ厨が」
「昨夜ヤリまくった気怠さと満足感をプンプンさせといてそれは無いだろ。お前らは隠しているつもりだろうが、付き合ってるのバレバレなんだよ」
お、図星をつかれた顔だ。ということは、昨日も…
「そういえば、キョンは昔から隠すの下手だったね。少なくとも長門さんには既にバレていると思うよ」
「う。な…が…と…」
顔が真っ青になるキョン。また図星みたいだ。
「いい加減にしろ。その話を止めるまでお前達と会いたくないな」
−好きでやってるわけじゃない。今は奴が神様だから嫌々やってるんだ
という意味不明のセリフを残しながら逆ギレして行っちゃったよ、おい。あんな幸せそうな顔で、好きでやっているわけじゃない?冗談きついぜ。
「国木田。今から涼宮をからかおうぜ」
「駄目だよ、谷口。涼宮さんにはシャレにならないから。今ですら落ち込んでいるのに」
涼宮は何で落ち込んでいるんだ?あいつは昔から意味不明。
「人前でイチャイチャする奴等が悪い。からかわれて当然だ」
そう言えば、最近はイチャイチャする事よりキョンに当たりちらすことの方が多いのは何故だ?
「そうじゃなくて、僕の考えではキョンが泊めているのは…」
その時、先生が教室に入り『授業だ。全員着席』と言ったので、その話は途中で終わった。
数日後、国木田と一緒にキョンの家を訪問したら、留守だった。そういや塾に通い出したらしいな。
俺はキョンの家に上がり込んでまた家宅捜索したかったが、今度は拒否された。
「うちの馬鹿息子はあなた達にまだ隠し切っているつもりみたいだわ。それから今日は向こうに泊ってくるかもね」
向こうでお泊まりかい。お盛んなこった。
夜中、キョンの携帯にイタ電したらオアズケを食らった犬のように激怒していた。家電には妹が出て「キョンくん。今日いないよー」
涼宮と長門に電話したら、夫に逃げられた妻のように退屈と怒りを持て余していた。あれ?どっちかの家にいると思ったのだがなー
「ということは、キョンは涼宮でも長門でもない女と付き合っているということだな。誰だろうか?」
その晩キョンは、朝比奈先輩、鶴屋先輩、阪中の家にもいなかった。念のため鈴木、佐伯あたりにも確認したが、行方不明。
「キョンが昨日お泊まりしたのは、キョンの中学時代からの彼女で佐々木さんと言って……(略)」
何にせよ。彼女がいるのに他の女を平気で口説くような男には、罰が当たるべき。