時刻は3時を半分回ったくらい――今日も授業が終わり、放課後となります。  
足早に帰宅する者、部活に精を出す者、はたまた戦場へ向かう戦士の顔つきで補習へ赴く者。  
様々な生徒が居る中、俺はもう習慣となってしまった元文芸部部室、即ちSOS団アジトへ向かいます。  
古ぼけたドアの上には「文芸部」の文字。その文字も意味を持たなくなっているけど。  
<がちゃり>とドアを開けるとそこにはいつもどおりの風景が―――  
「えっ あっ き、きゃああああああ!!」  
広がっていません!?  
そうでした!ここSOS団アジトでは度々、年上なのにも関らず中学生のような顔つき、  
なのにその体だけはナマイキに発育しちゃった天然おとぼけ美少女、「朝比奈みくる」さんが着替えをしているのデス!  
ちなみに俺は彼女の淹れるお茶で、どこぞのゲーム会社がタイアップで発売した聖水よりもよっぽどHP回復してしまうのです!  
そんな彼女のことを俺はどう思っているかというと―――って何を考えているのでしょう俺はっっ!  
なんて気が動転してた俺を一気に現実世界に引き戻す怒声が聞こえてきます。  
「ちょっとキョン!あんた何覗いてるのよ!!わざとでしょ!じゃなきゃノックくらいするはずよね!」  
と怒りをこの上なく露にしているのは、端からみれば可愛くなくも無い、いや、むしろ美少女に分類されていてもおかしくない、  
しかしその実は宇宙人や(略)を追い求める破天荒な、我らがSOS団、涼宮ハルヒその人なのです。  
彼女は恐らく彼女が座っていたであろうパイプ椅子を頭上に振り上げて罵声を俺に浴びせてきます!!  
ちなみにキョンというのは俺のコト。今年高校に入学した思春期真っ只中、多感なお年頃の無垢な少年なのです!  
「ちょ、ちょっと待った!これは事故であって決して故意ではなくたまにはいいかななんて思ったりしてるわけjyくぁwせdr」  
 
「おやおや、なにやら賑やかですね」  
「キョ、キョンく〜ん 大丈夫ですか・・・?」  
「・・・・・・・・・」  
「当然の報いね、まだ安いほうだわ!」  
 
そう、これは  
 
涼宮ハルヒ率いる変人集団・SOS団と  
キョンこと俺が繰り広げる  
奇妙奇天烈摩訶不思議な物語――――  
 
 
 
 
 

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