「キョン、パイプカットをするのよ!」
俺のご主人様は何を言い出すのだろう。
「お前は何を言っているんだ。」
「何ってパイプカットよ。精管を切断して結紮するの。」
そんなことは分かっている。分かっているのもマズい気もするが。
だいたい、そんなことをして俺の何の得になるんだ。
「キョンは生でするの好きじゃないの!?私は大好きなのに!」
大きな声でそんな事喚くんじゃない。顔を隠しつつ俺の腕を振り回してるハルヒをはがす。
まあ、嫌いではないが・・・
「じゃあいいでしょ!切っちゃいましょ!」
「だが、いざと言う時にどうするんだ。俺は子無しは嫌だぞ。」
切るは易し、繋ぐは難し。切る時は10万ほどで済むが繋ぐ時は300万もかかるのだ。
「体外受精をするのよ。キョンの精子を保存しておいて子供が欲しくなったらそこから取り出すの。」
神秘もへったくれも無いな。それにそんなのを利用したら繋ぐのと同じくらいかかりそうな気もするが。
「いいから!男でしょ!切っちゃいましょう。
私も手術代半分ほど出すわ。それにもうし○たに泌尿器科クリニックで診察予約しちゃったし。」
切っちゃいましょうなんて言うからまたんきがキュッとなってしまったではないか。しかしなあ・・・
「生でやり放題なのよ!」
100ワットの笑み。ああ、俺は意志の弱い人間だな・・・
しかしだな、生でやり放題と言うのは魅力的といえば魅力的ではあるが、
生でやるというのは女を孕ますか孕まさせられるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。
そんな脳みその沸いた事を考えていると、俺は既にハルヒに引っ張られて部室を出ていた後だった。
おい、どこにいくんだハルヒさんよ。
「診察に行くのよ!早く来なさい!」
やれやれ、どうやら俺もついに改造人間になっちまうようだ。
SOS団は変態の集まりでしかなくなってしまうのか。