俺は長門のどこに皆が魅かれるのか考えていた。
長門は俺の嫁、と誰しもがネタか本気かは扨置いて書き込みしたことがあるだろう。
日本人の成人男子ならまず間違いなく書き込みしただろうからざっと考えて2chの書き込みのうち3000万回ほど、年に直せば銀河がアンドロメダ星雲に飲み込まれて光に包まれるほどの回数だ。
まず考えられるのは眼鏡フェチ大量書き込み説。
いやまて、長門の眼鏡期間は一巻の一時期だけだ。それに眼鏡キャラはおわクロのページ数より狐の余白より多くてたっぷりとしメモ帳にして千切っては投げ千切っては投げするほどいるはずだ。
よってこの線は無いな。
ではメカ萌え説。
これは有力な説だ。
長門は情報統合思念体のヒューマノイドインターフェースという舌を乗っとられたナランチャに言わせてあげればナイフを使わずとも舌を切り取れそうな長ったらしい設定が付いている。
谷川先生はSF嗜好がとても強いらしい。なにせ高校一年の学生の語彙にカエアン製の服なんてものが普通に含まれているからな。
そんな早川文庫版も絶版であるワイドスクリーンバロックなんてよくわからんジャンルのSFを高校一年までの人生で読む機会のある奴はそういないだろうね。
作者の名前など朝比奈さんに言わせれば、禁則事項です、なんてことを口走るのだろうが俺はごく普通に谷川先生とよばせてもらう。
長門と似ている設定といえば、先日無くなった偉大な作家の作の2001年や幼年期の終わりなんかが有名だろう。
朝比奈さんはなんだろうね、夏への扉?バックトゥザフューチャー?
古泉は人間以上か幻魔大戦にでも参加してればいい。
ハルヒはサルガッ荘。
話がズレた。今は長門についてだったな。
長門はロボ萌え。
ファイナルアンサー?
「僕は綾波萌えから派生したんだと思うな」と突如現れた国木田。
「だって長門さん、マルチとかと似てるわけじゃないし。ロボロボしてないし」
…お前、どこから聞いていた。
「アンドロメダ星雲のあたりから」
ふむ、ほぼしょっぱなからだな。あとで旧館の文芸部に来てくれ。もう立ち聞きすんなよ。
…ふう、思わぬ奴に聞かれてしまったが、長門に任せておいたから大丈夫だろう。
メンインブラックのピカッとする記憶消去光みたいなものも長門ならだせるだろうし。
僕はキョンに言われたとおりにした。
「こんにちは。キョンに文芸部部室に行けって言われてきたんだけど」
雑多な物が溢れる部室は、涼宮さんの不思議っぷりを如実に表しているようだった。
「…入って」と数拍遅れて返事をしたのは谷口的Aマイナーの長門さん。
「…」
「あ、どうも」
僕は無言で差し出されたパイプイスに腰掛けた。
キョン遅いな、僕長門さんと接点ないから何話したらいいか分かんないよ。
じぃぃー
「!」
何やらチャックを開けるような音がしたと思ったら、長門さんが僕の社会の窓を部屋の空気を入替えるために開けたのだと言わんばかりの無感動な表情で開けていた。
「情報操作にはそれなりのカムフラージュが必要。あなたには記憶を失う理由となりえる衝撃的体験をしてもらう」
へっ?いやあの意味分かりません。なんで体が動かなくて声も出ないんでしょう。
「大丈夫…すぐ、済む」
いやあのまじで、ちょっと!やめてよ!ねぇ長門さん?!やめて、僕の愚息を晒さないで!
「…予想外」
長門さんは僕の過剰な質量を誇るシンボルを掴み、少しだけ眉をあげた。
だからやめてっていったのに…。
うひゃ、だからやめてってば!そ、そんなにこすらないで!
「直接は不可能と判断した。が、手でなら可能」
あ、あ〜やばいよ!やめて、そんな冷たい目でみないで!興奮しちゃう!あ、あ、で、でる…
「早く。SOS団のメンバーが来てしまうと、修正が難しくなる」