春眠暁を覚えずとは本当によく言ったものだ。  
暖かい春の陽気に誘われるように再び眠りにつく。  
そんな日々を送る予定だ  
 
 
ったはずなのに。「キョン喉乾いたわ。お茶煎れてちょうだい」  
……なんでこんなことになっているんだろうか。  
 
 
『突撃!ジョン=スミス』  
 
 
3月末。今は俗に言う春休みってやつだ。いや、この期間も散々ハルヒに振り回されることくらい分かってたさ。  
けどな、昨日は郊外不思議探索とやらで朝から晩まで遊んだじゃないか。  
もちろん俺は専ら使いっ走りで、順番待ちとかやらされてたわけだ。分かるだろ?男二人で観覧車に並ぶ辛さ。一生思い出したくない。  
だから今日は一日中寝ることに徹すると決めていたというのに。  
「何寝てんのよ!あんたまだ一つも宿題終ってないんでしょ?見てあげるから着替えて待ってなさい!」  
とヒステリックなモーニングコールで叩き起こされ、部屋に押し入られ、今に至る。  
いや、正直宿題を見てくれるのはありがたいんだが本当に疲れているんだ。  
最近結構遊んでただろ?例えば朝比奈さんの合格記念パーティーや、朝比奈さんの卒業記念パーティーや、朝比奈さんのSOS残留決定記念パーティーでな。  
しかもまだ朝比奈さんご入学記念パーティーもあるそうじゃないか。  
「あんた、そんなこと言ってずっとサボってたんでしょ。分かってんの?春休みはあと3日しか無いのよ?あたしならこんな宿題半日もあれば終わるけど……」  
ハルヒの顔がふっと曇る。  
「…これ休み明けのテストに出るのよ?もうあたしたち3年生なのよ?こんな成績じゃ同じ大学……いやどの大学にも入れないわ」  
お前と同じところに行くつもりも無いけどな。この前のこいつの模試の結果は人間では無いと思ったものだ。  
でもどの大学にもっていうのは困る。頼む、教えてくれ。  
「分かればいいのよ。ねえ、キョン喉乾いたわ。お茶煎れてちょうだい」  
はい。ハルヒ大先生様仰せのままに。  
   
と言っても俺は朝比奈さんのように上手に茶を煎れる事もできないので、適当に冷蔵庫にあった麦茶を注ぐ。ついでにたまたま二つあったプリンも持っていこう。  
確か好きだったよな、これ。  
「おーい。持ってきたぞ」  
プリンも食べるか?と聞こうとして口を閉じる。  
ハルヒはテーブルに突っ伏して寝ていた。  
いや、本当に喋らない分には申し分無いね。長い睫毛が白い頬にかかっている。  
俺はサラリと顔にかかっている髪を耳に掛けてしばらく見つめていた。ハルヒはまだ起きる様子が無い。  
……こいつだって疲れてたんだよな。なのに俺のために体にムチ打って来てくれている。  
それを知っているから一概に迷惑だとは言えないし、正直助かっている。(ただもう少しスケジュールを常人並にはして欲しい)。  
 
もう少し、もう少しだけ見ていたかったがここで起こさんと後々に殴られるのは嫌と言うほど分かっている。  
「ハルヒー?ハルヒさ―ん」  
呼び掛けても返事の代わりにスウスウと規則正しい寝息が聞こえるのみだ。やれやれ。  
その時俺の頭のなかに一つある考えが浮かんでしまった。  
ああ、ここでこんな悪戯心が起こってしまったことを咎めないでくれよ。ただ少し普段の仕返しがしてやりたいだけなんだ。  
と誰に言うでもなく自分自身に言い訳をしてソロリとハルヒの背後に回る。  
幸い家族は俺を残して鼠の国まで旅行中さ。家には俺とハルヒしかいない。  
それを自身の中で確認し、腹部の方に手を伸ばして……  
   
 
「ぁっはっはははははっ」  
……そこ、やらしい事考えたやつ残念!廊下に立ってろ。  
俺はハルヒの脇の下をコチョコチョとくすぐる。いつか長門がハルヒにこれをやっているのを見て知った。ハルヒはこれに相当弱い。  
「ちょっあははははは」  
「いつも散々俺をこき使ってる仕返しだ。大人しくくすぐられてろ」  
ハルヒは笑いながら目を三角にしてこっちを睨んだ。言いたいこと分かるかな?つまりハルヒは起こっているが、俺にくすぐられてて笑わざるを得ないってやつだ。  
鼻フックは覚悟しておこう。  
「ちょ、キョン!いっいいかげんにしなさっあははははっ」  
いい加減調子に乗り過ぎたかな、と手を離した時、  
 
「…ぁっ」  
ビクリとハルヒの身体が震えた。  
俺も震えた。驚いて手を止める。  
小さな、でも確かに聞いてしまった。紛れもない所謂喘ぎ声ってやつを。  
 
沈黙。ハルヒの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。俺はというと顔と下半身に全身の血液が流れ込んでいくのを感じた。  
もう一人の俺が冬眠から目覚めた熊のようにムクムクと起き出したのは気のせいではないはずだ。  
こら、春眠暁を覚えずって言うだろ?お前はもう少しゆっくり寝てろ。  
ほらハルヒも変な目で見てるじゃないか。  
ってええ!?  
「ちょ、お前!何見てんだよ!」  
「へっ?あ、いやあ人類の神秘を」  
何冷静にまじまじと見つめてんだ。うをっやめろ…つつくのだけは勘弁…  
そんな俺とは裏腹にジーンズのジッパーを外そうとするハルヒ。  
「いい加減にしろ!」  
「嫌よ、面白いじゃない。」  
何が面白いだ。俺は全く面白くない。まだ異性に見られたことが無い俺のジョンをお前にやすやすと見せるなんことは却下だ却下。  
くるっとハルヒに背中を向ける。こうすればハルヒもどうしようも無いだろう。俺のジョンの貞操は守られたのだ…と思われたのだが。  
…この女自分の身体を押し付けてきてやがる。背中に感じる二つの膨らみにまた反応し始めた俺。ああ、男とは何と悲しきものかな。  
「それ、いつもどうやって処置してるの?谷口に借りたDVDとか?」  
「なんでお前がそれを知ってる。」  
「本棚の後ろに洋物のエロ本が入ってることくらい知ってるわよ」  
…じゃあコイツは俺が巨乳好きなのも知ってるんだろうな。悪かったな。貧乳好きよりはマニアックではないと思うのだが。  
「まさか、有希やみくるちゃんを想像して?」  
なんでそこで長門が出てくる。朝比奈さんなんぞ畏れ多くてそんな汚らわしいことできるか。  
「…じゃああたし」  
…ノーコメント  
「したんだ」  
さあな。忘れちまったな。  
「さっき、ゴミ箱の中の大量のティッシュを見ちゃったんだけど」  
「お前は!」  
ハルヒと勢いよく目が合う。まずい。その目は非常に爛々と輝いていた。  
「してあげよっか」  
冗談だろ?  
   
俺がポカンとあっけにとられている間にもハルヒはジーンズのジッパーを開けて、勢い良く飛び出したジョンをしげしげと眺めていた。  
ああ…すまん。お前を守りきれなかったよ…今にも泣きそうだ。  
ハルヒはというとソレそのものを見るのは初めてのようで、顔を赤らめて少し恥ずかしそうにニヤニヤしていた。  
「とりあえず、掴んでみればいいのかしら」  
ギュっと掴まれるもう一人の俺は初めて女の子に触られるということもあり、ウキウキしていたようだった。  
もうすでに限界が近い気がする。  
ゆっくりと這うハルヒの指に呼応して大きくなっていく。何だ、これ。異常に気持ちいいぞ。  
ハルヒの白く細い指が根元から先まで覆うように上下する。  
さすがのハルヒでもこれには少し抵抗というか慣れていないのでその指の動きは覚束ない。  
だが、その覚束なさが余計に俺を奮い立たせた。  
「ん、いい?」  
上目遣いで聞いてくるな。その顔はヤバイ。  
ハアッと荒い息が漏れる。なんだ、息苦しい。変な声が漏れないようにするのが辛い。  
俺の愚息はというと、もういつでも発射準備OKな状態で待機中だ。  
「出してもいいのに」  
「嫌だ」  
「掛けてもいいのに」  
そりゃ、初めての俺にはハードルが高すぎる。もっとノーマルなものにしてくれ。とか俺は何言ってるんだろうね?  
「ん、じゃ」  
俺の目の前に衝撃的な画面が映った。これはDVDでも写真集でも何でもない。生だ、ライブだ。  
俺の物を涙目になりながら咥えるハルヒ。それでも一生懸命に奉仕しようとくちゅくちゅと音を立ててしゃぶっている。  
裏筋の方にツツと舌を這わせたかと思えば亀頭に舌を立ててちろちろと攻撃する。  
ヤバイ。本格的に力が入らなくなってきた。  
「すまん。ハルヒ」  
それだけ言うと、俺はハルヒの顔にありったけの精子を掛けた。  
   
「結局掛けたじゃない」  
だから、すまん。つーか、その姿を見ているのはなんとも言い難い。  
やわらかそうなピンクのワンピースにぐっちょりと染み込んでいる俺の精液。ハルヒは顔に残っていた俺のソレを舐めた。  
「まあいいけど」  
何故かハルヒは上機嫌だった。わけが分からん。  
「ベタベタして気持ちが悪いからお風呂、借りるわね」  
是非そうしてくれ。その姿も悪かないがなんと言うかものすごく自己嫌悪に陥るというか…  
「あ、あとあんただけ気持ちよくはさせないからね」  
「は?」  
何言ってんだこいつ。  
「あたしがお風呂上がったら第2ラウンド開始!あたしをとことん良くさせなさい!」  
とウィンクして行ってしまった。  
くそっ。今日のジョンはやたらと元気だな。もう起きてきやがる。  
 
…そういえば宿題全く進んで無いな。  
まあ、家族もいないことだし明日にでもまたハルヒが教えてくれるだろ。  
 
fin  
 
 

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