諸君は桃色空間というものを見たことがあるかな?
桃色空間が何かと言うと、愛し合う男女の間に発生する、他人を寄せ付けない空間のことだ。
聞いたことない?俺の造語だから当然だ。
今、北高校の2年5組に行くと時々見ることができる。カチューシャつけた女が、前の席の男にちょっかいを出しているのが時々見られるだろう。
それが桃色空間だ
その他にも、桃色空間が発生したことがある。
無口なショートカットが彼氏と図書館にいた時
巨乳メイドが自慢の胸を意中の下級生の背中に押しつけた時
ツインテールが喫茶店で向かいの男と手を繋いで目を閉じた時
昆布髪が「あなたの瞳はとてもきれいね」と言った時
異常発育小学生が同級生の兄とデートした時
逆に発生寸前で消失した桃色空間がある
美人の委員長がクラスメートを誘惑するために、その自慢の髪が触れるくらい近付いてきた時
学園祭の時、緑の黒髪の女が自分の衣装を自慢した時
カチューシャの女がメイド巨乳に対抗してバニーになった時
以上が通常の桃色空間である。これから特殊桃色空間について説明しよう。
特殊桃色空間が発生すると、桃色空間の方が現実となり、現実と虚構が反転する。
つまり、世界は反転するのである。
キモい口調、もとい僕っ子口調で話す女が元恋人と再会した時、それは一年ぶりに発生した。
タイムマシンで2年前に行けば、桃色空間が発生するのが毎日見れただろう。
そう、毎日だ。それも一日一回という控え目なものでなく…
休み時間の度に隣の彼氏に身を乗り出して、キラキラした目で話かける。いや、授業中ですら・・・
学校が終われば彼氏の後部座席に乗って塾に行く。控え目な胸を彼氏の背中に押しつけながら。
塾でも隣どうしの席。文字通り体が触れ合うくらい密着して授業を受ける。
夜中のバス亭にたたずむ二人には遠目からでも桃色のオーラが見える。
そんな特殊桃色空間を次の月曜日からは、皆は見ることができる。僕っ子が北高校に転入するからである。
楽しみにしてくれ。諸君
忘れていた。ここからが本題だった。
桃色空間を発生させるのに失敗した女の子は閉鎖空間を発生させるのだよ。
つまり、我々の活躍の場ができるということだ。神人諸君。準備は良いかな?
いざ、行かん。閉鎖空間へ