やぁ俺はキョンだ。
今は夜更けなんだがな、昨日凉宮とやらが普通の人間は声を掛けてくるなと抜かしやがってだな。
とりあえず一晩考えてみたんだ。
四苦八苦し結論。
そんなこんなで夜が明けた。
「おっはよー」
うむ、何時も時間通りに睡眠妨害。
昔の俺なら無視し安眠へ移行するだろう。
そこまでは同じでいい。
俺は妹の毎回恒例となるダイブを眼を閉じたまま、待った。
「キョンく〜ん」
とてとてと可愛らしい足音でベッドに近づいて来るのを感じ、臨戦体制へ体位を移動させた。
ゆさゆさと仰向けに寝る俺を揺り動かさす、それでも今日はまだ起きる気はさらさら無い。
十回程ゆさゆさを続けたときだろうか、これでは俺が起きないと悟ったのだろうか。
「おかーさ〜ん、キョンくん起きないー」
開けっ放しのドアに向かい叫んでいる事が分かったのは掛け布団にすきま風が入ってきたからだ。
「何時もの、やりなさい」
今日まで知らなかったが我が妹はダイブをする前に許可を取っていたらしい。
まぁ…本人の意志まるっきり無視だが。
「えへへ〜分かったー」
来る!と分かった時にはもうのし掛かって来ていた。
ボフンと布団、及びに俺の体へと妹の重力加算の体重がのしかかる。
妹のか細い腕が布団の上から俺の腹に回された。
―――計画通りっ!
それを俺は一気に状態を起こして「きゃっ」という声をもろともせず、布団ごしに妹を抱き締めた。