ある日、僕は女神に会った。というより、遠巻きに見、通行人その1として少し会話しただけだったが。
彼女は文字通り、この世界の神だったかもしれない。この世界で、僕は超能力者で、彼女は女神だった。
初めて会った時、僕は彼女に恋をした。
というより、我々超能力者は彼女が好きだった。多分、全員が、男も女も、機関も敵対勢力も含めて全員が。
僕は、少しさびしそうな顔の彼女が幸せになることを願った。
二度目に会った時、彼女はうって変わって、向日葵のような笑顔を見せていた。でも、その時、彼女の横には彼がいて・・・
仲良さそうに軽口をたたき、誰が見ても恋人どうしの二人。それを見て僕の心は痛んだ。その役目が僕であったら、どんなに幸せだったろうに。
彼にとってはどうか知らないけど、彼女にとっては彼はかけがえの無い人で。
それがわかる自分が、少しだけ恨めしかった。
願わくば、二人が今のようにずっと幸せだったら、と思った。
友達でも良い、彼女の側にいられれば。僕はガラにもなく流れ星にそう願った。
その後しばらく?後、僕は機関の指令で、彼女と友達になるために転校することになった。
理由は、宇宙人や未来人が彼女に接近しているということだった。
僕は自分の願いが叶って神に感謝した。
そして、転校前日
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「古泉、予定変更だ。お前はもう一人の神の所に転校しろ。佐々木の所に接近するのは中止だ」
神よ、僕のささやかな願いすら奪うのですか?もし悪戯だったら、恨みますよ。
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僕はもう一人の神、我々機関の主流派によると唯一の神:涼宮さんの所に転校した。
そして会ったもう一人の神:涼宮さんは以前見た不機嫌面とうって変わって太陽のような笑顔を見せていた。
そして、横には彼が、佐々木さんの横にいたはずの彼が・・・
彼にとってはどうか知らないけど、涼宮さんにとってはかけがえの無い人であるのが判った。それは涼宮さんの脇の二人にとっても同じことで・・・
あなたは、佐々木さんの横にいたのでは?(事前報告で知っていたけども)佐々木さんのことはどうでも良かったのですか?
その日、初めて僕は黒い感情、つまり、人への殺意を抱いた。
同時に、邪な陰謀を思い付きワクワクした。
彼と涼宮さんが結ばれれば、僕が佐々木さんと結ばれる日も来るのでは
もしかしたら、もしかすると。
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「ねえ、古泉さん。佐々木さんが本当の神だったら良かったと思いませんか?」
それは聞き飽きましたよ。橘さん
「それに、あんな酷いジゴロは一度、宇宙人の女にでも刺されたら良いのです。佐々木さんかわいそう」
だったら、あなたが刺しますか?
佐々木さん。僕では彼の代わりができますか?
今の僕は、立場上、それを聞くことすらできません。
(続いたら良いね)