男は僕一人で、複数の女の子と密室にいるという、エロゲームでは定番の、男の夢という状況のはずなのに、ちっとも楽しくないのは何故でしょうかね。やれやれ  
 
「あのー、皆さんは椅子に座り、何故僕だけ床に正座する必要があるのですか?」  
「これは、話合いじゃなくて裁判です。病的な女たらしを裁くための。それくらい当然です」  
そうですかー森さん。そうですかー、  
 
状況を説明すると、僕は女の子4人:つまり、機関の上司の森さん、対決組織の橘さん、鶴屋さん、最近組織の一員になった阪中さんと一緒にいます。  
幸運?なことに、皆さんが僕:古泉に恋しています。  
 
「まず、古泉さんがSOS団の女の子達と何をしたか正直に話すのです」  
「何もありません。あの3人は皆、彼が好きですから」  
「それは、めがっさ信じてあげるにょろ。それで、一樹君はこの4人の誰と結婚するにょろ?」  
「涼宮さん達がキョン君を好きなのは、私も同意見なのね。それで、古泉君は約束どおり私を選んでくれるのね?」  
そんな約束無いですよ  
「何度も言うように、僕は涼宮さんの精神が安定するまで」ゴフッ  
鋭いパンチ。森さん痛いです。  
「そんな言い訳が通用すると思う?」  
「今日この場で決めて欲しいのね」  
「今決めるのです」  
 
「あのー、僕はあなた方の誰とも深い関係に無いのですけれど」  
「古泉君は私と一緒にホテルに行ったのね」  
ホテルの食事を奢っただけで、お泊まりは別に、ってわざと誤解される表現使ってますね。  
「古泉さんは私との関係がロミオとジュリエットみたいだと言いました」  
対決していることを述べたまでで、  
「一緒にいろんなことをした私との関係を無視するの?」  
仕事上の関係がほとんどですよ  
「一樹くんは、めがっさお父さんに気にいられているにょろ」  
 
それぞれが僕との『関係』を告白し、雰囲気はより険悪に  
すったもんだの末、今月末までに結論を出す、ということで、とりあえず逃げました。  
僕はこの内の誰かと結婚する必要があるのですかねー?  
全員怖くて、正直ずっとやっていく自信は無いです。  
・・・・・・・・・  
 
「というわけで、僕はどうしたら良いですか?同じ状況にあるあなたの意見を聞かせて下さい」  
「自慢話は余所でしろ、俺は忙しい。それに俺は二股の経験など無い」  
その時、ドアをノックする音が  
 
「会長、ちょっと私達に付き合って下さい」  
鬼緑さん(失礼)と原作には名前しか出ていない生徒会書記の方が怒りに震えていますね。  
あの様子はきっと、二股精算の話ですね。くわばら、くわばら  
 
 
数日後やっと彼と二人きりになりました。  
「僕はどうしたら良いですか?あなたにとっては他人事ではないはずなので一緒に考えて下さい」  
「モテ自慢?会長と言いお前といい。今のはやりか?  
二股どころか女の子とお付き合いしたことの無い俺への嫌味だな。余所でやれ」  
「いえいえ、僕なんて、あなたに比べれば」  
その時うちの団の3人娘がやって来ました。  
「キョン。やっと見つけたわ。あたし達に付き合いなさい」  
「おう、古泉行こう」  
「古泉君は来なくて良いわ、キョンだけ来なさい。早くしなさい、うちの数学教師も待っているのよ」  
3人とも顔は笑ってますが、怒りのオーラに包まれてますね。  
3人娘だけでなく、後ろに女子生徒が20名ほど従ってますね。あれは全て、涼宮さんが怖くて彼に告白できなかった女の子ですね。  
「佐々木さんとその元同級生数名と九曜さんやミヨキチちゃん達も待っているので、急いで下さい」  
「朝倉涼子も帰って来る」  
数日前の僕と同じです。しかし、彼は一体何股になるのですかね?あそこまでいくと人間じゃないですね。  
(終わり)  
 

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