「キョンく〜ん、はさ……キョンくん大変! そこ腫れてるよ!」
って、うぉあっ!! 突然入ってくるな、ノックは忘れるなって常日頃から言っているだろうが
「そんなことよりキョンくん大丈夫なの!? お医者さんに見せたほうがいいよ、ね?」
いや、そんな大それたもんじゃないから心配はいらん。ちょっと膿が溜まってるだけだから医者に見せる必要もないんだよ。
「えぇ〜、とっても痛そうに見えるよキョンくん」
自分で解決できるレベルの症状なんだから大丈夫だって。それより
「うん? どうしたの?」
おふくろには言うんじゃないぞ? いいか?
「えぇ〜、何でっ!? キョンくん大変そうだったら手伝ってもらわなくちゃ」
その心配はないってるだろうがっ!! それよりおふくろには心配を極力かけたくないだろう?
おまえもそれぐらいなら分かってくれるよな。だからあっちにいってなさい。
「うんっ! じゃあ部屋に戻ってるねキョンくん♪」
なんだこの状況は。普段からこういう状況に陥らんように気をつけているというのに
なぜこんな非常事態が安息の地である我が家の中でも発生しているんだ。
それより我が妹よ、小学五年生にしてまったくの無知であるということはどうかとも思えるのだが今回ばかりは助かった。
普段から成長著しく云々言っていたお兄ちゃんを許してくれ。
そしてこんな緊急事態に直面していたというのにマイサンは元気に自己主張を続けている。
まったく、少しは落ち着いたらどうなんだと、自問自答してみるも
若さゆえの性欲というものはまったくの恐れ知らずというものであることにいやでも気づかされてしまう状況に少し鬱になる。
まったく、やれやれだ。
さて、そんなマイサンが俺からの刺激を今か今かと長くして待っている。
そんなに急かすなっての。気を取り直してさっさと作業に入ることにする。朝比奈さんでいくか?
いや、昨晩お世話になったばかりである先輩に連投を頼むのは酷なものであるから本日は別の人に登板してもらおう。
では長門? いやいや、なんだかんだ言っても長門には世話になりっぱなしである。
肩身の狭い立場を考慮に入れると少し後ろめたさが残ってしまう。
ということで今日は佐々木にがんばってもらうことにする。佐々木の下着は紫っぽい、だとすると俺の気分とは合わない。
普通に白で行きたいと心の底から湧いてくる感情を押さえつけての佐々木では申し訳ないので本日の登板は見送りだな。
そんなことを考えているとまたハルヒしか残っていないこの寂しい人選をどうにか変えねばと考えてはいるものの、
今は目先の欲望の処理に全神経を使っているといっても過言ではない。
よし、逝くしかなかろう。
想像で自慰をするためには、その相手も大事だが設定というのも非常に大事である。
まずは場所。部室、教室、俺の部屋、ハルヒの部屋……、ハルヒの部屋は行った事が無いから却下だな。
部室は昨晩の朝比奈さんで利用してしまったしな……、今日は俺の部屋にしとくか。
そういうことで場所は俺の部屋。
ある麗らかな日曜日に頼んでもいないのにハルヒが家庭教師にやってきた、という設定にしよう。
ハルヒの罵詈雑言に耐えながら必死に勉強に励む俺……、いや、励んでるつもりなのだがどうにも集中できない。
原因はハルヒにあった。とは言っても、奴の口から容赦なく炸裂する口撃にではない。
そんなものにはとっくの昔に慣れている。
じゃあ、なんなのかというと、奴の胸だ。
今日のハルヒは、胸の部分が大きく開いたキャミソールを着てやがる。
もう答えはわかるだろう?
ハルヒが上半身を少し前に傾けるだけで見えるんだよ、健全な男子高校生には凶悪的で魅力的な谷間が。
大きく前に屈んだ日には、白いブラジャーまでバッチリだ。
ハルヒの奴も、朝比奈さんほどではないが中々のモノを装備してるんだったな。
ハルヒのスタイルの良さを改めて実感してしまう。
ああ、その胸に触れたら、いったいどんな感触が……
って、駄目だ!! なに考えてやがる俺!! 相手はあのハルヒだぞ、朝比奈さんじゃない。
頭の中から煩悩を追い払うんだ! そう、谷口の馬鹿面でも思い浮かべて……
そんなこんなで俺の脳内は理性と欲望の天下分け目の一大決戦。
ハルヒが話しかけていることなんかにはまったく気づいてなかった。
「ちょっと、キョン! バカキョン!!」
ハルヒの怒声に、ようやく我に返る俺。
「……あ、悪い! な、なんだ?」
と、ハルヒの方に目をやると、ハルヒは腕を組んで俺を覗き込んでいた。
ああ……、ハルヒさん、そんな腕を組んだりすると胸が押し上げられてより一層……
しかも、俺を覗き込むように、大きく前屈み……
ああ……、近い……
目の前に白い双丘が……
理性と欲望の天下分け目の戦は、只今の決定的な攻撃により、欲望の勝利となりました。
「……もう駄目だ、勉強どころじゃない」
「え、ちょ、ちょっとキョンどうしたの?」
先に言っておくが、この行動は決して俺の理性の脆弱さによるものではないぞ。
むしろ我が理性軍は獅子奮迅の活躍だったと言っても過言ではないだろう。
俺の十六年あまりの人生中でも最高度の働きをしていた、さっきまではな。
…ただ、ハルヒにより増幅強化された欲望には抗すべくもなかった、それだけのことさ。
「った、いきなりなにすんのよ!、このバカキョ…」
やっちまった、俺はハルヒを押し倒しちまった。
もう我慢できねえ、つーかする必要も感じないしな。
だいたい男の部屋に一人で来るときにそんな格好してくるなんて絶対誘ってるだろ。
しかも無防備すぎるんだよ、お前。悪いのは俺の欲望軍に加勢したお前だからな。
ああそうだ、全部ハルヒが悪い、悪いのはハルヒだ、そういうことにしておけ。
「ハルヒ」
ハルヒに覆いかぶさった俺は、息がかかるくらいまで顔を近づけて名前を呼んだ。
「な、なによ…」
お、これは以外、ハルヒは俺から目をそらした。なんだかしおらしいじゃねえか。
てっきり腹か急所を蹴り上げられるかと思っていたんだがその心配はなさそうだ。
「っ!!ちょっと、あんたなにを!」
なにってハルヒの胸を揉んだんだ。キャミソールの上からだが。
うおっ、すげぇ柔らけぇ、まさに至福の感触。しばらく離したくないね。
「あんた…、こんなことしてどうなるかわかってんの?」
なんだろうな、死刑って最近は言わないから罰金百倍の刑とかだろうか。
もっともそれくらいじゃもう俺はとまらなそうだが。
「ハルヒ、俺、もう我慢できない」
「え、ちょっとキョン…?」
ハルヒの瞳が揺れる。ああその不安げな表情もまたグッとくるじゃねえか。
「お前もこういうのを期待してたんだろ…?」
右手をすばやくハルヒのスカートの内側へ滑り込ませる。
なめらかな太ももの感触が手に伝わる。すべすべで実に気持ちがいい。
「んぁっ、キョン…」
ハルヒが艶かしい声をあげた。いいね、思わず背中にゾクりときた。
さて、太もものさわり心地も捨てがたいが我が右手にはさらにゆくべきところがある。
俺はハルヒの秘部へと右手を這わせた。
おし、こんな感じかな。空想世界の俺は現実世界とは異なりずいぶん積極的だ。
いつもアイツに振り回されてばっかの俺だからな。
妄想のなかでくらい俺が主導権を握っても罰は当たるまい。
ノリノリで妄想していたら俺の股間は既に準備万端になっていた、元気だねマイサンよ。
さて、そろそろ溜まりに溜まったリビドーを解放するために心地よい刺激を与えるとするかね。