毎度お馴染み強制ハイキングコースの不快指数を上げるというただ一点で
大活躍を見せるであろう季節が到来したことに日に日に苛立ちが隠せなくなり、
まぁ実際問題この季節に入って俺にとってどんな利益があるかふと考えてみると
ハルヒのハルヒによるハルヒのための夏休みという最悪フレーズが頭に浮かび、
このお先真っ暗状態の季節にどうやったら希望の光が差し込むのかと考えながら古泉イビリのチェス盤から視線を外すと
麗しき我がSOS団の専属マスコットかつお茶汲みかつ俺の目の保養要員である朝比奈さんと目が合ってしまった。
そうだ、夏休みにはもしかすると朝比奈さんの水着姿が拝めるかもしれん。
いや、これはもしかするとなどと言う仮定的な発生率の低く、根拠の無い妄想などでなく、
先ほど頭をよぎった最悪フレーズの後押しを受け確信となり、おれのこの季節への
期待度がどうにか保てそうな気がしてきて少し安心だな。
そういえば朝比奈さんはこの季節をいったいどういう風に堪能するのだろうか?
おれと同じように身近な異性の水着を楽しみます的な含みの笑顔を期待しつつおれは話しかけていた。
「朝比奈さんにとっての夏の楽しみってなんですか?」
少し考えるそぶりを見せ、可愛らしい仕草を取りつつ、
「そうですねぇ〜……掲示板の書き込みかなぁ〜」
意外な返事に戸惑いつつもおれの想像しているような場所への書き込みでなく美味しいお茶の入れ方討論会
などのハートが飛び交うような平和な掲示板への書き込みで知識とやる気の注入に勤しむということだろう。
そう自分に言い聞かせている間に続けざまに
「この季節になると湧いてきちゃいますからねぇ〜」
何が湧くのだろうか? 植木鉢の周りの水などにボウフラが、ということなのか。
「しっかりとマナーを守ってもらおうと大変なんですよ〜。
書きたいことや伝えたいことは沢山あるんですけど規制に引っかかっちゃうから
いつもいつもしっかり分かってもらえたか心配ななんですぅ〜」