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埋めネタ代わりのフラグクラッシュ PART2と1/2  
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1.  
 
「ふふふ、待ってましたよ」  
「ああ、橘か、じゃあな」  
「ちょ、出会っていきなりその対応ってのは少しひどくないですか?」  
「ん、ああ、悪い。じゃあ、………『ああ、空耳か、帰ろう』」  
「出会った事自体をなかった事にされた!」  
「冗談だ」  
「………本当ですか?」  
「………」  
「気まずそうに目を逸らさないで欲しいのです!」  
「まあ、それも含めて冗談だ」  
「うー、ひどいですよー」  
「こんな風にからかうのも親愛の表れってやつだ、許せ」  
「え、あ、えーと、そんなこといわれると照れちゃいますねー。もう上手いんですからー。大体………」 クネクネ  
「………」 スタスタスタ  
「………そうですよねー。確かにあたし達、些細なすれ違いから敵同士になっちゃいましたけど、話し合えばきっと分かり合えると思ってたんですよ。そもそも、………」  
「………」 トコトコトコ  
「………と、言うわけで、あたし達が力をあわせれば向かうところ敵なしなのです! 愛の力は無限大! さあ、一緒にあの夕日に向かって叫びましょう!」  
「にゃー」  
「って、いつの間にか猫に変わってるしっ! あれ、もしかしてあたし、猫に愛を説いていた変な人ですか? ああっ、今更ながら周囲の視線がイタイっ、物理的にイタイっ!」  
トントン  
「はい、何でしょうかって、お巡りさん! え、変な人が駅前で騒いでいると通報があった? はあー、迷惑な人もいたもんですねー。って、何であたし交番に連れられて行ってるんですか? 何で? どうしてー?」  
 
「んんっ、もう、バカー」  
 
 
2.  
 
「んったく、今日はしんどいから早く帰りたいってのに、いきなり変なのに絡まれたぜ」  
「―――」 くいくい  
「ん、ああ九曜か。どうした」  
「―――大事な―――話」  
「何だよ、手短に頼むぜ」  
「あい―――らぶ………ゆー」  
「………」  
「―――」  
「九曜」  
「―――何?」  
「お前の親玉、天蓋領域ってのは人間の事が分からないからってお前にそんな事まで言わせてんのか」  
「え―――ちが………」  
「ふざけやがって。お前を、俺達をなんだと思ってやがるんだ」  
「だから………ちが―――」  
「いいか、今度同じ事を命令されたらな、『くそったれ』と、そう伝えてやれ。責任は全部俺が持つからな」  
「―――理解………した―――色々と」  
 
 
(喜緑―――江美里)  
(あら、どうしたんですか、珍しい)  
(あい―――にー―――じゅー―――)  
(えーと………)  
(ほー―――み………たい)  
(つまり、泣きたいから胸をかせ、と)  
(いえす―――まむ)  
(はあ、分かりましたよ。なんだかわたし、最近こんな役ばっかりですね)  
(―――あり―――がと)  
 
 
3.  
 
「やあ、キョン」  
「おう、佐々木か、どうした?」  
「どうしたも何も、偶然あった知人に声をかけるのに理由なんて必要ないだろう?」  
「ま、そりゃそうだな」  
「んー、まあ、あえて理由をつけるなら、だ。久しぶりに一緒に帰らないかい、といったところだね。別にキミを待っていたわけではないよ、………と、あえて強調しておくけれど」  
「じゃあ、帰るか」  
「………そこは何か別のリアクションがあるだろうと思うのだが、まあ、キミはキョンだしね、仕方ないか」  
 スタスタスタ  
 テクテクテク  
「ところで、キョン。キミは進路をどうするか、もう決めたかい?」  
「いや、別に………」  
「そうか、それは実にキミらしい答えだ。曖昧模糊とした日常に唯々諾々と流されていく未来のキミの姿が目に浮かぶようだよ」  
「………確実に褒めてないよな、意味はよく分からんがそれだけは分かったぞ」  
「ちなみに僕は進学するよ。大学名は………」  
「そっか、もうそんな事まで決めてんだな」  
「普通だと思うんだけどね。ところでキョン、キミさえ良ければなんだが………、僕と同じ大学に行く気はないかい?」  
「んー、まあ、お前と同じってのも悪くは無いんだが………、ハルヒがなぁ」  
「………」  
「とりあえず進路とかを決めるのは、アイツに振り回されるのが終わってからだよな」  
「………そっか」  
「ん、どうした? 何か浮かない顔してるぞ」  
「いや、何でもないよ。多分ただの勉強疲れだろうね。今日は帰って休む事にするよ」  
「おう、じゃあ、ここでな」  
「ああ、またね、キョン」  
 
 
「………そっか」  
 
 
4.  
 
「さて、今日帰り道であった事といえばこれくらいだが、これがどうして俺がお前に無理矢理過去に連れてこられなきゃいけない理由になるんだ?」  
「目の前の事象を見て、過去を振り返ってみて、まだ分からないのか? アンタの脳が空っぽなのは別にどうでも良いが、それにこっちを巻き込まないでもらいたいね」  
「オーケー、とりあえずお前は絶対後で泣かす。で、とりあえず今回の俺の役目は目の前の公園のベンチに座って黄昏ている佐々木を何とかする事なんだな?」  
「はっ、それも既定事項だ、という言葉で終わらせても良いんだが、まあ、あえて一つだけ言わせてもらう事にする。………この『くそったれ』」  
「………」  
「後の二人は別に良いって訳じゃないが、彼女は一人で溜め込んじまうんだよ。それはあんたの方がよく知ってるんじゃないのか? それとも人として失っちゃいけない知識と共にところてんのように押し出されて消えたか?」  
「ちっ、分かったよ。とりあえず行ってくる。………あと、お前は後で百回泣かす」  
「余計な事を喋ってないでとっとと行け、僕はこの後、残念ながら知り合いになってしまった低俗極まりない現地人を警察署まで引き取りに行かなくちゃいけないんだよ」  
 
「ああ、それと、………ありがとうな」  
「………ふんっ。さっさと行け、それが僕の既定事項だ」  
 
 
5.  
 
「よう」  
「え、キョン、どうしてこんなところに居るの?」  
「………あー、何か知らんが大分参っているみたいだな」  
「あなたには、………キミには、………関係ないよ」  
「よっこいしょっと」  
「………何で隣に座るんだい?」  
「お前には関係ないさ」ポムポム  
「何で頭を撫でるんだい?」  
「そこに頭があるからさ」  
「むー」  
「いや、すまん。謝るからそんなに睨むなよ」  
「謝罪の言葉よりも真摯な答えが聞きたいんだけどね、僕は」  
「えっと、………そうだな。あえてはぐらかさずに答えるならば、流されたんだよ、いつも通りな」  
「………ああ、うん、そうだ。そうだよ。キミは流される人間だったんだ」  
「いや、何だ? いきなり元気になったな」  
「くっくっく、流木は引き寄せれば良い。そう、こんなに単純な事だったんだ」  
「何か怖いが、とりあえず元気になってよかった………のか?」  
 
「キョン」  
「何だ?」  
「覚悟しといた方がいい、僕は本気、だよ」  
「………まあ、厄介事はいつもの事だよ、………やれやれ」  
 
 
 
 

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