「男として、女として」
習慣というものは恐ろしい。今日は休みだというのに目覚ましを平日と同時刻にセットしていた。カーテンの隙間
から入り込む朝日を確認し、再び睡眠の世界へ舞い戻るのかと思いきや俺はゆっくりと起き上がりカーテンを全開
にした。もちろん今日が休みだというのは承知している。俺の目を眩ませた太陽の光は一斉に俺の部屋に突入し、
夜の空気を掻き消していく。
太陽の光に目が慣れてくると俺の視界には雲一つない青空が広がっていた。
「…たまには雨のひとつでも降ってくれよ」
本日の第一声であった。
俺は背伸びをして洗面所に向かい、服を着替えると朝食を摂って再び部屋に戻った。そして早朝アニメを観るわけ
でもなく外出の支度をする。学校へ行くのではない。本日は土曜日。そう、SOS団市内パトロールの日なのである。
「遅い!罰金!」
半分寝ている体にムチ打って集合場所へ辿り着いた俺の耳に、ハルヒのもはや恒例になっている罰金宣告が届いた。
というか俺は一度として集合時間に遅れたことはない。今日だって10分前に着いているのだ。しかしどこでどうし
めし合わせているのか俺以外の全員が先に到着している。集合時間を守っていても一番最後に来たからという納得
のいかない理由で今日も喫茶店代を奢らされることになった。たまには雨でも降って市内パトロールが中止になっ
て欲しいと願ってしまっても無理はないだろう。俺が未だにボイコット運動を起こさないのは、朝比奈さんのキュ
ートな私服姿を拝めるからである。
「いつもいつもすみません」
古泉のやつの言葉は全く俺の心に染みてこないぜ。
今日のパトロールは午前も午後も朝比奈さんと同じ組になったので俺の心はこの空のように晴れやかだった。しかし
「ちょっと、キョン!」
解散して帰ろうとしているところにハルヒ団長がやってきた。
「あんた、やる気あんの?毎回一番最後に来て」
やる気が無かったら来ないだろうが。…まあ、やる気があるとも言えんが。
「何ですって?」
ギリギリとハルヒの眉毛がつり上がった。
「いいこと?今度また遅れたら喫茶店でオーダー一品増やすからね!それと一回くらい早く来てあたしを驚かせて
みなさい!」
そこまで言うとつり上がっていた眉毛が元に戻り、今度は人差し指を俺に向けてニカッと笑いやがった。全くこい
つの顔の筋肉の柔軟性にはいつも驚かされる。
待て待て。今のおまえの言葉には全てツッコミを入れたい。俺はおまえより早く来たことは一度だけあるぞ。それ
となんだ一品追加って。虎視眈々と俺の財布を軽くする計画を練っていやがるのか。
「んじゃ!」
しかしハルヒは俺に反論の口火を切らせる事なく人ゴミの中に消えていった。
独り残された俺は
「おまえの捜し物は、すぐ近くに三人もいるんだよ」
と呟いてみた。
地面に穴を掘ってそこに向かって大声で叫びたい気分ではあるが俺は家に帰る方を選んだ。駐輪場から出ようとし
たその時だった。
「や、やめて下さい…」
か細い女性の声が聞こえた。どこか聞き覚えのある声で、俺は引き寄せられるようにその声のする方向へ自転車を
引いていった。
「いーじゃんよ、俺と遊ぼうぜ」
駐輪場の反対側で見たものは、単なるナンパの風景だった。しかしナンパをしたことのない俺が見てもそのナンパ
はセンスがなかった。壁に女の子を追い詰め、見下ろすように話し掛けている。あれじゃ恐喝にしか見えない。案
の定女の子も怯えて下を向いている。
どうしたもんかと思っていると見覚えのあるものが目に映った。最悪なナンパをされて怯えている女の子が肩に
かけているポシェットだ。どこかで見たことあるぞ。
「ミヨキチ!!」
思い出すより先に言葉が出ていた。
「…あっ!!」
顔を上げた女の子は間違いなくミヨキチだった。俺の顔を見たミヨキチはナンパ男を振り切って俺の元へ駆け寄っ
てきた。
「あーん?なんだよあんた」
獲物を横取りされたハイエナのような目でナンパ男が近づいてきた。俺はミヨキチの手前平常心を装っていたが、
内心混乱していた。俺は今まで肉弾戦をしたことがないし、昼間歩き回ったせいで足腰も疲れているから逃げ切れ
まい。ではミヨキチだけでも逃がそうかと思ったがそのミヨキチは俺の服を掴んで離さない。
「シカトしてんじゃねーよ!」
ナンパ男のナンパ声で我に返った。ここはひとつかますしかないか。俺はミヨキチの肩を掴んで引き寄せると
「この女は俺の彼女だ!文句あるか!」
よし、声は裏返らなかったぞ。
「カノジョだあ〜?」
ナンパ男は有り得ない角度に体を曲げ下から覗き込むように俺とミヨキチの顔を交互に見た。ここで目を逸らせた
ら負けと思った俺は渾身の勇気で視線を固定した。
「何だ、カレシ待ちだったのか。邪魔したな」
あっさりと引き下がってナンパ男は去っていった。ナンパのセンスはないが、引き際は心得ているようだ。もう少し
女心が解れば成功率も上がるぜ、などとどうでもいいことを考えていると
「あ、あのお兄さん…」
ミヨキチの声がして、そこで俺はかなりの力でミヨキチの肩を掴んでいることに気が付いた。痛そうにしている。
「あっすまん」
慌てて手を離すと、それを合図にするかのように二人同時に大きく息を吐いた。
「いやあ今のはしんどかったな」
「ありがとうございます。今の人、しつこくて…」
やっぱり女心が解ってないな、あの男。
「それにしてもキミはどうしてこんな所にいるんだ?ひょっとしてまた映画か?」
緊張の糸が途切れて矢継ぎ早に言葉が出てきた。ミヨキチは少し俯いて
「ええ…まあ…そうですね」
と答えた。
「なんだ。また年齢制限ものなら、俺を呼べばいいのに」
すると今度は顔を背けて
「でもお兄さん、週末は忙しそうですし…今日だって…」
と言うなり黙ってしまった。俺はドキリとした。そういえばミヨキチに会うのすら久しぶりだったのだ。
「…すまん」
人のこと笑ってる場合じゃない。
数秒の沈黙を破ったのは
「あのうお兄さん、これから時間ありましたら私の家に来てくれませんか?お礼もしたいですし」
というミヨキチの申し出だった。
いや、いくらなんでもそれはまずいだろ。キミはあくまでも俺の妹と親友なのであって俺は高校生で、なおかつキ
ミの両親は俺のこと知っているのか?
驚くべきことにミヨキチは肯定した。
「お友達のお兄さんが私にとても親切にしてくれるってこと話してます」
両親の反応はいかがなものなのだろう。
「しかしなあ…」
決心がつかない俺にミヨキチは続けた。
「…実は今日、両親の帰りが遅いんです。正直心細いんです」
だったら俺の家に来ればいいじゃないか。
「最初そう考えていました。でも…」
そこまで言ってまた黙ってしまった。よく見るとミヨキチは小刻みに震えていた。そうかさっきのナンパか。気丈
にしているがやはり恐かったんだな。こんな状態で俺の家に行ったら妹によけいな心配をさせてしまう、とでも考
えているのだろう。
「…解った。でも両親が帰ってくる前においとまするからな」
俺の言葉でミヨキチの震えが少し緩んだように見えた。
ミヨキチと妹は同じ学校に通っていて毎朝一緒に学校へ行く。なのでどのみち俺とミヨキチの帰る方向は同じであ
る。自転車の荷台に座らせてペダルをこぎだした。ミヨキチはとても軽く人一人乗せているという感覚はまるでな
かったが、腰に回されている手の感触でその存在を把握していた。ミヨキチは自分の家に着いて玄関をくぐるまで
俺の服を掴んで離さないでいたがそのことについて俺は特に何も言わず、好きなようにさせていた。
「私ちょっと顔を洗ってきますので待っていてください」
妹が何度となく訪れたであろう部屋に通されると、ミヨキチはそう言って階段を降りていった。
「妹とは大違いだなあ…」
非常に整理整頓されていて目立った埃もない。かといって長門の部屋のように殺風景ではなくぬいぐるみなどの女
の子らしいインテリアが配置されている。
何となく手持ち無沙汰になってしまった俺は座ることもできず美術館で絵画を観る入場者のように部屋を見渡し、
妹とミヨキチのツーショット写真を眺めていた。
ガチャッ
ドアの開く音がした。
「どうだ?落ち着いたかい?」
ミヨキチが戻ってきたと思って振り向いた俺が見たものは
「お、おいっ?!」
一矢纏わぬ、全裸のミヨキチの姿だった。
ミヨキチはドアを後ろ手で閉めると、大事な所を隠すわけでもなく俺と正対した。一言も発しない。俺も押し黙っ
てしまった。嫌でも視界に入るミヨキチの色白の肢体は細身ではあるが腰の綺麗なくびれ、整った乳房にピンク色
の乳首といった小学生とは思えない発育をしていた。しかしなぜミヨキチは裸なんだ。どう会話を切り出せばいい
んだ。
「お兄さん…」
おもむろに静かにミヨキチが唇を動かした。
「…今、私の体を見てどう思いましたか?」
言葉に全く抑揚がない。
「小学生には見えない、って思ったでしょう?」
何だって?一体この話に何の意図があるんだ?全く言葉を返せないでいる俺を尻目にミヨキチはさらに続ける。
「…今日、お兄さんに助けてもらう前に私はあのナンパしてきた男の人に自分は小学生です、って何度も説明した
んです。でも…でも信じてくれませんでした。こんな大人びた小学生がいるかって…」
ふっと顔を上げたミヨキチの頬には目からの水滴が伝っていた。
「お兄さん…私、嘘つきですか?私、小学生ですよね?11歳ですよね?」
どんどん涙が溢れてくる。
「どうして…どうして私は年相応に見られないんですか?このいやらしい体のせいですか?」
ぎゅっと拳を握りしめひっくひっくと嗚咽をもらすミヨキチに、正直俺はどうしていいか解らなかった。
「私、こんな体になりたくなかった。クラスの女の子にまでじろじろ見られて…。この体のせいでなんでもできる
いい子みたいに思われて…」
両手で顔を覆い肩を震わせているそのそばで発育した乳房は本人の意思とは関係なくぷるぷると一緒に震えている。
「ミヨキチ…」
俺は愕然とした。俺の知っているミヨキチと、その他大勢のミヨキチを見る目はほぼ一致する。小学生とは思えぬ
姿形、おしとやかでしっかりしていて礼儀正しい。だがそれはミヨキチには褒め言葉でも正しい認識でもなんでも
なく、深刻なコンプレックスとなって精神を押し潰そうとしていたのだ。
「私…もう嫌…こんな体…もう、私…」
「やめろミヨキチ!」
俺はミヨキチを思い切り抱きしめた。それ以上言うな。言ったらおまえの心が折れちまう。
「いいかミヨキチ。おまえの背が高いおかけで俺は今こうやって立ったままおまえを抱きしめることが出来るんだ。
妹みたいにちっこかったらそうはいかん。どうだ?ものすごく役に立ってるだろう?」
「おまえの体が小学生離れしているおかけで俺と一緒に映画に行こうって気になったんだろう?それで俺との思い
出を創ることができたじゃないか。俺楽しかったぞ」
今日だってその時のポシェットが目印になって顔を伏せてたおまえがミヨキチだと気付けたんだ。
「誰かに寄り掛かりたくなったら、いつでも俺に寄り掛かってこい」
さらさらの髪をそっと撫でると
「うわあああん!!」
ものすごい大声でミヨキチが泣き出した。詰まっていたものをすべて吐き出すように。やれやれ、ひどい声だな。
人様には聞かせられない。でもこれは紛れも無くミヨキチの声だ。俺はミヨキチの素の声が聞けたような気がして
嬉しくなった。と同時にこんな子にこれほどの重圧を加えてきた周りの環境に怒りを覚えてもいた。一番身近にい
るはずの両親はなにをやっているんだ。
もちろん俺は今考えていることを口には出さなかった。それよりも今はミヨキチをしっかり泣かせて落ち着かせな
きゃならん。くそっ、ミヨキチの体はこんなに小さかったのか。
「すみません、お兄さん…」
しばらくしてようやく泣き尽くしたミヨキチは、目の回りを真っ赤にして顔を上げた。
「…どうかな、俺でも役に立てたかな?」
ミヨキチの目を見ながら言うと
「…私、ナンパされたの今日が初めてじゃないんです。いつも最後は走って逃げたりしてました。だから今日、お
兄さんが助けてくれた時は本当に嬉しかった…」
だんだんといつもの喋り方に戻ってきていた。そして俺にこう告げた。
「私、気付いたんです。はっきりと。私はこの人が好きなんだって」
ミヨキチの顔がぐんと近づいた。
「んっ…」
人体は微弱な電気で動いているという話を聞いたことがあるが、今まさに俺は唇を通してミヨキチの体の電気を体
感した。その電流は一秒と経たずに全身を駆け巡り俺の体温を上げていく。ミヨキチが唇を離しても、その余韻に
よって俺の心臓の鼓動は速められたままだった。
「ミヨキチ…おまえ…」
惚けている俺にミヨキチはにっこり微笑んだ。そしてそのまま俺のズボンのボタンを外しファスナーを開けだした。
「おいっ何をっ」
言葉を発したときにはすでに小学生の女の子の手が俺のペニスを直に掴んでいた。
「言いましたよね…お礼がしたいって」
片手で俺のペニスをしごきながら視線は絶対に外そうとしない。
「私でも男の人がこうされると気持ちいいってことぐらい知ってますよ…」
俺はミヨキチを止めたかったが動けなかった。ミヨキチの手の動きはたどたどしくそれほど刺激はこなかったが、
その目に見つめられると体が動けなくなっていたのだ。
「はあ…はあ…」
ミヨキチの息遣いが次第にに荒くなり、そして色気を帯びていく。ミヨキチは跪くと俺のズボンをパンツごと一気
にずり下ろしペニスを解放させた。そして何の躊躇もなく今日一度も洗っていない俺のペニスにかぶりついた。
「うわっ」
ちくしょう、俺さっきから『んっ』とか『うわっ』とかしか喋ってないぞ。いつからカタコトになったんだ俺。
でもミヨキチの口の中暖かい…。
俺のペニスはそんな思考にすぐに答えた。
「んぐっ?!ぷはあっ」
一気に最大限にまで膨張したペニスにさすがにミヨキチは口を離した。しかし手は離さず上下にしごきながら
「びっくりしました。あごが外れるかと思いました」
自分の小さな口では根元までくわえ込むことは無理と判断したのか、今度は舌先で愛撫を再開した。チロチロと尿
道口を舐め回し、甘噛みしながら下を這わす。持ち主の反応を見ながらどこが一番感じるのか探しているような舌
使い。
「ああミヨキチっ!射精るっ!」
どこが一番感じていたかではない。全部感じていたんだ。あっという間に絶頂に達した俺は、ミヨキチの頭を乱暴に掴んでその顔にぶちまけた。
びちゃっ、びちゃっ…
そんな淫猥な音を立てながらミヨキチの頬や額や、まだ赤みの残る目の回りが俺の精液で汚れていく。その一部は
的を飛び越えて部屋の絨毯まで汚した。けれどミヨキチは黙ってどこか嬉しそうに小さな吐息を漏らしながら俺の
精液を受け止めていた。
「…水鉄砲みたいですね…けほけほ」
鼻の中に入ったのか少し苦しそうにしていたが、顔じゅうの精液を指で口元に導きごくんごくんと飲み込むと
「臭いけど…おいしい、です」
少女の体がぶるっと震えた。その姿を見たとき、俺の理性が半分飛んだ。
「きゃっ」
俺はミヨキチを押し倒した。ズボンもパンツも脱ぎ捨てた。全身に大粒の汗が出現した。
「ミヨキチ、聞いてくれ」
しかしそのあとが続かない。すると
「いいですよ、お兄さん…」
俺の汗を受けながら静かにミヨキチが言う。次の言葉がでた。
「いや違う、やっぱりいけない!」
「どうして…」
ミヨキチの声が沈む。違う、俺はこんな声を聞きたいんじゃない!
「ミヨキチ…男ってのは馬鹿な生き物だ。いけないと思っていても俺のペニスはギンギンにおっ立ってる。でもキ
ミは小学生だ。小学生とセックスするわけにはいかないんだ」
するとミヨキチは手を伸ばし俺のペニスを握ると
「…それなら、こっちを使ってください」
まだ毛も生えていないクレバスの下、尻の穴にあてがった。
「お兄さん…私だって女の子です。自分の好きな男の人に押し倒されたら、もう覚悟を決めてます」
目の回りの赤みは消えていた。
「お兄さんとひとつになれるなら、お尻の穴だって平気です。…私は、私がこんな体になったのはお兄さんと出会う
為だったんですから」
その言葉で俺の中の何かが動いたような気がした。この子とずっと一緒にいたい。
その言葉で俺の中の何かが動いたような気がした。この子とずっと一緒にいたい。
「っはあっ!」
ミヨキチの両肩を掴んで腰に力を入れた。にゅるり、という感触と共に驚くほどスムーズに直腸に入っていった。
もっと抵抗があるものと力を入れていたので一気に根元まで埋没してしまった。ミヨキチが軽い悲鳴を上げる。
股間に生暖かいものを覚えた。
「おひいはんの…ふぇいでふからへ…」
ミヨキチは直腸内への挿入の衝撃で失禁していた。挿入と排泄という相反する刺激を同時に味わい、ろれつが回ら
なくなっている。
「っひゃあ、うぐぅ」
俺はおしっこを拭くことなくピストン運動を開始した。ミヨキチは口を半開きにしてよだれを垂らし、鼻水まで垂
らしながら懸命に俺を受け取めようとしていた。
ぴっちゃん、ぴっちゃんと水音を立てながらミヨキチの体を貫くかのような勢いで常に根元まで押し込む。ひょっ
とすると直腸を通り越しているかもしれないが、ミヨキチの尻穴はまるで俺の挿入をずっと待っていたかのように
ぴったりとペニスにまとわりつき快感を与えてくれた。
「わらひの…おひりがあ…ひゃああ」
まだミヨキチはろれつが回らない状態だったが痛そうな表情ではなかった。俺は顔じゅうを精液だらけにして、よ
だれや鼻水まで垂らしているミヨキチのだらしない顔が愛しくてしょうがなかった。今全世界でこの表情を見てい
るのは俺だけなのだ。ミヨキチは俺だけにこの表情をさらけ出しているのだ。
「んぷ…くちゅ」
今度は俺からミヨキチの唇に触れた。体がびくん、と震えると
「はあ…お兄さん…」
俺の体の電気でろれつが元に戻った。
「ミヨキチ…俺達、もう離れられないな…」
その時、ミヨキチの尻穴が猛烈な蠕動運動を開始し、俺のペニスが一気に絶頂に向かった。
「で、射精るっ!このまま、受け取めてくれっ!」
「は、はいっ!」
俺達二人はしっかりと抱きしめ合ってその時に備えた。
ドクンッ!!
ペニスの先から本日二度目とは思えない量の精液が直腸の奥へ奥へと爆発した。「きゃあああ!!」
その激し過ぎる爆風にミヨキチが大きな悲鳴をあげた。
「熱い、熱いよお!私のお尻が、お腹の中が火傷しちゃううう…!!」
絶叫しながら俺の体を力いっぱい抱きしめてきた。俺は二度三度と襲ってくる射精の衝動を止めることができず、
体を震わせながら終息を待つしかなかった。
「ミヨキチ!ミヨキチ!」
俺は妹の親友のあだ名を叫び続けていた。
射精の快感で気を失いそうになるのを必死でこらえていた俺が我に返ると、体の下でミヨキチが微笑んでいた。涙
の跡がはっきり見えた。
「ミヨキチ…ひどい顔だな」
すかさず
「ふふ…お兄さんこそ…」
俺とミヨキチは再び唇を重ねた。
その後が大変だった。
ミヨキチの尻穴からペニスをゆっくり引き抜いて精液が押し出されてくるのを待ったのだが、菊門はきゅっと閉じ
てしまい出てこない。ミヨキチの体にしたら精液は異物だから体が拒絶反応かなにかで排出してくれると思ってい
たのだがその気配すらなかった。
小学生の女の子をM字開脚させてまじまじと尻穴を見つめているのも何だったのでトイレに連れていくことにした。
「腰が抜けた?!」
ミヨキチは顔を赤くして
「だってお兄さんすごかったから…」
俺まで恥ずかしくなってしまった。俺はそんな絶倫の自信はないぞ?
しょうがないのでミヨキチをお姫様抱っこして、俺は下半身裸のまま廊下を歩いてトイレに向かった。お姫様は腰
を抜かしているのでトイレの中に俺も入り便座に座らせた。トイレのドアは開いたままだ。
「…どうだ?」
跪いて訊ねる俺に
「…出ないです」
さすがに困った。
「ミヨキチ、体はなんともないのか?気持ち悪いとか、お腹痛いとか」
ミヨキチはお腹を撫でながら
「なんともないです。不思議です」
何となく声色が明るいのは気のせいか。俺の精液はそんなにミヨキチの体と相性がいいのか。
「お兄さん、出てこないならそれでいいです」
爆弾発言をされた。
「何言ってるんだ」
やや咎めるような口調の俺に
「本当のことを言うと、さっきお兄さんの…その、おちんちんをお尻に入れられた直後から記憶がほとんどないん
です」
まあ、腰を抜かすほどだったらしいからな。
「だから今、お兄さんの精液が体の中にあるという幸せな気持ちをもう少し味わっていたいんです」
裸で便座に座ったままミヨキチが目を細めた。ああ、そうだ、そうだとも。アナルセックスの記憶なんか無くった
っていい。だってそれは…。
「えっ?ちょ、お兄さん?」
堪らずミヨキチを抱きしめた。
「ミヨキチ、おまえいいお嫁さんになれるぞ」
耳元で
「もう、バカ」
少し呆れたような少女の声がした。
「それじゃ、ちゃんと戸締まりするんだぞ」
最初に言った通り俺は両親が帰ってくる前においとますることにした。名残惜しそうにするミヨキチだったが、こ
ればかりはな。結局ミヨキチの両親はフィガロの結婚とかいうおよそ今の俺には縁がないようなオペラコンサート
に行っているんだそうだ。さすがに小学生には無理だと判断したのは正解だが、娘をひとりで留守番させても大丈
夫だと思い込んでいるのは大間違いだ。
「ミヨキチ」
最後にもう一度抱きしめた。ミヨキチの新しく着替えた服からはやっぱり女の子の香がした。
「お兄さん」
玄関のドアノブに手を掛けたところで呼び止められた。ゆっくり振り向くとミヨキチがもじもじしながら
「あのっ…。こんなこと言うのも変ですけど…」
頬が赤い。
「私の…私の本当の処女を貰ってくれるのはいつですか?」
顔全体が火が出るほど真っ赤になった。
俺はドアノブから手を離してミヨキチに近づいた。そっと両肩に手を置いて澄んだ瞳を見つめる。そしてゆっくり
と、はっきりと、こう答えた。
「キミが16歳になったら」
終わり